
4つのテーマで紹介するブシュロンの歩み
ニューヨークのクリスティーズ・ギャラリーで、フランスのジュエリーメゾン、ブシュロンの展覧会「Boucheron: In Focus – A Monograph of a Visionary」が開かれています。会期は10月18日までです。約170年にわたる歩みを、年代順ではなく「自然」「建築」「オートクチュール」「文化と革新」の4テーマで紹介します。
ブシュロンはフレデリック・ブシュロンが1858年に創業しました。1893年にはヴァンドーム広場にブティックを開き、同地に店を構えた最初の大手現代ジュエラーとなりました。
会場には、ティアラから現代のジュエリーまで165点以上の作品が集められています。展示では、身体の動きに合わせるデザインや、ブシュロンのモチーフの変遷も紹介しています。
留め具のないネックレスを支える仕組み
展示作品の一つ「Point d’Interrogation(クエスチョンマーク)」ネックレスは、留め具を使わない柔軟な構造を持ちます。ブシュロンのアーカイブには、フレデリックがこのネックレスの最初のデザインを描いた1879年の記録が残っています。
首に通して着けられる構造は、ネックレスに組み込んだ板ばねによって実現しました。ブシュロンによると、小さな部品を多数組み合わせて柔軟性を持たせ、仕組みが目立たないようにしています。
このネックレスは、1889年のパリ万国博覧会でグランプリを受賞した作品の一つです。当時、ブシュロンの工房では年間およそ30点を制作していました。現行のクリエイティブディレクター、クレール・ショワンヌは、2026年の「Histoire de Style」コレクションでこのデザインを再解釈し、異なるカットのダイヤモンド8石を非対称のラインに配しています。
「Quatre」と「Serpent Bohème」の由来
「Quatre」と「Serpent Bohème」も、展示で紹介されているブシュロンのモチーフです。「Quatre」は2004年、アーカイブにあった4つの意匠を組み合わせたリングから始まりました。
その意匠には、1860年代からアーカイブにあるリブ状の布地に由来するグログラン、1892年以来のダイヤモンドのライン、1860年代から用いられている建築由来のダブルゴドロンが含まれます。パリの石畳を表す「クル・ド・パリ」も組み込まれ、ブシュロンがヴァンドーム広場に店を開いた歴史と結びついています。

「Serpent Bohème」は1968年に誕生しました。ブシュロンはこのコレクションを、職人の技術を生かした金の彫刻のようなジュエリーと説明しています。このモチーフは世代をまたいで受け継がれ、ブシュロンのヴィンテージを代表するものになりました。
2026年の2つのハイジュエリーコレクション
展示の後半では、クレール・ショワンヌによる「Carte Blanche 2026」のコレクション「Human Being」が米国で初めて披露されています。7月に初公開されたこのコレクションでは、共通する一つの形を5組のネックレスとリングに展開し、素材、技法、ボリューム、宝石、光の見せ方を変えています。
「Carte Blanche」は、ブシュロンがクリエイティブスタジオにコレクションのテーマを選ぶ自由を与えるシリーズです。ブシュロンは、このシリーズで創造性と革新を感情表現に結びつける考えを掲げています。
一方、「Histoire de Style」はブシュロンのアーカイブを見直し、その歴史と職人の技術を新たなコレクションに反映するシリーズです。2026年版はフレデリック・ブシュロンに焦点を当て、ブシュロンの歩みを物語る4つのハイジュエリー作品で構成されています。












