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医療

クラトムと濃縮成分7-OH、米国で依存リスクと規制の議論が拡大

クラトムは東南アジア原産の常緑樹で、葉を乾燥・粉砕した粉末や茶、カプセルなどが米国で流通しています。葉にはミトラギニンをはじめ複数のアルカロイドが含まれ、ミトラギニンは神経系のミューオピオイド受容体に結合する部分作動薬です。

歯のエナメル質を再生するタンパク質ゲル、唾液中のミネラルで結晶形成

歯の表面を覆うエナメル質は、失われても体内で大きく再生しません。ノッティンガム大学などの研究チームは、唾液中のカルシウムとリン酸を使い、損傷したエナメル質の構造を再形成するタンパク質ゲルを開発しました。研究チームは再生した組織の機械的性質を調べ、製品化に向けた取り組みも進めています。

シロシビン投与後、統合失調症モデルの雌マウスで感覚フィルタリングが9日後も改善

シロシビンを1回投与したところ、mGlu5受容体を欠く統合失調症モデルの雌マウスで、感覚刺激を選別する機能の指標が改善し、その変化は投与9日後にも確認されました。一方、投与直後には同モデルのマウスで活動量などが増えており、急性反応と長期的な変化は異なる経過を示しました。

FDA、慢性B型肝炎治療薬「Hibsago」を承認 対象患者の一部で治療終了後もウイルス制御

米食品医薬品局(FDA)は10月20日、慢性B型肝炎の治療薬「Hibsago(一般名ベピロビルセン)」を承認しました。既存薬を含む治療を終えた後もウイルスを制御できる患者がいる一方、対象は条件を満たす成人に限られ、肝臓や血小板に関わる重大なリスクへの監視も必要です。

硫黄化合物LASSSで筋肉修復タンパク質HGFの受容体結合が2倍超に

九州大学の研究チームは、硫黄化合物「LASSS」を加えると、筋肉の修復に関わるタンパク質HGFの細胞受容体への結合親和性が高まることを実験で示しました。LASSS処理後のHGFは未処理のHGFに比べ、受容体c-metへの結合親和性が2倍を超えました。マウス実験ではHGFのニトロ化を抑える効果も確認されましたが、筋肉量や筋力の回復は示されていません。

冷水シャワーの試験で病欠日数が減少、免疫指標にも変化

冷水シャワーを習慣にした参加者は、そうでない参加者と比べ、病気による欠勤日数が少なかったとする分析結果が公表されました。別の小規模試験では免疫に関わる血液指標の変化も報告されていますが、病気にかかる頻度が下がるかどうかは、これらの結果だけでは分かりません。

早期時間制限食を1カ月続けた男性で、推定脳年齢と記憶課題の成績に変化

メタボリックシンドロームの男性23人が、食事を午前8時から午後4時までに限る生活を1カ月続けたところ、MRIによる推定脳年齢の実年齢との差が約9カ月縮まり、単語記憶課題の一部の成績が上がりました。 ただし、対象は少人数の男性で、介入前後の変化を調べた研究です。女性や他の健康状態の人にも同じ結果が当てはまるとは限りません。

自家発電式歯ブラシ、115人の試験で歯垢や歯肉炎の減少を確認

歯ブラシの毛が曲がる力で電気を生み、歯垢に関わる細菌への作用を狙う「自家発電式歯ブラシ」が開発されました。115人を対象にした3カ月の試験では、通常のナイロン毛の歯ブラシを使った人より、歯垢や歯肉の炎症、出血が少なくなりました。ただし、電動歯ブラシとの比較試験ではありません。

腫瘍内の一酸化炭素を利用し、がん細胞内で抗がん化合物を合成

RIKENの田中克典氏らは、がん細胞が生み出す一酸化炭素を利用し、細胞内で抗がん化合物を合成する実験的な手法を開発しました。培養細胞での試験では、がん細胞内で化合物が生成され、細胞の損傷が観察されました。研究チームは今後、動物モデルで検証する計画です。

シロシビン薬の承認申請、CompassとUsonaが競う

うつ病を対象とするシロシビン薬の承認をめぐり、Compass Pathwaysと非営利団体Usona Instituteの開発が並行して進んでいます。CompassはCOMP360の承認申請を近く完了する見通しを示し、Usonaは別の候補薬PSIL201を申請したと報じられています。どちらもFDAの審査段階に進みつつありますが、対象とするうつ病の種類や開発段階は異なります。

