ケニア人男性はコンゴ民主共和国(DRコンゴ)で発症した後、ウガンダを経てケニアへ移動し、ナイロビの病院でブンディブギョ型エボラウイルスへの感染が確認されました。複数の医療機関と空港の検査を通過し、ケニアで接触した可能性のある人は66人に上ります。

発症後、DRコンゴからケニアへ移動

男性は40歳で、DRコンゴに7年間住み、国内3州を仕事で移動していました。症状が出始めたのは9月15日ごろとされますが、発症時期や感染場所は特定されていません。

男性には発熱と発疹がありましたが、ボンドの医療施設では皮膚感染症と診断され、エボラ検査は行われませんでした。その後、9月20日にキサンガニへ飛び、10日余りにわたって医療機関を訪れました。

10月1日にはベニへ飛び、国境の町カシンディを経て同日ウガンダに入りました。陸路でカンパラへ向かった後、10月3日にエンテベ空港からナイロビへ移動し、重症の状態で病院に到着しました。

空港の検温だけでは捉えられなかった感染

ウガンダ当局によると、男性は空港の検温時に平熱でした。調査責任者のウェッサム・マンコウラ氏は、服用薬が体温を抑えた可能性を調べており、検査時に発熱していなかった可能性もあるとしています。

ナイロビの空港でも男性はエボラ疑いとして検知されず、親族の車で病院へ向かいました。到着時には発熱、悪寒、筋肉痛、喉の痛み、出血があり、検査でDRコンゴの流行と同じブンディブギョ型への感染が確認されました。

ケニア政府は、男性が入国後に接触した可能性のある66人を特定しました。WHOは、DRコンゴとウガンダで接触者追跡が続いているため、対象者が増える可能性があるとしています。

渡航者の症状確認と移動制限

WHOは2014年の空港・港・陸路の出国時検査指針で、質問票、体温測定、発熱時の感染リスク評価を最低限の手順として挙げています。症状がエボラと一致する人は、適切な医療搬送を除き渡航させない方針です。

WHOは同指針で、感染確定者を隔離し、48時間以上の間隔を空けた2回のエボラ診断検査が陰性になるまで渡航させないとしています。接触者については毎日健康状態を確認し、曝露から21日間は国内移動を制限して国際渡航を認めない措置を示しています。

WHOは出国時検査を、症状や曝露リスクのある人を見つけて移動を止める公衆衛生対策と位置づけています。検査室での確定診断は出国時検査の場では実施できないため、質問票や体温、リスク評価を組み合わせる手順になっています。

発症後の接触者追跡とワクチンの対象

欧州疾病予防管理センター(ECDC)は2026年の航空機向け指針で、エボラは症状が出る前には感染を広げないとしています。機内で症状が出た人は隔離し、隔離できない場合は隣席の乗客を個人用防護具などで保護する方法を挙げています。

飛行後に感染者が特定された場合、ECDCは飛行中に症状があり、発見が搭乗から21日以内であることなどを接触者追跡の判断要素としています。追跡の対象には、感染者の隣席付近の乗客、同じ座席区画の客室乗務員や清掃員、直接接触した人などが含まれます。

米食品医薬品局(FDA)のERVEBO(エルベボ)は、ザイールエボラウイルスによる疾患を防ぐワクチンで、12カ月以上が対象です。FDAは、ブンディブギョ型を含む他のエボラウイルス種やマールブルグウイルスには予防効果がないと明記し、接種後も感染対策を続けるよう求めています。