
KTMは、公道走行に対応する「X-Bow GT-XA」を米国で30台限定販売する計画です。価格は約49万ドル(約7,700万円)からです。販売認証が早期に進めば、納車は2027年に始まる見込みです。欧州で販売されているGT-XRをベースに、米国向けの仕様や装備を加えます。
米国向けGT-XAは30台限定
KTM X-Bowは約20年間、米国市場で販売されていませんでした。GT-XAは、KTMのパートナーであるCarbon Yardが米国向けに連邦基準への適合を進める、公道走行対応モデルです。
GT-XAは、欧州で数年間販売されているGT-XRに近い仕様です。従来のX-Bowとは異なり、GT-XRとGT-XAはフロントガラスとキャノピー型ルーフを備えます。
販売予定台数は30台で、価格は約49万ドル(約7,700万円)からです。注文受付は始まっており、申し込みには5万ドル(約790万円)の預託金が必要です。納車は、米国での販売認証が早期に進むことを条件に、2027年の見込みです。
2027年仕様のエンジンと米国向け装備
GT-XAは、2027年向けに改良されたGT-XRの「Factory 600」パッケージを基本にすると見込まれています。同パッケージでは、ターボチャージャー、吸気マニホールド、インタークーラーを変更した2.5リッター直列5気筒ターボエンジンを採用し、最高出力は592馬力です。
トランスミッションはデュアルクラッチ式で、後輪を駆動します。機械式のリミテッドスリップデフも備えます。GT-XA向けには、縮み側と伸び側の減衰力を調整できるサスペンションや、フロントアクスルを持ち上げる機構が用意されます。
タイヤ空気圧監視システムも搭載され、素材、色、トリム、内装のステッチは購入者が選べます。KTMは、サーキット走行に向けた性能を保ちながら、道路での乗り心地や安定性も考慮したモデルを目指すとしています。
カーボンモノコックの軽さと設計上の制約
GT-XAは、軽量なカーボンファイバー製モノコックを車体の中心構造に使います。モノコックは、外板と骨格を一体化した車体構造です。車体はKTMのGTXおよびGT2レーシングカーを強く参考にしています。
Formula Student用レースカーの車体を分析したChalmers University of Technologyの卒業論文は、車体の重要な指標として重量、ねじり剛性、剛性と重量の比を挙げています。同論文は、鋼製スペースフレームに比べ、カーボン複合材の車体は性能を損なわずに大きく軽量化できると結論づけています。一方で、カーボン複合材には高コストと製造の難しさがあるとも述べています。
別のカーボン製モノコックの例として、Bugatti Veyron 16.4は2人乗りの乗員保護セルを採用し、その重量は約110キログラムとされました。Bugattiの開発責任者は、同車の車軸間のねじり剛性を1度あたり約6万ニュートンメートルと説明し、当時の量産スポーツカーで一般的な値の約2倍だと述べています。同車には、前後の衝突時に変形して衝撃を吸収する構造も設けられました。
米国での販売に関わる認証
米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、連邦自動車安全基準(FMVSS)への適合を政府が事前承認する制度を設けていません。適合を示すラベルは車両メーカーが貼付します。適合車を製造するメーカーは、米国外に所在する場合、米国内の代理人を指定する必要があります。
米国向け車両のメーカーは、車両識別番号(VIN)の形式を判読するための情報を、初回販売の60日前までにNHTSAへ提出します。製造開始後30日以内には、メーカー名、住所、対象製品に関する情報も提出します。適合を示すラベルには、メーカー名と製造年月、製造日に有効なFMVSSへの適合を記載します。
製造時にFMVSSへ適合せず、メーカーの適合ラベルもない25年未満の車両は、NHTSAが輸入対象として認めない限り、恒久的に輸入できません。対象として認められた非適合車は、登録輸入業者が基準に合わせて改修する方式があります。輸入時には車両申告価格の150%に相当する保証金を納め、入国後120日以内に改修を終える必要があります。GT-XAの米国販売では、Carbon Yardが現地業務を担い、KTMは選定された販売パートナーを通じて車両を販売する計画です。
生産体制と車体の仕立て
GT-XAは、カーボンファイバー製ルーフ、フロントガラス、サイドウィンドウを含むキャノピーが車体から持ち上がる構造です。シートは固定式で、ペダルボックスとステアリングホイールの位置を調整できます。
KTMは各車を施設内で手作業により組み立てる計画です。購入者向けには、エンジニアと過ごす機会や、レッドブル・リンクを含む運転体験も用意されます。
X-Bowを手がける事業はKTMの二輪車部門から分離され、ベルギーの投資コンソーシアムの支援を受けています。米国での現地業務はCarbon Yardが担当し、販売は同社と選定販売パートナーが担います。