乳房の美しさに単一の数式なし、体全体との調和や文化差が影響

乳房の美しさを一つの寸法や数式で定めるのは難しく、体全体とのバランスや文化的背景も評価に関わります。2010〜2024年に公表された40研究を整理したレビューでは、画一的な基準より、個人の体格や希望を踏まえた手術計画が重視されました。

アルツハイマー病マウスでDNA修復と炎症抑制を示したKCL-286

キングス・カレッジ・ロンドンの研究チームは、脊髄損傷の治療薬として開発された実験薬KCL-286を、アルツハイマー病の特徴を持つマウスに投与しました。DNAの損傷を修復する働きと、脳内の炎症を抑える変化が確認されました。

BMIの上昇と認知機能の低下、24年間の追跡研究で関連

米国の50歳を超える成人8,200人以上を24年間追跡した研究で、BMI(体格指数)が高い人ほど、記憶や全般的な認知機能、実行機能の低下が速い傾向が見られました。 実行機能には、集中や計画、作業の整理、感情の調整などが含まれます。

マウス5研究室の共同実験、シロシビンの持続的な行動変化を再現できず

UCバークレー校、カリフォルニア大学サンフランシスコ校、スタンフォード大学の5研究室が、マウスにシロシビンを投与する同じ実験を行いました。単回投与から24時間後までの行動を調べたところ、不安やうつに似た行動の低下、恐怖反応や社会的な行動の変化は、研究室をまたいで再現されませんでした。

大麻使用と脳卒中の関連、頻度が低い層でも高いオッズ

米国の成人を対象にした調査データの分析では、大麻を使う人は使わない人に比べ、心血管疾患の既往を報告するオッズが高く、とくに脳卒中との関連がみられました。使用頻度が低い人にも関連がありましたが、この研究から大麻が疾患を引き起こすとは証明されていません。

クロルピリホスの長期曝露、パーキンソン病リスクとの関連と神経細胞への作用

研究チームは、殺虫剤クロルピリホスへの長期の居住曝露と、パーキンソン病リスクの上昇との関連を報告しました。マウスやゼブラフィッシュを使った実験では、神経細胞の損傷に、オートファジーと呼ばれる細胞内の再利用・清掃機能の障害が関与する可能性も示されました。

茶の習慣と血管疾患リスクの関連、飲む温度や種類でも差

中国の成人約48万6,000人を追跡した研究では、習慣的に茶を飲む人は、飲まない人に比べて複数の血管疾患を合わせたリスクが11%低いことと関連していました。関連が最も低かったのは1日約6〜8杯の層で、紅茶では緑茶より一貫した関連が見られました。一方、非常に熱い茶を飲む習慣はリスク上昇と関連していました。茶の量に加え、種類や温度によっても関連に差が見られました。

集束超音波とマイクロRNAを組み合わせた膠芽腫治療、動物実験で腫瘍増殖を抑制

米バージニア大学の研究チームは、集束超音波とナノ粒子を使い、マイクロRNAを脳内へ届ける膠芽腫の治療法を開発しました。実験室での試験と動物モデルでは、腫瘍の増殖が遅くなり、動物の生存期間も延びました。膠芽腫は成人に最も多い悪性脳腫瘍で、周囲の脳組織に広がるため、手術ですべて取り除くのが難しいとされています。

マスク氏、視覚野を刺激する視覚補助機器「Blindsight」は規制承認待ちと説明

イーロン・マスク氏は、脳と機器をつなぐNeuralinkの次の製品「Blindsight」について、技術面の準備が整い、規制当局の承認を待っていると述べました。完全に失明した人や、生まれてから一度も見たことがない人にも視覚をもたらすと主張していますが、これはマスク氏が示した見通しです。

脳振盪後の若者、段階的な有酸素運動で症状改善が速まる研究

脳振盪の症状が続く11〜18歳の若者を対象にした試験では、段階的な有酸素運動を週1回のビデオ通話で支援したグループのほうが、ストレッチを行ったグループより症状が速く改善しました。ただし、グループ間の差が見られた時点や対象者は限られており、運動の再開は医療者の管理下で進める必要があります。

