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人文・文化

シベリアの2800年前の墳墓から大麻の精神作用を示す最古級の直接証拠

シベリア南部のトゥヌグ1号墳から、大麻の種子と、埋葬された人々の髪に残るカンナビノイドが見つかりました。研究チームは髪の化学分析と種子の年代測定を組み合わせ、約2800年前に大麻が精神作用をもたらす目的で使われたことを示す、現時点で最古の直接証拠と位置づけています。

ブリテン侵攻の契機となった王ウェリカは女性だったとする新説

1世紀前半、ブリテン南部のアトレバテス族を治めたウェリカは、ローマの同盟者であり、女性の統治者だったとする見解を考古学者マイルズ・ラッセル氏が示しました。ラッセル氏は、貨幣に刻まれた称号や図像などを根拠に、従来の男性王という理解を見直しています。

漢字の正方形の字形は言語・書記環境の変化とともに整った

漢字がほぼ正方形の枠に収まる形になったのは、意味を表す文字だからという単一の理由では説明できません。Dai氏とLi氏は、文字が表す言語単位に加え、字形の変化、筆記具や書写面、文章の配置、文化的な選好、印刷などが重なり、字形が徐々に整ったと分析しています。

インカの子どものミイラからコカ由来成分とハルミンを検出

インカ帝国の儀礼「カパコチャ」で犠牲となった子ども8人の毛髪や爪を分析した研究で、コカの使用を示す成分のほか、1人の爪からハルミンが検出されました。幻覚作用のある物質は分析対象から検出されず、研究チームは、薬物が主に山越えの負担を和らげる目的で使われた可能性を挙げています。

スペインの洞窟堆積物から約2万2000年前の人類核DNAを検出

スペイン北部のエル・ミロン洞窟で、人骨が見つかっていない約2万2000年前の地層から、複数の人に由来する古代DNAが回収されました。研究チームは堆積物から約1万4000個のヒト一塩基多型を得て、最終氷期のヨーロッパにおける集団の移動と遺伝的なつながりを調べました。

アマルナ書簡が伝える青銅器時代の外交と楔形文字

紀元前14世紀、エジプトのファラオと周辺の王や地方支配者は、粘土板の書簡で外交交渉を交わしていました。アマルナ書簡には、贈り物の要求や軍事支援の要請、侮辱への抗議が記され、当時の国際関係を伝えています。書簡の多くはエジプトの象形文字ではなく楔形文字で書かれ、主にアッカド語が使われました。

ナノティラヌスの化石「ジョディ」、ニューヨークの競売で4,730万ドル(約75億円)で落札

ナノティラヌスの骨格標本「ジョディ」が、ニューヨークでの競売で4,730万ドル(約75億円)(3,550万ポンド(約75億円))で落札されました。ティラノサウルス・レックス(T. rex)の幼体と考えられていた標本が、独立した属に分類された後に市場へ出たことで、化石の個人所有と、研究や一般公開の機会をどう確保するかが議論されています。

エリザベス1世はイワン4世の求婚をかわし、モスクワ会社の貿易特権を保った

イワン4世はエリザベス1世に複数回、結婚をほのめかす書簡を送りました。エリザベスは明確な拒絶を避け、求婚に応じず、貿易関係を損なわないようロシア側の期待を慎重に扱いました。モスクワ会社の独占権をめぐる対立の後、両国の関係が持ち直した背景には、ロシアの軍事的危機もありました。

『エドワード三世』はシェイクスピアが主に執筆、マーロウとの共作と判定

1596年に匿名で出版された歴史劇『エドワード三世』について、計算機による文体分析は、ウィリアム・シェイクスピアが主に執筆し、クリストファー・マーロウも一部を担当したと判定しました。この結果は、同作をシェイクスピア作品群に加える根拠となり、2人の劇作家が共作したことを示しています。

