
SpaceXは11月6日、米宇宙軍の機密ミッション「USSF-432」を、カリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙軍基地から打ち上げました。Falcon 9の第1段は洋上の無人船に着陸し、上段は搭載物を運び続けました。米宇宙軍はミッションの目的を公表していません。
夕方の打ち上げと第1段の着陸
Falcon 9は現地時間の午後4時48分に発射されました。米東部時間では午後7時48分、協定世界時では11月7日午前0時48分です。
第1段は太平洋上に配置されたSpaceXの無人船「Of Course I Still Love You」に着陸しました。使用されたブースターは1095で、今回が8回目の飛行でした。
打ち上げ配信は、発射から約10分後、第1段の着陸後に終了しました。その間、Falcon 9の上段は搭載物を軌道へ運ぶ飛行を続けていました。
搭載物をめぐる推測
USSF-432は、2026年に実施されたFalcon 9の119回目の打ち上げで、同年の同ロケットによる米国家安全保障関連の飛行としては14回目でした。SpaceX全体では同年125回目の打ち上げでした。
NextSpaceflight.comは、ロケット段の落下区域が過去のStarlink Group 15の打ち上げと合致することを根拠に、搭載物が宇宙軍の宇宙ベースセンシング・ターゲティング(SBST)構想に属するStarshield衛星である可能性を挙げました。米宇宙軍はUSSF-432の搭載物を公表していません。
Starshieldは、政府や国家安全保障向けにSpaceXが提供する衛星ネットワークです。Starlink衛星の基盤を利用したStarshield衛星が搭載物である可能性もあります。
StarshieldとStarlinkの役割
Starlinkは一般消費者や企業などにも提供される衛星インターネットサービスで、Starshieldは政府・国家安全保障向けに設計されています。SpaceXはStarshieldの用途として、地球観測、安全な政府通信、衛星に顧客の機器を搭載する「ホステッド・ペイロード」を掲げています。
StarshieldはStarlinkの技術や打ち上げ能力を活用し、衛星やサービスの一部はStarlinkのネットワークと連携します。軍事利用向けの暗号化通信や専用端末も用意されます。
Starshieldを構成する資産には、偵察衛星、軍用データ衛星、地上利用者向けの安全な通信が含まれます。
SBST構想が目指す衛星追跡
米宇宙軍のSBST構想には、宇宙から航空機などの移動目標を継続的に探知・追跡する能力の整備が含まれます。Space Systems Commandは、従来の航空機による追跡を補う、全球規模で持続的な宇宙ベースのセンシング層を目指しています。
その仕組みは衛星センサーだけでなく、安全で迅速な通信回線や地上でのデータ処理を組み合わせます。2026年5月、宇宙軍はSpaceXにSB-AMTI計画の契約を付与し、衛星群による初期能力を2028年までに整備する見通しを示しました。
同年8月には、宇宙軍がSBSTの下で総額6億1,500万ドル(約970億円)の契約を3社に付与し、複数のセンシング方式や事業者の育成を進めました。SpaceXはそのうちの1社として5月の契約を得ています。










