
夜明け前の空に広がった光
10月13日の夜明け前、米フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍施設からSpaceXのファルコン9ロケットが打ち上げられました。ロケットの航跡は、オレンジや青の光とガスが広がる「クラゲ」のような形に見えました。
この光景を生んだのは、国際宇宙ステーション(ISS)へ向かう補給ミッション「CRS-35」です。SpaceXがNASAとの商業補給サービス契約に基づいて実施するISS向けミッションの35回目に当たります。
ファルコン9は、数千ポンドの貨物を積んだ無人のドラゴン宇宙船を運びました。地上がまだ暗い時間帯にロケットの排気が広がり、高高度で日光を受けたことで、地上から目立つ光になりました。
ロケットの排気が光る仕組み
ロケットは打ち上げ後、水蒸気と二酸化炭素を排出します。高高度の冷たい空気の中で、これらのガスは氷の結晶に変わり、ロケットの後方へ流れていきます。
夜明けや夕暮れの打ち上げでは、地上や空の大部分が暗い一方、高高度の排気には日光が当たります。その明暗の差によって、凍ったガスの雲が光を帯び、広い範囲から見える形になります。
今回の「クラゲ」は宇宙空間に現れた天体ではなく、ロケットの排気が光を反射して見えたものです。打ち上げを予期していない人には突然の光景に映ることがありますが、この現象自体に危険はないとされています。

CRS-35が運ぶISS向け貨物
ドラゴンには、ISSで使う物資が積まれています。SpaceXはこの契約に基づき、医療用品、食料、衣類、科学実験などを宇宙ステーションへ輸送してきました。
CRS-35は打ち上げ後、ISSに到着するまで数日かかる予定です。ドラゴンは軌道上の実験施設へ向かい、到着後はISSの「ハーモニー」モジュールに自動でドッキングする計画です。
予定どおりに進めば、ドッキングは10月15日午前11時(米東部夏時間)ごろです。到着までの間、ドラゴンはISSへ貨物を届けるため軌道上を飛行します。
打ち上げ時刻が生む見え方
ロケットの排気が同じように凍っても、地上から見える光景は打ち上げ時刻によって変わります。今回のように夜明け前に上昇すると、地上が暗いまま高高度のガスが日光を受け、明るい航跡として見える条件が整います。








