
マクラーレンが保管・展示してきたF1マシン5台が、英国の自動車販売会社トム・ハートリー・ジュニアを通じて売りに出されます。対象には1991年型のMP4/6Aからランド・ノリスが乗った2023年型までが含まれます。
セナとベルガーが走らせた1991年型
2台はいずれも1991年型MP4/6Aです。ゲルハルト・ベルガーがレースで使用し、アイルトン・セナもテスト走行を行いました。シャシー番号04はサンマリノGPで2位に入り、自然吸気のホンダV12エンジンを搭載したままです。
シャシー番号07は英国GPやドイツGPを含む4戦でベルガーが走らせました。レースから退いた後もマクラーレンのコレクションに保管されていました。
MP4/6は1991年に8勝を挙げ、マクラーレンにコンストラクターズ選手権をもたらしました。V12エンジンへの変更で燃料消費が増え、車体や燃料タンクにも改良が必要になりました。1990年型MP4/5Bの後継として、技術の移行を抱えながらシーズンを戦ったマシンです。
2012年型とノリスの2台
2012年型MP4/27Aはジェンソン・バトンが複数のレースで使用し、ルイス・ハミルトンもドライブしました。次の所有者への引き渡し前に、マクラーレンが完全なレストアを行う予定です。
2021年型MCL35Mはシャシー番号01で、ノリスがイモラ、モナコ、モンツァで表彰台に立ったレースに使われました。ハイブリッドV6パワートレインを搭載する近年のF1マシンです。
2023年型MCL37Aはシャシー番号03で、ノリスがシンガポールGPと日本GPで2位になった際に使用しました。シーズン後のテストではオスカー・ピアストリ、ミック・シューマッハ、パト・オワード、バルテリ・ボッタスが走らせ、映画『F1』の準備ではブラッド・ピットも乗りました。
MP4/6が残した記録
1991年のMP4/6は、セナがドライバーズ選手権を制したマシンです。Motor Sport Magazineは、F1でコンストラクターズ選手権を獲得した唯一のV12マシンで、マニュアル変速機を使った最後のチャンピオンマシンと位置づけています。
シーズン序盤は4連勝を記録しましたが、ホンダのV12は従来のV10より重く、燃料消費も多いエンジンでした。前年までのマシンをそのまま引き継ぐのではなく、エンジンと燃料容量に合わせて車体を再設計する必要がありました。
ライバルのウィリアムズFW14が優勢だった一方、マクラーレンは開発を続け、セナとともに選手権を獲得しました。MP4/6Aの2台は、そのシーズンのレースやテストで使われた個体です。
マクラーレンが売却する理由
マクラーレン・レーシングの最高経営責任者ザク・ブラウンは、保管庫に置いたままにするより、マシンが象徴するものを生かすために売却すると説明しました。売却対象には、チャンピオンシップを争った旧型車と近年のレースで使われた車両が含まれます。
販売価格は明らかにされていません。