高コレステロール食が肝臓のLDL受容体を減らす経路を特定、阻害でマウスのLDL低下

高コレステロール食が肝臓のLDL受容体を減らし、血中のLDLコレステロールを処理しにくくする仕組みが、マウスとヒト細胞を使った研究で明らかになりました。研究チームは、この経路に関わる酵素を阻害すると、マウスでLDL受容体が安定し、血中LDLが大きく低下することも示しました。標的の酵素を阻害する薬は、人を対象に安全性を調べる第1相臨床試験を終えています。

網膜中心部の視細胞、ビタミンA由来物質と甲状腺ホルモンが形成に関与

網膜の中心にある中心窩は、細部を見分ける視力を担う領域です。最も中央にある小さな部分「中心窩小窩」では、赤・緑に反応する錐体が密集し、成体では青に反応する錐体は見られません。この配置が胎児期にどう形成されるかを調べた研究で、青錐体の一部が赤・緑錐体に変化する可能性が示されました。

p-tau217血液検査、認知機能低下リスクを10年先まで推定

p-tau217という血液中のバイオマーカーを測る検査は、アルツハイマー病に関連する認知機能低下のリスクを、症状がない段階から推定する手掛かりになる可能性があります。高値の人では、5年以内に認知機能の障害が生じる確率は38%、10年以内は推定78%でした。ただし、症状のない人への日常的なリスク検査は現時点で推奨されていません。

腸内細菌毒素の受容体を特定、マウスで大腸組織の損傷を抑制

ジョンズ・ホプキンス大学などの研究チームは、腸内細菌 Bacteroides fragilis の一部が作る毒素BFTの結合先となるタンパク質「クローディン4」を特定しました。チームはこの結合を妨げるおとり分子も作製し、マウスで毒素による組織損傷を抑えました。

メブフォテニン点鼻薬、単回投与後8週間までうつ症状の改善が続く

治療抵抗性うつ病の成人を対象とした臨床試験で、メブフォテニン点鼻薬を1回投与した群は、対照群より抑うつ症状が大きく改善し、その差は投与後57日まで続きました。投与後の急性作用は短く、多くの参加者が2時間以内に退院可能と評価されました。

華友丸、シスプラチン耐性の食道がん細胞にフェロトーシスを誘導

シスプラチンに耐性を持つ食道扁平上皮がんの細胞とマウス腫瘍に、伝統的な中医学処方「華友丸(Huayu Wan)」が作用したとする研究結果が発表されました。実験では、細胞の鉄代謝と抗酸化機構に影響してフェロトーシスを誘導しました。マウスでは抗PD-1療法との併用により、腫瘍の増殖がより強く抑えられました。人での治療効果を示す結果ではなく、細胞と動物を用いた段階の研究です。

職場の人間工学的介入、腕・首・肩の不調への効果は限定的

人間工学的な椅子や机、マウスの導入は、仕事に関連する腕・首・肩の不調を短期的に改善するとは限らないことが、更新されたレビューで報告されました。20件の研究、計2,478人を対象にした分析では、痛みや機能、回復、休業への効果は、介入をしない場合や通常のケアと比べて小さいか、ほとんどない可能性があります。

若年発症の2型糖尿病、食事と運動の24週介入で54%が寛解

45歳未満で肥満を伴う2型糖尿病の成人を対象とした臨床試験で、低エネルギー食と運動を組み合わせたプログラムを24週間続けた参加者の54%が寛解しました。通常の治療を受けたグループの寛解率は約4%でした。

MIT、抗原密度を調整できる個別化がんワクチン用ナノ粒子を開発

MITの研究チームは、がん抗原の密度を調整できるナノ粒子を開発し、マウス実験で腫瘍の発生を抑える効果を示しました。粒子の土台には、ヒトに害のないウイルスM13を使います。抗原を差し替えられる構造で、患者ごとの腫瘍に合わせたワクチンへの応用を目指しています。

人工甘味料6種の摂取、8年間の認知機能低下と関連

ブラジルの成人12,772人を約8年間追跡した観察研究で、人工甘味料など7種類の低・無カロリー甘味料は、摂取量が多い人ほど記憶や思考の能力が速く低下する傾向と関連しました。摂取量が最も多い群では、最も少ない群に比べて認知機能の低下が62%速く、認知的な加齢に換算すると約1.6年分に相当しました。

