
Kingchaserは記録更新を目指す後継機
英バース大学の卒業生らによるチーム「The Mach Initiative」は、3Dプリント部品を多用したジェットエンジン搭載のラジコン飛行機「Kingchaser」を開発しています。目標は時速614マイル(約988km)、マッハ0.8に達し、ジェット推進ラジコン模型飛行機の世界記録を更新することです。
Kingchaserに先立ち、チームは小型試作機「Kinglet」を製作しました。PETG、PET-CF、PLAを使い、電動ダクテッドファン(EDF)で飛ばす機体です。複数の交換可能な区画に分け、破損した部分だけを取り替えて試作を進められる設計でした。
次の「Kingfisher」は全長1メートル弱で、小型ジェットタービンを搭載しました。Jetcat P60の推力で最高時速205マイル(約330km)に達しましたが、チームはこの機体を、記録挑戦用ではなくジェットエンジンで飛行させる段階に位置づけていました。
現行記録は時速749.221km
ギネス世界記録に記載されたジェット推進ラジコン模型飛行機の最高速度は、時速749.221km(465.544マイル)です。ドイツのNiels Herbrichが2017年に樹立した記録として掲載されています。
認定では、機体の速度を200メートル区間で2方向から測り、その平均を公式記録とします。Herbrichの記録飛行では、カメラ機材で速度を計測し、航空機の専門家が立ち会いました。
Herbrichは2013年にも時速706.97km(439.29マイル)の記録を樹立しており、後の記録は時速42.251km上回りました。Kingchaserが掲げる時速988kmは、現行記録を上回る目標です。
機体の材料と補強を変更
Kingchaserは重量20ポンド(約9kg)で、外装の大部分にPETGを使っています。Kingfisherではエンジンハウジングに熱処理したPET-CFを使いましたが、大型化したハウジングには加熱むらによる反りが生じた可能性があり、KingchaserではPPS-CFに切り替えました。
PPS-CF製ハウジングには炭素繊維を数層重ね、エンジンの取り付け部はアルミニウムと鋼で補強しています。エンジンの熱からプリント部品を守るため、チタン製の排気シートとアルミテープも使っています。
Kingfisherの機体を通していたアルミニウム製の骨組みは、軽量化と特注のCNC加工部品の削減を目的に、Kingchaserでは炭素繊維ロッドに置き換えました。高速時に動翼を動かすため、昇降舵と補助翼を兼ねるエレボンには70kg-cmの高トルクサーボを採用しています。
EDFで試作し、タービン機へ移行
EDFは、ダクト(筒)の内部に置いたファンで空気を後方へ送り、推力を生み出す方式です。NASA Ames Research CenterとMillennium Jetは、5枚羽根のファンを持つダクテッドファンを風洞で試験し、軸方向と前進飛行の条件で性能を調べました。
試験装置のファンは電動モーターで駆動し、回転数やモーターのトルクを計測して入力動力を求めました。試験ではダクトの角度や出口のフラップ形状・角度などを変え、推力や揚力、横力への影響を測っています。
KingletではEDFを使い、モジュールごとに部品を交換して初期の試作を進めました。その後、Kingfisherはジェットタービンを搭載し、Kingchaserではエンジン周辺の材料や補強方法を変更しています。チームはKingchaserの記録挑戦日をまだ発表していません。








