
1922年、王家の谷で発見されたツタンカーメン王の墓からは、黄金のマスクや棺、家具など5,000点を超える品が取り出されました。墓は最大級ではありませんが、比較的荒らされずに残り、王族の埋葬習慣を伝える品々が保たれていました。
ラムセス6世墓の近くで見つかった階段
考古学者ハワード・カーターらがラムセス6世の墓を探していた際、階段が見つかったことが発見のきっかけでした。王家の谷ではすでに広く発掘が行われていましたが、ツタンカーメンの墓は瓦礫の下に隠れ、盗掘を比較的免れていました。
階段の下にはツタンカーメンの名が記された封印扉があり、その先には瓦礫で埋まった通路と、もう一つの封印扉が続いていました。カーターは1922年11月26日、小さな穴を開けて内部をのぞき、ろうそくの光で部屋を確かめました。
カーターの日記によると、内部には王をかたどった像、金箔の寝台、装飾箱、花瓶、椅子、玉座、戦車などが重なり合うように置かれていました。カーターらは二つ目の封印扉の先にも墓が続くと考え、穴を閉じて調査用の電気設備を準備しました。
数千点の品が残した記録
墓の玄室とツタンカーメンの遺体が見つかったのは、発掘がさらに進んだ1923年2月16日です。発見時、近代に見つかったエジプト墓の中でも特に完全な状態を保っていることが分かり、黄金の埋葬マスク、棺、衣服、宝飾品、武器、家具、戦車など5,000点を超える品が搬出されました。
副葬品には葬送儀礼に関わる品だけでなく、日用品も含まれていました。王墓からは杖またはその一部が130本見つかっており、当時の生活を考える手がかりになっています。
ミイラは黄金のマスクを着け、入れ子状に重ねられた棺と厨子に納められていました。人型の棺は3基あり、最も内側の棺は純金製で、重さは110キロとされています。マスクの背面にはヒエログリフが記され、死者の復活や神の庇護に関わる呪文の一部が刻まれていました。
来世への旅を支えた埋葬の品々
古代エジプトでは、死者が来世へ旅立ち、再生するために肉体を保存することが重要だと考えられていました。ミイラ作りでは体を洗い、内臓を取り除き、防腐剤のナトロンで処理してから亜麻布で包みました。
埋葬品や墓の装飾は、死後の旅に備える信仰と結びついていました。
実際に訪れた旅行者は、墓の壁画がよく残り、ミイラを見学できたと記しています。
王家の谷で現在も見学できる墓
王家の谷の墓はそれぞれ構造や壁画が異なります。
発見後、品々は博物館で展示するために搬出されましたが、墓そのものは現在も王家の谷で見学できます。現地では階段を下りて墓へ入ることができます。