腸内細菌データを使う疾患予測モデル、解釈性と集団間の性能差が課題に

腸内細菌の構成から疾患などの状態を予測する機械学習モデルに、微生物の代謝活動や系統関係、菌同士のコミュニティ構造を組み込む手法「MicroKPNN」が開発されました。炎症性腸疾患、2型糖尿病、肝硬変、大腸がん、肥満に関係する7つのデータセットで評価され、既存の全結合型ニューラルネットワークとDeepMicroを、いずれも7件すべてで上回りました。

18万3,000人の調査で、SNS利用時間は成人の抑うつ自己申告と関連

米国の成人18万3,000人超を対象とした11年分の調査では、SNSの利用時間が長い人ほど、抑うつを自己申告する傾向が一貫して見られました。機械学習モデルでは、1日150分を超えるあたりからSNS利用が抑うつの予測に寄与する度合いが高まりました。ただし、この調査は利用が抑うつを引き起こすと証明したものではありません。

植物性たんぱく質の摂取量と男性のテストステロン値に関連

フィンランドの中年男性を対象にした観察研究で、植物性たんぱく質の摂取量が多い人ほど、総テストステロンと性ホルモン結合グロブリン(SHBG)が高い関連を示しました。一方、大豆やイソフラボンの臨床研究をまとめたメタ分析では、男性のテストステロン値を下げる影響は確認されていません。

小児期の虐待と脳構造、年齢・性別・経験の種類で異なる関連

ドイツの若年成人を対象にした研究で、小児期の身体的虐待や情緒的虐待の経験と、脳の皮質や左扁桃体の構造との関連が調べられました。身体的虐待などは大脳皮質の薄さと結びつき、女性では情緒的虐待を含む経験と左扁桃体の小ささが関連しました。関連の現れ方は経験の種類や年齢、性別によって異なり、日常生活の機能との結びつきも一様ではありません。

筋肉内の磁石で動きを測定、義肢制御への応用を検証

MITの研究チームは、筋肉に埋め込んだ小さな磁石の動きを外部センサーで追跡し、筋肉の長さや動く速さを測る手法を、下腿切断者3人で検証しました。皮膚表面の電極で筋肉の電気活動を測る従来法に比べ、筋肉の機械的な動きを直接捉えられる可能性があります。

コンゴのブンディブギョ・エボラ流行、確認症例が1万件を超える

コンゴ民主共和国でブンディブギョ・エボラウイルスによる流行が広がり、確認症例は1万件を超えました。国内で過去最悪の規模となり、感染者の約半数が死亡しています。接触者の追跡が難しい地域で感染が続き、周辺国でも症例が確認されています。

加齢筋のカルジオリピン低下、筋線維の変化とマウスでの回復を確認

加齢や病気で筋力が落ちた筋肉では、ミトコンドリアの脂質「カルジオリピン」が減少し、速い動きに向く筋線維が持久的な活動に向く型へ移ることが分かりました。マウスでは、カルジオリピンを部分的に回復させると筋萎縮の兆候が改善し、早期死亡も防がれました。筋線維の変化は細胞を守る働きがある一方、治療への応用はまだ動物実験の段階です。

地中海食に関連する血中代謝物スコア、死亡リスク23%低下と関連

地中海食に関連する血中代謝物のパターンは、スペインと米国の計14,584人を対象にした分析で、追跡期間中の死亡リスクの低さと関連しました。スコアが最も高いグループは、最も低いグループに比べ、両集団で死亡リスクが23%低い結果でした。

米国の薬物過量摂取死亡が減少、背景には供給・行動・介入の変化

米国では薬物過量摂取による死亡が2023年のピーク後に減少し、2024年は前年から27%減りました。減少の背景には単一の政策ではなく、薬物供給の変化、使用者の行動変化、公衆衛生上の介入が重なった可能性があります。 ただし死亡者はなお多く、減少が続くかどうかは治療や予防を支える取り組みにも左右されます。