ピーター・ジャクソンら、希少なモアの卵をニュージーランドへ返還

絶滅した飛べない鳥モアのほぼ完全な卵がニュージーランドへ戻り、先住民のンガイ・タフ(Ngāi Tahu)に託されました。ピーター・ジャクソン氏と遺伝子技術企業コロッサル・バイオサイエンシズが取得に協力しました。修復後の保管や研究は、ンガイ・タフ側と連携して進められる予定です。

AIで港湾記録を読み解き、英国の海上貿易を地図化

サウサンプトン大学の研究チームは、16世紀以降の港湾記録約10万ページをAIで読み取り、英国の商船航海や積み荷を調べられる地図を作りました。記録された貿易では欧州が主要な相手地域で、品目では石炭が最も多く確認されています。

エジプトのベヘベイト・エル・ハガルでラムセス2世の巨像2体の断片を発見

エジプトのナイルデルタにあるベヘベイト・エル・ハガルで、ラムセス2世を描いたとみられる巨像2体の断片が見つかりました。地元住民が銘文のある石を届けたことをきっかけに発掘が始まり、王の名や称号を記す遺物も出土しています。発掘は続いており、像と遺跡の関係を調べています。

鬼界アカホヤ噴火後、南九州で人口減少も北部九州では増加が続く

約7,300年前の鬼界アカホヤ噴火は、縄文時代の日本列島に一様な人口減少をもたらしたわけではありませんでした。噴火に近い南九州では人口が大きく減る一方、北部九州では噴火の前後を通じて増加が続き、遠方の地域でも人口増加が鈍るなど、地域ごとに異なる変化が見つかりました。この結果は、噴火後の人口動態を「壊滅」か「影響なし」の二択では捉えられないことを示しています。

トルコ沖で約4,400〜4,700年前の難破船を発見

トルコ南部アンタルヤ県のケコヴァ島沖で、約4,400〜4,700年前の難破船が見つかりました。年代は初期青銅器時代にあたり、これまで知られていた世界最古の難破船の記録を更新します。

日本語フォント「Furifont」公開、漢字の上にかなやローマ字を表示

漢字の上にかなやローマ字のふりがなを表示する日本語フォント「Furifont」が、2026年10月15日に公開されました。通常のフォントとしてアプリやウェブサイトで使えるほか、ブラウザー上で適用する方法も用意されています。フォントの字形置換を利用するため、元の文章にふりがなを加えずに表示できます。

ホーレ・フェルス洞窟で約4万年前の象牙製鳥像2点を発見

ドイツ南西部のホーレ・フェルス洞窟で、マンモスの象牙から彫られた鳥の小像2点が見つかりました。約4万年前のオーリニャック文化層から出土し、どちらも親指の爪ほどの大きさです。 オーリニャック文化は、ヨーロッパの初期現生人類に関わる旧石器時代の文化です。

第二言語の音を聞き分ける力、非言語音の聴覚精度と関連

日本語話者が英語の音を学ぶ際、音の小さな違いを聞き取る力が母音の区別と関連することが研究で示されました。言語音ではない音の周波数などの差を聞き分ける能力が高い学習者ほど、英語の母音を区別する課題でも成績が高い傾向にありました。

BBC、J.K.ローリングを扱う2部構成ドキュメンタリーを制作

BBCは、『ハリー・ポッター』の作者J.K.ローリングを扱う2部構成のドキュメンタリーシリーズを放送します。シリーズでは、作品が世界に広がった経緯と、ローリングが政治的な発言を強めていく過程を追います。ローリング本人は出演せず、過去の映像や著作、仕事を共にした人々へのインタビューを通じて描きます。

ヴァイキング時代の奴隷制、墓と拘束具に残る痕跡

ヴァイキング時代の奴隷は家事や農作業を担わされ、襲撃で捕らえられた人々は遠隔地へ売られることもありました。マン島の墓では、埋葬された有力者の墳丘上で、頭部を刃物で傷つけられた女性の遺体が見つかっています。奴隷の存在を示す痕跡は限られ、墓や拘束具など複数の手がかりを地域ごとに読む必要があります。

