アルツハイマー病マウスでDNA修復と炎症抑制を示したKCL-286

キングス・カレッジ・ロンドンの研究チームは、脊髄損傷の治療薬として開発された実験薬KCL-286を、アルツハイマー病の特徴を持つマウスに投与しました。DNAの損傷を修復する働きと、脳内の炎症を抑える変化が確認されました。
好奇心が、日常をおもしろくする

キングス・カレッジ・ロンドンの研究チームは、脊髄損傷の治療薬として開発された実験薬KCL-286を、アルツハイマー病の特徴を持つマウスに投与しました。DNAの損傷を修復する働きと、脳内の炎症を抑える変化が確認されました。

p-tau217という血液中のバイオマーカーを測る検査は、アルツハイマー病に関連する認知機能低下のリスクを、症状がない段階から推定する手掛かりになる可能性があります。高値の人では、5年以内に認知機能の障害が生じる確率は38%、10年以内は推定78%でした。ただし、症状のない人への日常的なリスク検査は現時点で推奨されていません。

高齢者を対象にした研究で、地中海食に近い食生活を送る人ほど、ミトコンドリアが作る小型タンパク質「Humanin」と「SHMOOSE」の血中濃度が高いことが分かりました。研究チームは、食事と細胞の健康をつなぐ仕組みの候補として注目しています。ただし、この観察結果だけでは、食事が濃度を高めたとは結論づけられません。

創薬AI企業のPathosは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)が主導するシリーズEの資金調達で2億3,700万ドル(約370億円)を調達し、評価額は約30億ドル(約4,700億円)となりました。Pathosはがん領域を中心に進めてきた事業を神経疾患にも広げ、BMSとの提携ではアルツハイマー病の治療薬開発に取り組みます。

魚をあまり食べず、認知症のリスク要因を持つ55〜80歳の成人を対象にした臨床試験で、1日2,000mgのDHAを補うと髄液中のDHA関連指標は上昇しました。一方、2年間の認知機能検査や脳画像では、偽薬を受けたグループとの違いは確認されませんでした。

年齢を重ねると、出来事の細部を思い出す力が変化する一方、経験を結び付けて大きな意味を捉える働きが強まる可能性があります。アリゾナ大学の研究者らは、この変化を単なる衰えではなく、脳が人生の段階に応じて記憶の使い方を変える「適応的老化仮説」として提案しました。

アルツハイマー病の初期の脳変化がある高齢者を追跡した研究で、歩数の多さはタウタンパク質の蓄積や認知・生活機能の低下が緩やかなことと関連しました。この関連は1日3,000歩程度から見られ、最も強かったのは5,000〜7,500歩の範囲でした。

アルツハイマー病のマウスで、ミトコンドリアに集まる酵素GRK2の凝集を抑える化合物と、できた凝集を分解する化合物が、それぞれ脳の損傷や記憶低下を抑えました。いずれも動物実験の結果で、人への治療応用には安全性と有効性の検証が必要です。

アルツハイマー病の研究では、中心的に扱われてきたアミロイドβ(Aβ)に加え、関連するペプチド「P3」の作用も調べられています。P3は長く無害と考えられていましたが、研究では凝集体を形成し、神経細胞に影響する可能性が示されています。

妊娠中から2歳ごろまでに形づくられる腸内細菌叢と脳の発達との関係を調べる研究が進んでいます。腸内細菌叢は免疫や代謝に関わるほか、神経の発達に影響する信号を伝える経路にもなり得ます。自閉スペクトラム症などとの因果関係は確立しておらず、研究者は大規模な検証が必要だとしています。

米ウィスコンシン大学マディソン校などの研究チームは、腸内細菌が作る代謝物イミダゾールプロピオン酸(ImP)が、アルツハイマー病に関連する脳の変化を促す可能性を報告しました。認知機能に問題のない成人を調査し、遺伝データやマウス、培養細胞を使った実験でも関連を調べています。

犬は人と同じ家庭環境で年を重ね、認知機能の低下や脳内の異常なたんぱく質の蓄積が自然に起こります。人為的な遺伝子改変で病気を再現するマウスとは異なり、加齢に伴う変化をそのまま調べられる点も、犬が認知症研究の対象となる理由です。
カナダのヨーク大学の研究チームは、69件の研究を統合して分析し、毎晩7〜8時間の睡眠が、より低い認知症の発症リスクと関連することを示しました。週150分未満の身体活動と、1日8時間を超える座位時間も、認知症リスクの上昇と関連していました。ただし、これらは統計的な関連であり、睡眠時間や運動量を変えることで認知症を防げるという因果関係を証明した結果ではありません。