イヌリン摂取の試験で膝の変形性関節症の痛みが低下、握力も改善

膝の変形性関節症がある成人117人を対象にした臨床試験で、プレバイオティクスの食物繊維「イヌリン」を毎日摂取した群は、膝の痛みが低下し、握力が改善しました。痛みへの敏感さも低下し、イヌリン単独群の脱落率は3.6%でした。デジタル支援の運動療法単独群では21%が脱落しました。

Apple Watchの新作動画、心拍数通知の体験と運動習慣を紹介

Appleは「True Apple Watch Story」シリーズの新作動画2本を公開しました。1本は高心拍数の通知を受けたMorganさんの体験、もう1本はアクティビティリングを使って活動量を増やしたJoshさんの経過を取り上げています。

土壌細菌由来の抗マラリア候補、耐性原虫の99.9%を除去

フロリダ大学ワートハイム・UFスクリップス研究所の研究チームが、土壌細菌から抗マラリア候補化合物「SPA」を見つけました。培養した血液と肝細胞で、多剤耐性の熱帯熱マラリア原虫を99.9%除去したとされます。原虫の生活環の複数段階に作用する候補として研究が進められています。

トマトペーストを3カ月摂取した試験で注意力と顔・名前の記憶に小幅な改善

健康な40〜55歳の成人を対象にした試験で、濃縮トマトペーストを3カ月間毎日食べた期間は、リコピンを制限した食事の期間と比べ、選択的注意と顔・名前の照合成績が改善しました。一方、実行機能の検査では変化が見られず、脳画像の結果も少人数の予備的な分析です。試験で使われたリコピン量は、成人が通常の食事から摂る量の目安を上回っていました。

老化細胞の炎症経路を標的にする研究、マウスで改善とヒト試験の結果

老化細胞は分裂を止めた後も体内にとどまり、炎症に関わる物質を放出します。メイヨー・クリニックの研究チームは、こうした細胞の種類や炎症を起こす仕組みを調べた7件の研究を発表しました。研究では、細胞を取り除く方法に加え、炎症を生む経路を抑える方法も検討されています。

週1〜2回の壁スクワット、血圧への効果を4週間追跡

壁に背をつけて腰を落とし、一定の姿勢を保つ壁スクワットを週1〜2回続けた人では、8週間の研究期間の終わりにも収縮期血圧の低下が保たれました。週3回続けたグループでは低下幅がさらに大きく、運動をやめたグループでは改善が薄れました。ただし、頻度を減らした場合に保たれた効果は短期間の結果です。

抗生物質の欧州生産を巡り、Sandoz CEOが調達価格の見直しを求める

抗生物質の有効成分を中国からの輸入に頼る欧州で、Sandozのリチャード・セイナーCEOが、域内生産を維持するため薬の調達価格を見直すよう求めています。EUのペニシリン系抗生物質とその誘導体の輸入に占める中国の割合は、2019年の44%から昨年は86%に増えました。

乳児サルでCCR5標的抗体後、SIVが最長4年間検出されず

乳児のアカゲザルに実験的なCCR5/CD3二重特異性抗体を1回投与したところ、抗レトロウイルス治療の終了後も、複数の個体でサル免疫不全ウイルス(SIV)が長期間血中から検出されませんでした。最長の個体では約4年間、ウイルスの再増殖が確認されていません。ヒトのHIV治療として有効性や安全性が確かめられた段階ではなく、早期感染した乳児ザルでの研究結果です。

膵がんの診断前CTから兆候を捉えるAI「REDMOD」、平均475日前に検出

膵臓のCT画像を解析するAI「REDMOD」は、膵管腺がんの診断より平均475日前に、通常の画像読影では見つからなかった兆候を検出しました。独立した検証セットでの検出感度は73.0%で、放射線科医の38.9%を上回りました。臨床で使うには、高リスクの人を対象とした前向き検証が必要です。

CBNのマウス実験で耐性と離脱反応、日本では含有製品を規制

カンナビノール(CBN)を繰り返し与えたマウスで、薬への耐性と投与中止後の反応が確認されました。人への影響はまだ明らかになっていません。日本では2026年6月から、CBNを含む製品の製造や販売などが原則禁止されています。

