
ルワンダはF1と10年契約を結び、2030年代前半から「アフリカGP」を開催する計画です。実現すれば、1993年以来、アフリカでF1が開催されることになります。開催地は首都キガリ近郊のブゲセラで、専用サーキットを新設します。
ブゲセラに新設する専用サーキット
サーキットはキガリの南約25マイル(約40キロ)に位置し、新国際空港の隣に建設される予定です。コース設計は、元F1ドライバーのアレックス・ブルツが担当します。
コース建設は、長年F1のサーキット設計を手がけてきたティルケとDARが、ブルツの設計会社WurzDesignとともに監督します。ルワンダの起伏を生かした、高低差のある高速で流れるコースを目指しています。
開催時期はまだ決まっていません。F1はシーズンを年間24戦以内に保つ方針のため、ルワンダの雨季にあたる3〜5月を避ける可能性があります。
アフリカでの開催再開と南アフリカの交渉
F1世界選手権がアフリカで初めて開催されたのは、1958年のモロッコGPでした。南アフリカでは1960〜66年にイーストロンドン、1976〜85年にヨハネスブルク近郊のカヤラミでレースが行われ、カヤラミでは1992年と1993年にも開催されました。
南アフリカは近年、カヤラミやケープタウンでの開催をF1と協議しましたが、合意には至りませんでした。2023年の復帰交渉について、元世界王者ジョディ・シェクターは、主催者側が開催料を50万ドルから200万ドルへ引き上げようとしたと語っています。F1側が署名のために訪れた後に交渉が決裂し、政府も支援を取り下げたというのがシェクターの説明です。
開催料は、開催を希望する国にとっての障壁の一つです。常設サーキットでは、市街地レースのように公道を改修する運営費を抑えられる一方、建設や改修には先行投資が必要です。カヤラミも2014年に買収された後、改修を受けており、開催費用のほか、契約条件や大会後に残る効果も論点となります。
ルワンダが掲げる開催効果
ルワンダのポール・カガメ大統領は、アフリカのファンが現地でF1を観戦できる機会を挙げ、サーキットが雇用、技能、観光、新たな事業につながると述べました。ルワンダは、一度のレース開催にとどまらない長期的な利益を目指すとしています。
F1のステファノ・ドメニカリCEOは、この契約を節目と位置づけ、開催によってF1が人の住むすべての大陸でレースを行うことになると述べました。F1はアフリカでのファン層拡大も開催の狙いに挙げています。
F1開催やスポーツ協賛を通じてルワンダの国際的なイメージを高める「スポーツウォッシング」への批判もあります。ルワンダはプレミアリーグのアーセナルやアストン・ビラと協賛契約を結んでおり、アムネスティ・インターナショナルはアストン・ビラとの契約について、人権問題から注意をそらすために利用されると警告しました。アストン・ビラの事業運営責任者フランチェスコ・カルヴォは、契約を国際市場でクラブが成長する機会と説明しています。
コンゴ東部の紛争をめぐる批判
コンゴ民主共和国は、ルワンダが複数の国際条約に違反したとして国際司法裁判所に提訴しています。2025年2月、国連人権高等弁務官は、ルワンダが支援するM23の攻勢を受けてコンゴ東部の状況が悪化していると述べました。
同弁務官は、2025年1月26日以降、M23とその同盟勢力による攻撃で約3,000人が死亡し、2,880人が負傷したと報告しました。国連人権理事会は、コンゴ東部での人権侵害を調査する事実調査団の設置を決めました。
コンゴ民主共和国の通信・メディア相は、ルワンダを含む国々が同国領内の武装勢力を支援していると非難しました。これに対し、ジュネーブの国連大使ジェームズ・ンガンゴは、ルワンダへの大規模攻撃が差し迫っているとして、コンゴ側の主張を退けました。










