
横型バックパックをブランドの軸に
イタリア・ミラノ発のライフスタイルブランドDONE!(ダーン!)が、大阪の阪急うめだ本店で関西初の期間限定店を開いています。2024年5月にデビューした同ブランドは、横長のバックパック「EAST+WEST」を中心に、日用品としての使いやすさとファッション性を組み合わせた商品を提案しています。
CEO兼デザイナーのステファニア・ヌッティは、旅行先で多くの人が似た縦型のリュックを使っていることに気づき、デザインと機能を備えたバッグを作ろうと考えました。ファッション業界で働いた経験はなく、機械産業で働いた後、工場を訪ねたり専門家に話を聞いたりしながら、3年間ものづくりを学んだといいます。
ブランドはミラノのショールームを拠点に7人で運営されています。ローマ空港やミラノ中央駅でのポップアップに続き、2026年9月には名古屋で国内初のポップアップを開催し、大阪へ展開しました。
EAST+WESTの形と使い方
シグネチャー商品「EAST+WEST」は、主流の縦型とは異なる横長の形が特徴です。ヌッティは1930年代の横型ヴィンテージバッグから着想を得たと説明し、背負った際にバッグが背中の高い位置に収まるデザインを目指しました。

バックパックに加えて、ショルダーバッグやハンドバッグとしても使えます。取り外せるストラップは、ジャケットやヨガマット、カメラの三脚を留めたり、ベビーカーのハンドルに通したりできます。
ファスナーを覆って外から見えにくくし、持ち物を探しやすいよう内側のライナーをオレンジ色にしています。マグネット式の内ポケットは取り外してポーチとして使えます。価格はMサイズが7万9200円、Lサイズが9万6800円です。

実用品として発展したバックパック
バックパックの歴史には、荷物を運びやすくするための工夫が重ねられてきました。約5300年前のアルプスで見つかった「アイスマン」ことエッツィの所持品には、木の板と棒を使った背負い具が含まれていました。 1909年には、ノルウェーのオーレ・ベルガンが背中に沿う金属フレームを加えました。
1930年代には、登山家ジェリー・カニンガムがロッククライミングで荷物を取り出しやすくするジッパー付きの区画を取り入れました。 1967年にはカニンガムがナイロン製モデルの製造を始め、同じ年に創業したJanSportも軽量なアルミフレームの製品を販売しました。

別の設計史では、1952年にケルティ夫妻が航空機用アルミニウムやパッド入りストラップを取り入れたバックパックを手作りしました。 1984年にはドイターが、背中との間に空気の通り道を設けるメッシュ構造の特許を取得しています。こうした実用面の改良に対し、DONE!は服装との組み合わせも提案し、バッグをファッションアイテムとして位置づけています。
素材とブランドの展開
DONE!は、認証済みリサイクルナイロンや、製造工程で生じた端材を使うアップサイクルレザーを採用しています。リサイクル素材の認証基準であるRCSとGRSは、第三者認証を通じて再生素材とサプライチェーン上の管理を確認する仕組みです。GRSには、加工時の社会・環境面や化学物質に関する要件もあります。

GRSの再生素材含有率は、消費者向け表示では50%以上が必要です。一方、企業間取引でGRSを使う場合は20%以上の製品も対象となります。DONE!は、採用するナイロンの認証名や含有率を公表していません。
ヌッティは、素材に加えて社会面の取り組みも重視すると話しています。団体「Save the Planet」を通じて年2回、ブラジル・マナウスの学校を訪れ、持続可能なプロジェクトづくりなどを週4時間教えているといいます。2027年にはモロッコのマラケシュで、女性の権利やジェンダー平等に関する教育支援を始める予定です。
ブランドは今年からスタイリングを取り入れた動画発信にも力を入れています。35歳以上を主な対象とし、パイソン風プリントやメタリック素材を使ったカプセルコレクション、コスメポーチから着想したバニティバッグ、バッグのように持てるPCケースも展開しています。ヌッティは、日本では信頼を得ることが重要だと捉え、急な流行より長く続くブランドを目指すと語りました。










