ヴァルハラ初のオープンコックピットモデル
アストンマーティンは2026年10月28日、新型「ヴァルハラ スパイダー」を発表しました。同社初のミッドシップ・オープンコックピットの量産スーパーカーです。ネバダ州ラスベガスで10月29日から11月1日まで開かれたイベント「2026 コンクール・アット・ウィン・ラスベガス」で世界初公開されました。
ヴァルハラ クーペと同じプラグインハイブリッド(PHEV)パワートレーンを採用し、システム最高出力は1,079PS、最大トルクは1,100Nmです。ルーフを外した状態でも最高速度350km/hに達し、アストンマーティン史上最速のオープンコックピットモデルとされています。
納車は2027年第3四半期に始まる予定です。開発には、アストンマーティンのF1チームのコンサルティング部門であるアストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズ(AMPT)が参加し、車両の運動性能や空力、素材の設計に関わりました。
ルーフの種類で変わる走行条件
標準のブラックファブリックルーフは取り外して車内に収納できます。装着時の最高速度は200km/hで、停車中に使うレインカバーも付属します。米国仕様ではカーボンファイバー製ハードトップが標準となり、ほかの市場でもオプションで選べます。
ハードトップ装着時は、電子制御による上限の350km/hまで走行できます。ルーフを外した状態でも同じ最高速度に達する設計です。ルーフの有無にかかわらず走行性能を保つため、アクティブ・エアロダイナミクスと電子制御スタビリティ・プログラム(ESP)の設定も専用に調整されました。
オープン走行時には、専用のウィンドディフレクターをフロントガラス上端に取り付けます。気流を乗員の上方へ導き、エンジン冷却用の空気をシュノーケルへ送る設計です。ルーフを装着するときは三つ折りにし、容量15リットルのサイドシル内収納部に収められます。
3基のモーターと車両制御
PHEVシステムは、最高出力828PSの4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンと3基の電気モーターで構成されます。前輪側の2基がフロントの電動アクスルを駆動し、フル電動トルクベクタリング(E-TV)で左右輪への駆動力配分を制御します。
残る1基は8速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)と一体化されています。V8エンジンを補助しながら、リアアクスルと電子制御ディファレンシャル(e-diff)を駆動します。前後のアクスルは機械的につながっておらず、前後輪への駆動力配分は統合車両ダイナミクス制御(IVC)が管理します。
IVCはサスペンション、ブレーキ、ステアリング、パワートレーン、アクティブ・エアロダイナミクスを監視し、走行状況に応じて連携させます。ルーフを装着した状態では、最大600kgを超えるダウンフォースを発生します。前後の空力装置と車両制御を組み合わせ、ルーフの状態に応じた車両バランスを保ちます。
カーボン構造と専用シート
車体の中心には、AMPTが設計・開発したカーボンファイバー製のタブを採用しました。上部と下部の成形には樹脂トランスファー成形(RTM)とF1由来のオートクレーブ技術を組み合わせています。カーボン構造は、車体の剛性や強度と乗員の居住性を両立する設計です。
ドアにはクーペと同じカーボンファイバー製ディヘドラルドアを採用しました。開閉機構を改良してフレームレスデザインとし、ドアガラス上端の形状も変更して、ルーフ装着時の乗降性を高めています。
標準シートは、新設計のカーボンファイバー製ツーリングシートです。乗降性と長距離走行時の快適性を考慮しています。より高いホールド性を求める場合は、クーペと同形状のカーボンファイバー製スポーツシートを追加費用なしで選べます。







