
ヘアフレグランスブランド「LOA(ロア)」を展開するジェイドジャパンは、2027年3月期に売上高60億円規模を見込みます。2023年5月のブランド始動から全国3万超のヘアサロンへ導入を広げ、従業員約20人の体制で事業を拡大してきました。香りを商品開発の軸に据え、消費者への直接的なPRと販売代理店の活用を組み合わせています。
香りを選ぶ体験を商品設計の中心に
田村純一社長は、美容師が新商品のサンプルを手にした際、成分や機能の説明より先に香りを確かめることに着目したと話します。ヘアケア製品の機能や質感が高まるなか、LOAは香りを選ぶ体験を前面に出す方針を取りました。
主力のヘアオイル「LOA THE OIL」は、香りを比較して選べる14種類をそろえています。一方、重さや仕上がりを左右する質感は1種類に統一し、顧客が香りを基準に選べるようにしました。
田村社長によると、オイルの仕上がりはトレンドに合わせて調整し、現在は軽めの質感に寄せています。ベースレシピを共通にしたことで新商品の投入を速められるほか、異なる香りのオイルを混ぜる「レイヤード」も提案できるといいます。
サロンで香りを試し、直販で認知を広げる
美容師が仕上げにオイルを使うと、顧客は香りを体験できます。田村社長は、成分や効果の説明が必要な機能性商品と比べ、香りは言葉に頼らず伝わりやすく、顧客から商品について尋ねられることもあると説明しています。
LOAを扱うサロンでは、店頭販売が前年比で2〜3倍に伸びた例があるといいます。また、ヘアサロンでは顧客と1〜3時間ほど対面し、2〜3カ月ごとに来店する人も多いことから、香りを提案する接点として位置づけています。
同社はサロン専売にとどめず、ポップアップなど消費者と直接接する施策にも投資しています。田村社長によると、表参道での開催に約1億5,000万円、原宿での開催に約2億円を投じました。Instagramのフォロワーは15万人を超え、リール動画の再生数が1投稿で3,600万回を超えた例も挙げています。
販路を絞り、代理店と全国のサロンへ
LOAはバラエティショップには展開せず、百貨店やNEWoMan新宿の常設店舗、限られた旗艦店などに販売先を絞っています。田村社長は、販路を限定し、ラグジュアリーブランドとしての見せ方を意識していると話します。
サロン向けの販売では、全国のディーラーとの取引を16社に限定しています。地域ごとに担当を分け、複数の代理店が同じエリアで価格競争をする事態を避ける狙いがあると田村社長は説明しました。ディーラーの営業部隊を通じて、全国約3万件のサロンに商品を届けています。
同社の従業員は約20人で、うち営業職は16人です。東京の主要サロンには自社の営業担当が訪問し、地方ではディーラーやオンラインで支援する体制を取っています。田村社長は、ディーラーがサロンへの集金も担うため、自社は商品開発とブランドづくりに注力できると述べています。
市場統計は香水と香料全体を区別
MarketsandMarketsは、日本のフレグランス市場について、2024年の規模を6億1,930万ドル、2029年を6億8,700万ドルと推計し、2024〜2029年の年平均成長率を2.1%としています。この区分は「消費者向け製品」と「ファインフレグランス」で構成され、2024年はそれぞれ2億9,670万ドル、3億2,260万ドルです。
MarketsandMarketsの推計では、香料とフレグランスを合わせた市場規模は、2024年の15億6,190万ドルから2029年に17億5,200万ドルへ拡大します。この区分には食品・飲料などに使われる香料も含まれ、香水などを扱うフレグランス市場とは対象が異なります。
LOAのヘアオイルは髪に使う製品で、これらの統計区分とは同一ではありません。田村社長は2029年までに売上高100億円を目指し、海外売上の拡大と新カテゴリーの創出を掲げています。海外売上は現在全体の約10%で、目標達成時には30%への引き上げを見込み、ヘッドスパなどのリラクゼーション需要を意識した商品開発も検討しています。











