Binanceは香港、韓国、台湾、ブラジルの株式への投資機会を提供する案を検討しています。暗号資産に加え、株式や商品関連商品も扱う計画です。トークン化株式の株主権は、トークンの形式だけでは決まらず、発行や記録の仕組みによって異なります。
Binanceが株式取引の対象拡大を検討
共同CEOのリチャード・テン氏は、利用者から香港、韓国、台湾、ブラジルの主要銘柄に投資したいという要望があるとして、こうした市場の株式を扱うことを検討中だと述べました。Binanceは、対象市場や開始時期などの具体的な提供内容を明らかにしていません。
Binanceは2026年、米国株をトークン化した商品の取引を導入し、貴金属や原油を含む商品デリバティブも扱い始めました。また、Anthropicなど未上場企業の予想評価額を対象に、米ドル連動型ステーブルコインのUSDTで決済する上場前の無期限先物も導入しています。
テン氏は、暗号資産の価格が2025年10月の高値を下回る状況を挙げ、複数の資産を扱う方針を説明しました。Coinbaseも株式取引や無期限先物、予測市場を導入しています。
トークン化株式は記録方法で区別される
トークン化証券は、株式などの金融商品を暗号資産として表し、所有記録の全部または一部をブロックチェーンなどのネットワーク上に置くものです。発行会社自身が株式をトークン形式で発行する仕組みでは、トークンの移転に伴って、発行会社の株主記録上の所有者も変わります。
第三者が発行会社に代わってトークン化する場合、トークンは保管された株式への間接的な持ち分を表すことも、参照株式の価格に連動する別の証券を表すこともあります。後者では、元の株式を発行した会社に対する権利がトークンに伴うとは限りません。
SECのInvestor.govは、発行会社が直接発行する同じ種類の株式なら、従来の株式と同様に議決権や配当を伴うと説明しています。一方、参照株式の価格に連動する合成型では、トークン保有者がその会社に対する請求権や権利を持たず、株主としての権利と異なる場合があります。そのため「トークン化株式」という名称だけでは、議決権や配当の有無は分かりません。
通常の株式取引と異なる点
TD Securitiesの株式市場構造担当副社長、リード・ノッチ氏は、個人投資家がトークン化株式を取引する場合、通常の取引時間内でも価格が最良気配の範囲外になる可能性があると指摘しています。また、従来の株式市場で適用される最良執行の規則が、同じように適用されない可能性も挙げました。
ノッチ氏によると、ブロックチェーン上の取引では流動性が低い場合があり、大口取引ほど価格への影響が大きくなり得ます。機関投資家は即時決済に備えて事前に資金を用意する必要が生じるほか、取引情報が市場に先回りして伝わる懸念もあるとしています。
テン氏はトークン化株式と24時間取引を、主要金融市場の外にいる人々が世界の株式市場へアクセスする手段として位置づけています。
BinanceはAI取引支援も予告
Binanceは10月後半に、暗号資産取引を支援する「Binance AI Pro」を投入する予定です。市場分析、戦略の実行、ポジション管理を自動化する機能を備えるとされています。
テン氏は、利用者が取引条件の設定に慣れるにつれて、AIエージェントによる取引が増えるとの見通しを示しました。同氏は、AIによって取引への参加機会が広がる一方、取引のあり方も変化すると述べています。










