Meta、Museの記憶・作業継続能力を更新 spacesと音声会話も追加
出典: dev.meta.ai

Metaは11月5日から6日にかけて、AIアシスタント「Muse」と「Meta AI」のモデル更新と新機能の提供開始を発表しました。Museでは、過去の会話を活用する能力と、予想外の問題が起きても作業を続ける能力を高めたモデルの導入が始まりました。自然言語で自分用のツールを作る「spaces」と音声会話も利用できます。

Meta、Museの記憶・作業継続能力を更新 spacesと音声会話も追加
出典: musedirectory.ai

過去の会話から必要な情報を活用

新しいモデルは、MetaのAIモデルシリーズ「Muse Wonder」で既存モデルを訓練した特化版です。Muse Wonderで導入された「Active Memory」と「Active Focus」をMuseとMeta AIに取り入れています。

Active Memoryは、過去の会話から現在の作業に関係する情報を選び、活用する機能です。一時的な情報と長く変わらない情報を区別し、以前の情報が今も有効か、古くなっているかを見分けるよう訓練されています。

Metaの評価では、目標達成に必要な重要情報を正しく使えたタスクの割合は、更新前の76%から更新後の90%に上がりました。重要な情報を忘れる割合は約2.4分の1になったとしています。

行き詰まりからの立て直しも評価

Active Focusは、予想外の問題が起きたときに作業を続ける能力を担います。モデルは実際の作業で起こり得る行き詰まりを想定して訓練され、やり直したり、別の方法を探したりします。

Metaによると、Museが想定外の問題に直面する日常的なタスクを最後まで完了する能力は、更新前より67%改善しました。また、複数の作業を並行して進めるほか、利用者と相談しながら進めるか、自律的に進めるかを判断するよう訓練されています。

作業中に利用者が方針を変えたり、説明を補ったりした場合も、モデルは進め方を調整しやすくなりました。Meta AIでは、複雑な問題を手順に分けること、追加質問をより的確にすること、会話中の方向転換に対応することも改善しています。

会話の記憶を更新する研究例

長期の会話で情報を扱う研究では、過去のやり取りをすべて保持せず、質問に関係する記憶を選び出す方法が検討されています。2026年の研究「LightMem」は、検索候補を絞った後、意味の整合性を確かめて必要な記憶を選ぶ仕組みを提案しました。

同研究は、会話の短期・中期・長期の記憶を分け、頻繁に行う検索や書き込みと、長期情報の整理を別々に扱います。

2022年のNAVER CLOVAなどによる研究は、新しい会話で過去の情報が無効になった場合に、古い記憶を置き換えたり削除したりする方法を提案しました。たとえば、以前の状態と矛盾する新しい情報を記憶に反映する仕組みです。これらは研究上の方式であり、Museが同じ仕組みを使うことを示すものではありません。

spacesと音声会話を順次提供

spacesでは、作りたいツールを言葉で伝えると、Museアプリ内に旅行の計画表や贈り物の管理ツール、単語ゲームなどを作成できます。作成後は機能や見た目を調整し、サイドバーやメインタブに置いて繰り返し使えます。

普段使うアプリをMuseに接続すると、作成したツールの情報を自動で更新できます。利用者が項目にチェックを付けたり、メモを書き加えたりした内容も、次回の利用時に残ります。spacesはMuseが提供されている地域で利用でき、モバイル、Web、Macアプリに対応します。

音声会話と、会話にあわせて表情や身ぶりで反応するアバター機能は、11月5日に提供が始まりました。Museの声は数百種類から選べます。利用者は、Museが応答している途中でも話しかけられます。アバターは会話画面と並べるか全画面で表示でき、音声だけで会話することもできます。

音声会話機能はモバイル、Web、Macアプリで米国から順次提供されています。散歩中や料理中に話しかけて作業を頼むほか、考えを整理する、旅行の計画を立てる、面接の練習をするといった使い方があります。