地中海食との関連でミトコンドリア由来の2種の小型タンパク質に注目

高齢者を対象にした研究で、地中海食に近い食生活を送る人ほど、ミトコンドリアが作る小型タンパク質「Humanin」と「SHMOOSE」の血中濃度が高いことが分かりました。研究チームは、食事と細胞の健康をつなぐ仕組みの候補として注目しています。ただし、この観察結果だけでは、食事が濃度を高めたとは結論づけられません。

HIV潜伏を支えるENL・USP7・BRD4経路を特定、治療標的の候補に

ノースカロライナ大学医学部の研究チームは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が治療中も免疫細胞などに潜伏するのを助ける経路を特定しました。ENL、USP7、BRD4の3つの宿主タンパク質が連携し、ウイルスの潜伏状態を維持します。

テストステロンの低値・高値と心房細動、関連を示す研究を総覧

テストステロン値が低い場合も高い場合も、心房細動リスクの上昇との関連が報告されています。ただし、ホルモン値が心房細動の原因だとは確定しておらず、補充療法で心房細動を防げるかも分かっていません。治療を検討する際は、対象となる患者や評価した心血管イベントの違いを踏まえて結果を読む必要があります。

胸骨への振動を加えた瞑想、トラウマ経験者の身体意識と白質に変化

胸骨への振動を加えたマインドフルネス瞑想を受けたトラウマ経験者では、身体への意識が改善し、脳の白質の一部で神経突起密度が増加しました。116人を対象とした研究では、振動を加えない瞑想と比べて、解離症状の変化にも違いがありました。これは進行中の臨床試験の中間解析です。

幼少期の砂糖制限、数十年後の認知症リスク低下と関連

英国の砂糖配給期に胎内と乳幼児期を過ごした人は、配給終了後に生まれた人と比べ、後年の認知症や精神疾患のリスクが低い傾向を示しました。脳画像の分析では、脳年齢が実年齢よりわずかに若い傾向でした。

創薬AI企業Pathos、2億3,700万ドル(約370億円)を調達し評価額は約30億ドル(約4,700億円)に

創薬AI企業のPathosは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)が主導するシリーズEの資金調達で2億3,700万ドル(約370億円)を調達し、評価額は約30億ドル(約4,700億円)となりました。Pathosはがん領域を中心に進めてきた事業を神経疾患にも広げ、BMSとの提携ではアルツハイマー病の治療薬開発に取り組みます。

青斑核のノルアドレナリン信号、脳の行き先ごとに異なる経路を形成

マウスの脳幹にある青斑核は、ノルアドレナリンを脳全体へ一様に送るのではなく、神経細胞の集団ごとに異なる領域へ信号を送っていました。学習課題で活動する細胞群も確認され、注意や行動に関わるこの神経系の働きを経路ごとに捉えた研究成果です。

パーキンソン病の7年追跡研究、運動量が多い人ほど認知・運動機能の低下が緩やか

パーキンソン病の成人294人を最長7年間追跡した研究で、身体活動の多い人ほど、思考・記憶と運動症状の悪化が緩やかな傾向が見られました。 週8時間を超えて活動したグループでは、認知機能テストの平均点がほぼ変化しませんでした。 ただし、運動が症状の進行を遅らせたと証明する研究ではなく、活動量と変化の関連を示したものです。

運動とアディポネクチンがマウスの卵巣老化を遅らせる可能性

運動習慣と、脂肪細胞などから分泌されるホルモン「アディポネクチン」に関連する仕組みが、マウスの卵巣老化を遅らせる可能性があります。ただし、人の妊孕性や閉経年齢への効果は実証されておらず、薬剤アディポロンも臨床試験前の段階です。

天然化合物オバクラクトン、ラットで関節リウマチの炎症と関節損傷を抑制

関節リウマチのラットモデルで、植物由来化合物オバクラクトンが関節の腫れや軟骨の損傷を抑え、炎症に関わる免疫反応を変化させました。作用の鍵は、脂肪酸代謝に関わるタンパク質ACOT1の分解です。標準治療とは異なる代謝経路を狙う候補ですが、効果が調べられたのはラットと培養細胞で、ヒトでの治療効果を示す段階には至っていません。

手根管症候群の63人試験、超音波ガイド下の生理食塩水注入で症状改善が6カ月続く

手根管症候群の患者63人を対象にした無作為化比較試験で、超音波ガイド下のハイドロディセクションを受けたグループは、ステロイド注射のみのグループより、痛みやしびれ、手の機能の改善が長く続きました。この処置は平均約15分で、手首の正中神経の周囲に生理食塩水を注入し、神経と周辺組織を分ける方法です。

