
絹の質感を映す文字盤と日本の色
セイコーの「プレザージュ クラシックシリーズ」は、日本の伝統工芸や衣服に着想を得た機械式腕時計です。絹のしなやかさを思わせる文字盤の模様や、日常になじむ色を取り入れています。セイコーは、ものを使うことで生まれる美しさを「用の美」と捉え、色や素材、質感を通じて日々の暮らしに彩りを加えるシリーズと位置づけています。
色名には、精練した絹の白を表す「白練」、若竹の緑を表す「若竹色」、桜の花を思わせる「桜色」があります。文字盤には、色に加え、絹織物の流れるような風合いを意識した型押し模様も施されています。色彩と表面の表情を組み合わせ、伝統的な布の印象を文字盤に取り入れています。
シリーズには、職人の技による深い質感の文字盤を特徴とする「クラシックシリーズ クラフツマンシップ」もあります。伝統工芸や衣服のしなやかさを取り入れ、素材の特性を生かすことがデザインの軸です。伝統色や織物の模様は装飾にとどまらず、シリーズの機能美を形づくる要素になっています。
時計づくりに組み込まれた実用性
文字盤の意匠に加え、機械式ムーブメントもシリーズの特徴です。自動巻きムーブメント「6R51」を搭載するモデルは、最大72時間のパワーリザーブを備えます。パワーリザーブは、ぜんまいを巻き上げた後に時計が動き続ける時間を指します。
ケースサイズは36ミリ、38ミリ、40.2ミリがあり、両面を湾曲させたサファイアガラスを採用するモデルもあります。ケースの曲線や複数の駒を連ねたブレスレットも、シリーズの外観を形づくります。仕様はモデルごとに異なります。
セイコーは、長年の時計づくりで培った技術と感覚を生かし、伝統的な日本の機能美を表現するとしています。クラフツマンシップのシリーズでは、職人の技による文字盤の深い質感を特徴としています。素材の表情を重視するデザインと、時刻を刻む機械式時計としての実用性を備えています。
「用の美」を現代から見直す展示
セイコーは、時計の着想源となった日本の美意識や機能美を現代の文脈から考える場として「プレザージュ ミュージアム」を設けています。伝統工芸の専門家の知見を取り入れ、これらの考え方を探る取り組みです。クラシックシリーズが扱う色、素材、質感は、展示のテーマにも結び付いています。
展示には「日本の美を織り込む」「自然の美に染める」「糸に宿る時を超えた美」といった題が並びます。「職人技と精神で染める日本の青」も扱われ、織りや染めがシリーズの意匠を読み解く手掛かりになっています。時計の文字盤に取り入れた布の質感や色彩を、工芸の技法や素材の側から捉える構成です。
展示は、2026年の企画「日本の美を織りなす」など、織物や染色を題材にしています。シリーズの文字盤は、絹の流れを思わせる型押し模様や伝統色を通じて、こうした題材と接点を持ちます。時計のデザインと展示の双方で、日用品に宿る美しさを扱っています。
伝統的な意匠を日常の装いへ
プレザージュ クラシックシリーズは、伝統的な日本の美意識を、ケースの曲線、文字盤の質感、色使いに反映した腕時計です。文字盤には白練、若竹色、桜色があり、絹織物を思わせる模様も採用されています。機械式ムーブメントや複数のケースサイズも展開しています。
伝統工芸や衣服、日用品に見られる機能美がシリーズの着想源です。「用の美」という考え方は、素材や色、質感が暮らしの中で果たす役割に目を向けます。時計の意匠とミュージアムの展示は、この考えを製品と工芸の視点から扱っています。
機械式時計としての仕様と、伝統的な布や染色を思わせる外観を一体で示す点が、シリーズの特徴です。色や表面の仕上げを通じて日本の工芸に接続し、腕時計として日常に用いることを想定しています。











