Appleは、macOSの「Full Disk Access(フルディスクアクセス)」をアプリに許可する際、利用者に明確な操作を求める追加制御を導入すると発表しました。ファイルやメール、メッセージ、閲覧履歴などへの広範なアクセスについて、利用者が理解したうえで許可できるようにする狙いです。AIエージェントの自律性が高まるにつれ、この権限に伴うリスクも大きくなるとAppleは説明しています。
Full Disk Accessが対象にするデータ
Full Disk Accessは、バックアップアプリがMac上のファイルを広く扱うためのmacOSの権限です。Appleによると、一部の開発者が利用者の十分な理解を得ずにこの権限を使い、ファイルやメール、メッセージ、閲覧履歴を露出させるおそれがあります。通信アプリの場合、利用者だけでなく、やり取りの相手のプライバシーにも影響し得るとAppleは述べています。
Appleのサポート情報によると、許可されたアプリはMac上の全ファイルに加え、メール、メッセージ、Safari、ホーム関連のデータやTime Machineのバックアップなどにアクセスできます。これに対し、「ファイルとフォルダ」の許可では、選んだ場所へのアクセスを認めます。AIアシスタントが特定の作業用フォルダだけを使う場合、端末全体に及ぶ権限とはアクセス範囲が異なります。
macOSの許可とアプリ内コネクタの違い
MetaのAIエージェント「Muse」をめぐり、Mac上のメッセージ履歴を読んだとする利用者の主張に対して、MetaのCTOは、macOS側のFull Disk AccessとMuse内の「Messages」コネクタの両方を有効にする必要があると説明しました。Metaの説明では、前者はOS側の許可、後者はアプリ内でメッセージ連携を有効にする設定です。
一方、Ars Technicaが取材したセキュリティ研究者のPatrick Wardleは、Full Disk Accessがあれば、アプリはメッセージの保存データなど、ユーザーアカウントから読み取れるファイルに技術的にアクセスできると指摘しました。この見方は、アプリ内コネクタがオフならOS側の広い許可があっても読み取りを防げるというMetaの説明とは異なります。Appleは今回の発表でMuseやMetaを名指ししておらず、個別の設定が実際にどう組み合わさるかも説明していません。
追加制御の時期や形は未発表
Appleは追加制御を導入する方針を示しましたが、対応するmacOSのバージョンや提供時期、許可画面の具体的な変更内容は公表していません。「システム設定」を開き、「プライバシーとセキュリティ」から「フルディスクアクセス」を選ぶと、許可済みのアプリを確認できます。Appleは、バックアップアプリがこの権限を必要とする場合がある一方、AIアシスタントにメールやメッセージまで読む必要があるのか、特定フォルダへの許可で足りるのかを検討するよう案内しています。







