
Northrop Grummanは、F-35戦闘機の通信・航法・識別(CNI)モジュールを組み立てる工程に協働ロボットを導入しました。熟練技術者が数時間かけていたボルトの取り付けが数分になり、担当者を別の作業へ移せると同社は説明しています。
ボルトの取り付けを支援する協働ロボット
対象は、CNIモジュール前面のハウジングを固定するボルトの締結です。ロボットが技術者と連携して作業し、技術者はその動きを監視します。
Northrop Grummanの製造マネージャー、ラベル・キャトリン氏によると、この作業にかかる時間は従来の数時間から数分に短縮されました。同社は、従業員数人を別の重要な工程に移したとしています。
協働ロボットは技術者を置き換える設備ではなく、特定の締結作業を補助する工具システムです。今回の時間短縮はCNIモジュールの一工程に関するもので、機体全体の製造時間が同じ割合で短くなることを意味しません。
CNIモジュールが担う通信と航法
CNIは、F-35の通信、航法、識別に関わる機能をまとめたシステムです。機体には独立した無線機などを個別に並べる代わりに、処理装置を通じて必要な信号を生成する構成が採られています。
米空軍戦闘センター司令官だったジェイ・シルベリア少将は、機体に従来型のUHF無線機や計器着陸装置(ILS)が個別に搭載されているのではなく、CNIの装置が必要な波形を生成すると説明しました。個別の装置を取り外して修理する従来の手順とは、保守の考え方も異なります。
CNIには、F-35間の通信を想定した多機能先進データリンク(MADL)と、Link 16が含まれます。米国の官報に掲載された説明では、MADLはF-35向けで、通信傍受の可能性を低くする設計です。
MADLとLink 16による情報共有
Link 16は、航空機だけでなく地上や海上の部隊も含む通信システムです。データと音声を使って、監視、識別、航空管制、兵器運用の調整などに関する戦術情報をほぼリアルタイムでやり取りします。
MADLはF-35間の通信に用いられます。F-22には別の機内データリンク(IFDL)があり、両機の間で情報をつなぐ方法も検討されてきました。
2014年の試験では、F-22とF-35双方のデータリンクを備えたガルフストリームIIを使い、両機種を接続してデータを転送しました。これは異なる機種の間で情報を中継できる事例ですが、あらゆる機体や部隊との通信を保証するものではありません。
自動化の範囲と生産ラインの違い
Northrop Grummanは、CNIモジュールの検査にもAIを使った品質管理システムを導入しています。完成したモジュールを細かく分析し、工場を出る前に問題の可能性を検出する仕組みです。
同社のカリフォルニア州パームデールの統合組立ラインでは、自動化やロボット、複合現実のツールを使い、F-35の中央胴体を30時間に1基のペースで製造しています。中央胴体は、機体のステルス性能に関わる最大の構造部品です。
中央胴体の製造ペースと、今回短縮されたCNIのボルト取り付け時間は、別の工程の指標です。協働ロボットの導入で示されたのは限定された作業の所要時間であり、F-35全体の生産数や納入時期の変更ではありません。