LSDで脳波の周波数が上昇、脳活動の複雑さも増加

LSDを投与された人では、脳のアルファ波とベータ波の周波数が上がり、脳活動の信号はより複雑でフラクタルな構造を示しました。17人の脳磁図データを再解析した研究で、従来の「脳波が弱まる」という見方だけでは捉えにくい変化が報告されています。脳信号の変化と視覚上の模様との直接的な関連は実証されていません。

Microsoftの医療AI、模擬症例で一般医を上回る診断精度

Microsoftの医療AI「MAI-DxO」は、模擬症例を使った評価で一般医より高い診断精度を示しました。患者の訴えを受けて追加の質問や検査を選ぶ方式で、診断精度と検査費用をあわせて評価しました。ただし、この結果は実際の診療で患者の診断や転帰が改善することを示すものではありません。

46万人超の追跡研究、超加工食品全体と大腸がん発症の関連を確認せず

米国の50〜71歳の男女461,682人を対象にした研究では、超加工食品の摂取量全体と大腸がんの発症率に関連は見られませんでした。一方、食品群別に見ると、超加工食品に分類された食品のうち、全粒穀物や乳製品は発症率の低さ、加工肉は高さと関連していました。

コンゴ民主共和国のエボラ流行、発生約150日で過去の大流行を上回るペース

コンゴ民主共和国(DRC)で2026年に始まったエボラ流行は、発生から約150日の時点で8,978件の症例が報告されました。これは、2014年の西アフリカ流行の同時期にあたる2,599件を上回る数です。その後も症例は増え、発生から5カ月の時点でDRCの確定症例は9,415件、死者は4,536人に達しています。

戦闘機パイロットの長引く頭痛、原因はサイズの合わないヘルメット

インド空軍の戦闘機パイロットを18カ月悩ませた頭痛は、片頭痛ではなく、きついヘルメットによる外部圧迫性頭痛でした。適正サイズのヘルメットに替えると症状は止まり、5カ月後も再発していません。飛行任務に影響する頭痛では、装備との関係も診断の手掛かりになります。

大豆オカラ由来ペプチドを混ぜた3Dプリント用素材、創傷ケアへの可能性を検証

大豆食品の製造過程で生じるオカラからタンパク質加水分解物を取り出し、ポリカプロラクトン(PCL)に混ぜた3Dプリント用素材が開発されました。ヒト真皮線維芽細胞を使った試験では、配合成分に抗酸化作用と抗炎症作用が見られ、創傷治癒への応用可能性が検討されています。

うつ病の約4分の1に体内時計の乱れを伴う新たな分類を提案

オーストラリアの研究チームが、睡眠や気分の季節変動などを特徴とする「サーカディアンうつ」といううつ病のサブタイプを提案しました。11,380人を調べた結果、2,604人がこの分類に当てはまり、重いうつ病を繰り返す人などの約4分の1にみられる可能性があるとしています。ただし、診断基準として確立した分類ではなく、臨床で治療を選ぶ根拠にするには追加の研究が必要です。

アルギリンB、腸内細菌叢を保ちながらC. difficileを抑制 マウスで効果

研究チームは、抗菌物質アルギリンBが腸内細菌の一種である Clostridioides difficile(C. difficile)に作用し、腸内の有益な微生物への影響を抑える可能性を示しました。実験室と感染マウスで効果を確認したと報告していますが、臨床で使える治療薬になるかは今後の研究で検証されます。

ビタミンCの第2相試験、血液疾患患者の生存率に探索的な差

血液の前がん状態や早期の血液がんを対象とした第2相試験で、1年間ビタミンCを摂取した患者は、プラセボ群より有害事象が少なく、約3年後の生存率にも差が見られました。ただし、生存率の結果は探索的な分析であり、研究者らはより大規模な第3相試験で検証する必要があるとしています。

がん免疫療法後の関節炎、再発時に免疫細胞の活動が強まる可能性

免疫チェックポイント阻害薬による治療後、関節の炎症が繰り返し起き、再発時に症状が強まる場合があります。患者6人の関節液を調べた研究では、初回と再発時の両方に現れる免疫細胞が見つかりました。この結果から、過去の炎症に関わった細胞が再び活動する可能性が示されました。