スコットランドのリズモア島で初期中世の修道院跡を発掘

スコットランド西部のリズモア島で、地元住民が参加した発掘調査により、初期中世の墓地や建物、金属加工の跡が見つかりました。研究チームは、聖モ・ルオクが6世紀に創設したと伝わる修道院「リオス・モール」が、当時のキリスト教ネットワークで重要な役割を担った拠点だったと位置づけています。

仏ルノワール美術館から盗まれた絵画2点を回収、6人を逮捕

フランス南部カーニュ=シュル=メールのルノワール美術館で盗まれたオーギュスト・ルノワールの絵画2点が、盗難から約1カ月後に回収されました。地元市当局は、事件に関連して6人が逮捕されたと発表しました。

水没したアンティロドス島の宮殿から灯台を刻んだ青銅製の印章指輪

エジプト・アレクサンドリア沖の地中海で、ファロスの灯台を描いた青銅製の印章指輪が見つかりました。発見場所は、現在は水没しているアンティロドス島の宮殿跡です。灯台の図柄を刻んだ印章指輪が見つかったのは、今回が初めてとされています。

マヤの骨壺、ジャガー姿の人物が冥界へ向かう場面を描く

グアテマラで作られた約1,400年前のマヤの骨壺には、血を浴びたジャガー姿の人物、人骨、冥界の神々が描かれています。人物は死者の世界へ迎え入れられる場面と解釈されており、亡くなった支配者の可能性があります。

三内丸山遺跡で10数メートルにわたる新たな盛土遺構

青森市の三内丸山遺跡で、人為的に土を盛り上げて造られた新たな遺構が見つかりました。確認された範囲は10数メートルにわたり、縄文時代中期のおよそ4600年前以降のものとみられます。

アドラサン沖の沈没船から陶器6,511点、ローマ時代の交易を伝える

トルコ南部アドラサン沖の約2,100年前の沈没船から、陶器の皿や鉢など6,511点が引き揚げられ、アラニヤ博物館に移されました。積み荷には122種類の形や大きさの器が含まれ、古代の食卓用品の製造や輸送を知る手掛かりになります。

アブリック・ロマニ遺跡で木製品597点を分析、ネアンデルタール人の道具の幅が判明

スペイン・バルセロナ近郊のアブリック・ロマニ遺跡で、ネアンデルタール人が使ったとみられる木製品や痕跡597点が分析されました。研究チームは、そのうち13点を加工された道具や物と特定し、槍状の品、先のとがった道具、樹皮の容器、構造材、棍棒に似た品などを挙げています。

アン・カーソンが2026年ノーベル文学賞を受賞、古典と現代文学を結ぶ創作を評価

ノーベル賞アウトリーチは10月8日、カナダの作家アン・カーソンに2026年ノーベル文学賞を授与すると発表しました。 古典の伝統と遊び心をもって対話し、現代文学に新たな形式を生み出した作品群が受賞理由です。 詩人で古典学者でもあるカーソンの、ジャンルや形式を横断する創作が評価されました。

ドイツのカペルスブルク砦近くでマルスをまつるローマ神殿を発見

ドイツ・フランクフルト北郊のカペルスブルク砦に隣接する集落跡で、ローマ時代の神殿が見つかりました。ヘッセン州の文化財保護当局は、戦いの神マルスにささげられた神殿とみています。建物の遺構や奉納石、彫像の破片から、砦の周辺で暮らした人々の信仰がうかがえます。

古代エジプト第1王朝のメルネイト、王の印「セレク」に名が刻まれた可能性

古代エジプト第1王朝の王族女性メルネイトは、王妃や摂政にとどまらず、男性の王と同等の統治者だった可能性があります。研究チームは、行方不明の粘土製の壺栓を写した古写真をデジタル処理し、王の名を示す印「セレク」にメルネイトの名を表す文字があると報告しています。研究成果は2026年9月発行の『Prague Egyptological Studies』第36号に掲載されました。