A blood glucose meter with a lancing device and test strips on white
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電気で血糖を変換する埋め込み装置

ETH Zurichの研究チームは、血液中の余分なブドウ糖をグルコン酸に変える埋め込み型装置を開発しました。グルコン酸は尿中に排出されるため、糖の一部が体内で代謝され、組織に蓄えられるのを防ぎます。

装置の中心となる触媒は、金と白金の微粒子を付けたグラファイトフェルトでできています。触媒に電気を流すとブドウ糖をグルコン酸に変換します。電力を調節して反応の開始と停止を制御します。

血糖値の監視には、上腕などに装着する連続血糖測定器を使います。測定値が高くなると、センサーがスマートフォンなどに信号を送り、装置を作動させます。血糖値が目標範囲まで下がると停止する設計です。

マウス試験で血糖値と体重を測定

研究チームは、糖尿病と肥満のあるマウスに装置を取り付け、連続血糖測定器と連携させました。6週間の試験では、装置を使わなかったマウスと比べて血糖値が安定し、体重は平均10%減りました。

研究チームは、血糖値が通常範囲に保たれたことで、代謝が脂肪を燃焼する方向に移ったと報告しています。また、血糖値に応じて反応を止めたり再開したりする制御により、血糖値が安全な水準を下回るのを防いだとしています。

別の実験では、ブドウ糖を含む液体5リットルを使い、人の血液量に近い規模の液体でも触媒が糖を変換できるかを調べました。装置はこの実験でもブドウ糖を変換しました。この実験は大型動物や人での試験に代わるものではありません。

既存の治療薬とは異なる作用

この装置は、薬で体の血糖調節を促すのではなく、血液中のブドウ糖そのものを電気化学反応で変換します。研究チームのマルティン・フッセンエッガー氏は、装置を食事や運動、既存治療に代わるものではなく、将来それらと組み合わせる可能性のある治療手段と位置づけています。

メトホルミンは肝臓での糖産生を抑える作用が知られています。その働きには複数の仕組みが関わり、腸も重要な役割を持つ可能性があります。これに対し、今回の装置は血中の糖を直接グルコン酸に変えます。

GLP-1薬は食欲を抑えて減量を促す治療薬です。装置は、薬による食欲への作用やメトホルミンによる体内の糖産生への作用とは異なり、血中の糖を変換して取り除くことを狙います。

人への応用に向けた次の段階

研究チームは今後、より大きな動物での試験を進め、その後に人での試験を目指しています。

人に必要な規模で十分な量のブドウ糖を変換できるか、長期間にわたり安全性と触媒の効率を保てるかが、フッセンエッガー氏の挙げる課題です。ETH Zurichは、マウスでは6週間にわたり装置が作動し、組織への損傷の兆候がなかったと報告しています。

触媒は細胞や酵素を使わない無機材料で構成されています。研究チームは医療機器としての開発を進める方針です。現段階の成果は動物実験と実験室での検証に限られています。