超加工食品の摂取量が多い人ほど脳の血管障害の所見が多い傾向

カナダの中年成人を対象とした研究で、超加工食品の摂取量が多い人ほど、MRIで脳の血管に関連する損傷の所見が多い傾向が見られました。自覚症状がない人にも所見が確認されましたが、食事が損傷を引き起こしたと示す結果ではありません。

大麻を多く使う学生ほど共有意向が低く、他者と使う頻度も下がる傾向

米国の大学生を対象にした調査では、過去1カ月の大麻使用日数が多い学生ほど、仮想の大麻を他者に分ける割合が低く、他者と一緒に使う頻度も低い傾向が見られました。研究チームは、共有課題の得点と実際の使用状況を照らし合わせ、使用頻度との関係を調べました。

SanaHeal、濡れた組織を封止するハイドロゲル接着剤を開発

SanaHealは、濡れて凹凸のある組織に素早く貼り付き、空気や液体を通さない封止を目指す生体接着剤を開発しました。外傷による出血を止める用途では規制当局の承認を得ており、手術中の止血や損傷組織の修復に向けた臨床試験を2027年に始める予定です。

ブタ腎臓を−150℃で最長1年間保存し、移植後の機能回復を確認

ミネソタ大学などの研究チームは、ブタの腎臓を−150℃で最長1年間保存し、再加温して別のブタへ移植した後、機能が回復することを確認しました。従来の臓器保存は数時間から数日単位です。今回発表された研究は査読前で、対象はブタの腎臓です。

赤身肉由来Neu5Gcの摂取量が多い群、2型糖尿病リスク63%高く

赤身肉に含まれる糖の一種、N-グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)の摂取量が最も多い人は、最も少ない人に比べ、2型糖尿病の発症リスクが63%高いという観察研究の結果が報告されました。研究は約9万人を対象にしており、赤身肉と糖尿病の関連には、体重以外の要因も関わる可能性を示しています。

シロシビン単回投与、うつ症状は早期に改善も1年後の群間差は縮小

スウェーデンで行われた無作為化臨床試験では、中等度から重度の反復性うつ病がある成人35人に、シロシビン25mgまたはナイアシンを投与しました。シロシビン群は17人、ナイアシン群は18人で、両群とも17日間に心理的支援のセッションを5回受けました。

褐色脂肪と健康状態の関連を10万人超の記録で解析、ロサルタンの作用もマウスで検証

褐色脂肪組織(BAT)はエネルギーを熱に変える脂肪組織です。米ロックフェラー大学などの研究チームは、医療記録を使ってBATと複数の病気との関連を調べました。約10万人の解析では、BATが確認された人は心血管疾患や精神疾患の有病割合が低く、降圧薬ロサルタンはマウスのBAT活性を高めました。ロサルタンによる活性化が人の健康に及ぼす影響は、この研究では評価されていません。

4週間の瞑想試験、抑うつ症状の変化と手法ごとの心理過程を検討

フランスの成人147人を対象にした4週間の無作為化比較試験で、集中注意瞑想と自己探究瞑想の両方が、待機群より抑うつ症状を大きく減らしました。症状の変化に統計的有意差はなく、探索的分析では、集中注意では思考を距離を置いて捉える力、自己探究では人とのつながりが、それぞれ異なる心理過程として関連しました。

オリゴデンドロサイトのNRF2低下、加齢期の認知機能低下と関連

加齢に伴う認知機能の低下が速かった人では、脳の神経線維が少なく、ミエリンにも異常が見られました。エディンバラ大学などの研究チームは、ミエリンを作るオリゴデンドロサイトのNRF2低下が、こうした変化に関わる可能性を示しました。マウス実験でも関連する変化が生じており、NRF2経路を標的とする治療の可能性が検討されています。

腸内環境を整える実験薬DT-109、動物のMASHで肝障害を軽減

実験薬DT-109は、マウスと非ヒト霊長類の実験で、代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)による肝臓の炎症や重症度を軽減しました。肝臓に直接働きかけるのではなく、腸内細菌や腸の内壁を介して肝臓への影響を抑える仕組みが示されています。