Students working in a classroom, and in a maker space
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MITは、米国の幼稚園からコミュニティーカレッジ(短大)までを対象に、STEM教育を強化する全学的な取り組み「MIT for America」を始めました。数学、AIの活用、設計・ものづくりを重点分野とし、既存の教育プログラムを広げながら、各地の学習者や教育者を支援します。

STEM教育は、科学・技術・工学・数学の4分野を統合的に学ぶ教育です。分野を横断して知識や考え方を活用し、自ら課題を発見・解決する力や数理的思考力を育てます。

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数学・AI・ものづくりを重点分野に

MIT for Americaは、数学的思考と問題解決、AIと共に学び働く力、設計・ものづくりの3分野を掲げています。各地で実施できる規模と、学習者や教育者への直接的な支援を両立するプログラムを目指します。

数学分野では、MITの学生や卒業生が各地の学区の生徒に微積分を教える「MIT for America Calculus Project」を拡大する方針です。既に複数の学区と連携しており、MITはこの活動を今後の展開のモデルと位置付けています。

ものづくり分野では、ファブラボやメイカースペースを使った実践的な学習、設計課題などを広げる計画です。MIT発のFab Foundationは、米国内の300カ所のファブラボで学習者向けのツールとカリキュラムを提供しています。

高校のコンピューターサイエンス履修率

MITは、米国の高校生の約6%しかコンピューターサイエンスの授業を履修していないと説明しています。Education Weekが紹介したCode.orgの年次報告では、2024~25年度に基礎的なコンピューターサイエンスを提供した公立高校は60%で、履修対象となる生徒のうち履修したのは6.1%でした。

同報告によると、2023~24年度も授業を提供する学校の割合は60%でしたが、履修率は6.4%でした。ここでの6.1%と6.4%は、全高校生ではなく、履修対象者に占める割合です。

2024年8月に掲載された別の報告は、Code.orgなどの団体による2023年版の教育状況報告を基に、利用できるデータがある35州で高校生の約6%が履修したと記しています。これは州を限定した集計で、対象校を公立高校とした2024~25年度の数値とは調査時期や範囲が異なります。コンピューターサイエンスは、プログラミングだけでなく、アルゴリズムやデータ分析など、技術を作り問題を解く学習を含みます。

RAISEが支えるAIの授業

AI分野では、MIT RAISE(社会的エンパワーメントと教育のための責任あるAI)が、教師の研修や教材を通じ、AIを授業に取り入れる取り組みを進めています。MITの教員らは、AIの仕組みを理解し、学校での価値観について生徒と話し合う活動を重視しています。

RAISEが支えるDay of AIは、AI教育のためのツール、カリキュラム、評価教材、教師向け研修資料を無償のオープンソースで提供しています。MIT RAISEが研究者と開発した教材は、教師と生徒の双方が使う構成です。MITのシンシア・ブリーズール教授は、コンピューターや多くの技術を使う生徒にとってAIリテラシーが重要だと述べています。

Day of AIのカリキュラムには、教師向けガイド、授業スライド、生徒用ページが含まれます。5~18歳を対象に、AIの基本や機械学習を段階的に学び、データの偏りや生成AIの影響を扱う内容も用意しています。チャットボットの仕組みや偏りを考える教材では、MIT for Americaが掲げるAIの建設的な活用を扱います。

PATHで大学と職場をつなぐ

MITは10月1日、2年制・4年制大学でのAI教育を支援する「PATH」(AI研修と採用への道筋)を始めました。地域の研究大学やコミュニティーカレッジを拠点に、地域企業とカリキュラムを設計し、教員研修や各校が調整して使える教材も提供します。

PATHは対面での協働学習を重視し、学生が企業の実課題にチームで取り組む機会を設けます。技術的な力に加えて、判断力、コミュニケーション、協働、倫理面の意識を育てる設計です。職場で認められる技能を示すマイクロクレデンシャル(短期の学習成果証明)も、就職につながる道筋の一つとして計画されています。

ジョージア州立大学ではPATHの授業に1,000人を超える学生が登録し、AIの基礎、データサイエンス、深層学習などを学んでいます。共同で設計したカリキュラムは、ジョージア州内の複数の提携校にも共有されています。マサチューセッツ州のクインシガモンド・コミュニティーカレッジでは、学生が企業のデータ課題に取り組み、成果物や職業上のつながりを築く授業が行われています。