
Anthropicのエンジニアリングマネージャー、フェリックス・リーゼバーグ氏は、候補者に小規模なコーディング課題を解かせる従来型の面接をチームでやめました。AIがコードを書く状況では、課題の解答力だけで開発者の力を測りにくくなったと考え、AIを活用して成果を出す人の評価方法を探しています。
Anthropicで従来型の課題をやめた理由
リーゼバーグ氏は、問題を定義して解決する力がチームでの活躍を予測する手掛かりになっていたものの、現在は小規模な課題の評価価値が変わったと述べています。Reactの課題やアセンブリ言語の問題を解く能力より、AIとともに成果を生み出す力を見たいという考えです。
同氏は、経験年数よりも新しい視点や行動力が影響を持ちやすくなったとも述べています。Anthropicでは、Claude Codeをコマンドラインで使うことに慣れた人々に向け、比較的新しいエンジニア2人が週末にグラフィカルな画面の試作品を作り、最初の公開版が約8日後に出た事例を挙げました。
採用で何を評価するかは、まだ定まっていません。リーゼバーグ氏は、履歴書やポートフォリオにある小さな試作品から、審美眼、共感、原則に基づく考え方を探しているとしています。
AIエージェントの開発能力を測った研究
AIコーディングエージェントは、コードの提案にとどまらず、ファイルを探して編集し、コマンドを実行して結果を受け取る仕組みを備えています。SWE-agentは、エージェント向けの操作画面を通じて、リポジトリ内の移動、検索、閲覧、編集やテスト実行を行うシステムです。
SWE-agentは、SWE-benchの2,294課題のうち12.47%を解決し、当時の非対話型システムの最高値3.8%を上回りました。別の言語モデルClaude 3 Opusを使った場合は、同ベンチマークの課題の10.5%を解決しました。
一方、エージェントの性能は、モデルだけでなく操作方法や環境からの応答にも左右されます。簡潔な操作と実行結果を伝えるフィードバックを備えた専用インターフェースが、ソフトウェア開発課題への取り組みを支えると報告されています。
企業の採用評価は一斉には変わっていない
ZipRecruiterの2026年10月調査では、情報産業の雇用主の62.5%が応募初期に正式なスキルテストを実施していました。調査対象は雇用主1,500社で、技術職の採用で技能評価をなくす動きが広く進んでいるとはいえない状況です。
同調査では、情報産業の雇用主の70%が、AIによる不正を防ぐため、監督付きまたは対面のスキル評価に切り替えたとされています。試験の形式を変えて評価を続ける企業もあり、従来型の課題をやめるAnthropicの方針と採用現場全体の動きは同じではありません。
Googleのプリンシパルエンジニア、ジャーナ・ドーガン氏は、コーディングそのものより、候補者がコーディングエージェントをどう使うかを面接で見たいと述べました。
技術課題以外の面接手法
米人事管理局(OPM)の構造化面接は、質問や評価基準をあらかじめ定める方式です。質問と採点基準の制約が強い面接ほど、評価者間の一致や信頼性、妥当性が高くなる傾向が報告されています。
質問は職務で必要な能力に結び付けられ、過去の行動や、仕事に近い状況での対応を尋ねます。職務分析で重要とされた能力に沿って質問を作ることは、仕事上の成果との関連性や評価者間の一致につながるとされています。
AIを使った開発力をどのような課題や面接で測るかは、企業ごとに検討が続いており、リーゼバーグ氏も新しい評価方法を模索しています。









