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出典: advertising.amazon.com

Amazonのアンディ・ジャシーCEOは、外部の買い物AIエージェントは現時点で小売店を直接利用するより便利とは言えないとの見方を示しました。一方、MetaのMuseは買い物に使われ、商品探しから購入までをAIに任せる仕組みも整いつつあります。小売業者にとっては、利用の広がりに加え、広告や顧客との接点がどう変わるかが焦点です。

AmazonとMetaが示す買い物AIの利用状況

Amazonは9月、MetaのAIアシスタントMuseによる自社オンラインストアへのアクセスを遮断しました。Amazonは、顧客が同意した利用条件に反すると説明しています。Museは利用者に代わってオンラインで買い物をする外部エージェントで、MetaはShopify、Walmart、Best Buyなどと連携しています。

ジャシー氏は、外部の買い物エージェントを使う顧客はまだ少なく、その利用体験は小売店を直接利用するより便利ではないと述べました。また、外部エージェントはAmazonの第3四半期の広告成績が予想を下回った原因ではないとしています。Amazonでは広告が利益を支える要素の一つです。エージェント経由の買い物は、顧客がサイトやアプリを訪れて広告を見る従来の流れを変える可能性があります。

Amazon独自の「Alexa for Shopping」は、過去1年間に4億人を超える顧客が利用し、顧客とのやり取りは前年同期比で570%増えたとジャシー氏は説明しました。米国では、この買い物アシスタントを使う顧客の注文あたり支出が、使わない顧客より50%多いとも述べています。

Metaのマーク・ザッカーバーグCEOによると、Museの提供開始後、米国とカナダで1,000万人を超える人が設定しました。Museはカレンダーやメールなどのスマートフォン機能と連携し、利用者に代わってタスクを実行できます。ザッカーバーグ氏は、利用者の4分の1超が買い物に使い、平均購入額は200ドル(約3万2,000円)を超えると述べました。

商品探しから決済までをつなぐ仕組み

買い物AIは、利用者の条件を受けて商品カタログを検索し、価格や在庫、配送時期、返品条件などを比較して候補を選びます。条件に合う商品を見つけた後、決済フローと接続すれば、利用者が小売店のサイトを開かずに注文を完了できます。購入前に人の承認を求める設定も、エージェントによる自動購入の一部として扱われています。

Stripeが示す例では、指定日までに届く予算内の商品を探すよう頼まれたエージェントが、商品情報に加えて返品方針と在庫を確認し、購入まで進めます。エージェントが商品を比較するには、価格や在庫などの商品データ、配送・返品方針を機械が読み取れる形で提供する必要があります。注文の確定には、あらかじめ定めた予算や取引条件に沿って使える決済手段も関わります。

PayPalの「Store Sync」は、商品をAIアシスタントから見つけられるようにし、注文を既存の受注管理システムへ送る仕組みです。利用者は選んだAIプラットフォームから離れずに、商品検索やカート管理、購入を進められます。「Agent Ready」は既存のPayPal決済手段を使い、複数のAIプラットフォームとの接続を支援するサービスです。

Stripeは、商品情報をAPIなどで提供し、決済中に人の手作業が必要な段階を減らすことを、エージェントが購入を完了するための条件として挙げています。一方、Amazonのように外部エージェントのアクセスを認めない小売業者もあり、買い物の流れがどのサービスを通るかは、小売業者の対応にも左右されます。

広告と顧客との接点をめぐる変化

BCGは、外部エージェントが商品の発見や比較を仲介することで、顧客が小売店を訪れずに購入するケースが生まれると分析しています。その場合、小売業者は顧客の直接訪問や、自社サイト・アプリ上の広告接点を失う可能性があります。BCGの調査では、回答した小売業者の91%が顧客との関係を失うことを最も大きな懸念として挙げました。

BCGによる欧州の小売業者・ブランドの分析では、外部エージェントからの訪問がウェブサイト訪問に占める割合は2025年後半に1%未満でした。BCGは、近年の成長率が続けば、この割合が2026年末に5%へ達する可能性があると推計しています。AI上で商品を選んでから自分でサイトを訪れる人は紹介訪問に含まれないため、エージェントの影響は紹介訪問数の最大4倍に達する可能性があるとも推計しています。

BCGの調査では、エージェントに購入を単独で完了させてもよいと答えた消費者は4%でした。同社は、現時点では購入の完了よりも、エージェントがどの商品や小売業者を勧めるかが競争の焦点だと分析しています。米国では、AI経由の訪問が2028年にも自然検索からの訪問を上回る可能性があると推計しています。

McKinseyは、エージェントが消費者と販売者の間の主要な窓口となれば、企業のマーケティングや顧客との関係づくり、収益化の方法にも変化が及ぶと分析しています。同社は2030年の米国B2C小売市場で、エージェント経由の取引が生む収益機会を9,000億〜1兆ドル(約140兆〜160兆円)、世界では3兆〜5兆ドル(約470兆〜790兆円)と推計しました。これは予測であり、実際の利用状況を示す実績値ではありません。

小売業者の対応と購入の段階

BCGは、小売業者が自社サイトを訪れてもらうことと、エージェントの商品評価で選ばれることの両方に対応する必要があるとしています。エージェントが商品候補を比べる際には、価格、在庫、配送、返品条件などを読み取れる情報が評価材料になります。自社ブランドへの信頼や会員制度など、顧客との既存の関係も小売業者が持つ資産として挙げています。

BCGが紹介したNordstromの取り組みでは、商品情報を整備し、OpenAIやGoogleなどに商品フィードを接続しました。同社は外部AI上での商品発見と自社サイト内のAI支援を短期の対象とし、エージェントによる決済は顧客需要に応じて有効化する方針です。自社サイト内の買い物エージェントは試験中で、利用者の購入率が高い一方、その差には利用者の選択による偏りが含まれる可能性もあるとしています。

調査では、エージェントが買い物の発見や比較を担う動きと、決済まで任せる動きには差が見られます。