マックス・フェルスタッペンがマレーシア開催のバーレーンGPを制し、自身とレッドブルに今季初勝利をもたらしました。雨と車両のソフトウェア問題でスタートが約1時間半遅れたレースでは、終盤にジョージ・ラッセルがパワーユニットの故障でリタイアし、ルイス・ハミルトンが17番手から3位まで順位を上げました。

雨と電力制御の不具合でスタートが遅延

セパン・サーキットでは、豪雨のためセーフティカー先導でフォーメーションラップが始まりました。しかし、フェルスタッペンやハミルトンを含む複数の車が極端に減速し、一部は停止。FIA(国際自動車連盟)はスタート手順を中断し、影響を受けた区間のエネルギー制限を外すソフトウェア更新を各チームに配布しました。FIAによると、低いエンジン回転数、路面の低いグリップ、雨天用のエネルギー管理設定、セパンのセクター構成が重なり、意図しない出力低下が起きました。

Sky Sports F1のアンソニー・デビッドソン解説者は、低速でアクセルを戻す時間が長いとターボの回転が落ち、再加速時に出力を得にくくなると説明しました。2026年型パワーユニットではターボの回転を補助していたMGU-H(熱エネルギー回生装置)がなく、バッテリーの電力が尽きると内燃機関だけで走ります。雨天設定を含むエネルギー管理と低速走行が重なり、必要な出力を出せない状態につながったという説明です。

FIAのシングルシーター部門責任者ニコラス・トンバジス氏は、問題を把握した後、ソフトウェア更新を急いで用意し、全車への導入と確認に約20〜25分かかったと説明しました。再スタートは元のグリッド順で行われました。フォーメーションラップ中に車が順位を失った場合の扱いは規則に定められておらず、通常の位置回復に関する規定もこのケースでは適用されませんでした。

フェルスタッペンが主導権を握り、ハミルトンは3位

レースが始まると、インターミディエイトタイヤを選んだフェルスタッペンとハミルトンは先頭からスタートしたものの、メルセデスのキミ・アントネッリとラッセルに先行されました。ドライ用のソフトタイヤでスタートしたハミルトンは、雨でペースを失って一時17番手まで後退。セーフティカー中にタイヤ交換を見送り、再開後に追い上げました。

先頭争いでは、フェルスタッペンが6周目にラッセルを抜き、セーフティカー中のピットストップ後にはアントネッリもかわしました。21周目にはアントネッリがラッセルを抜いて2番手に上がり、終盤までその位置を保ちました。

アレックス・アルボンの車両が止まったことで終盤にセーフティカーが出ると、各車はタイヤを交換。再開後、ハミルトンはアイザック・ハジャーを抜いて3位に入りました。フェラーリのシャルル・ルクレールが4位、ハジャーが5位、マクラーレンのオスカー・ピアストリが6位でした。

ラッセルは残り5周でパワーユニットの故障によりコース脇に車を止め、3位からリタイアしました。アントネッリは2位でフィニッシュし、チームメートとの差を選手権で84ポイントに広げました。

F1は次戦シンガポールへ向かい、10月11日にナイトレースを開催する予定です。スプリント開催を含む今季の3連戦は、シンガポールで最終戦を迎えます。