
Blue Originは大型ロケット「ニューグレン」の再飛行を2027年1月に延期しました。5月の静止燃焼試験で損傷したフロリダ州の発射台の再建が遅れ、年内としていた目標を変更したためです。 Amazon Leo衛星の打ち上げにも影響が続くなか、Arianespaceとの契約拡大など、複数の打ち上げ手段が計画に組み込まれています。
発射台の再建遅れで再飛行は2027年1月に
ニューグレンはBlue Originの主力ロケットです。5月の静止燃焼試験中に起きた爆発で、フロリダ州ケープカナベラルの発射台が大きく損傷しました。 静止燃焼試験はロケットを発射台に置いたままエンジンを作動させる試験です。
Blue OriginのCEO、デイブ・リンプ氏は従業員向けのメモで、発射台の再建に遅れが出たことを延期の理由に挙げました。夏の悪天候も工事に影響したとしています。 同社は発射施設の修復を進めるとともに、発射台の構成を見直しました。
再飛行の時期は、同社がそれまで掲げていた年末の目標から約10日後ろ倒しとなる2027年1月です。 ジェフ・ベゾス氏は前月、12月の再飛行を見込んでいると話していました。 リンプ氏は、再建の進展を評価しつつ、作業は容易ではなかったと述べています。
静止燃焼試験と発射台の設備
欧州宇宙機関(ESA)が2023年に行ったアリアン6の静止燃焼試験では、打ち上げカウントダウンの後、中心段のエンジンを7分間燃焼させました。 試験用の機体は発射台にとどまり、ブースターには点火しない手順でした。 この試験は、飛行時のエンジン燃焼を地上で再現するものでした。
アリアン6の試験では、発射台の散水設備を使い、エンジン燃焼による熱を抑えました。 NASAのスペース・ローンチ・システム(SLS)に関する研究では、ブースターのノズル下に設けた散水設備が、点火時や離昇時の音響環境を抑える仕組みとして扱われています。 研究では、統合試験時の水量と画像を調べ、移動発射台が機体の安全な打ち上げを支える機能の一つとして水を供給すると説明しています。
これらはアリアン6とSLSの設備・試験内容であり、ニューグレンの発射台に同じ構成があることを示すものではありません。ニューグレンについて確認できるのは、5月の爆発で発射台が大きく損傷し、再建と構成の見直しが進められていることです。 Blue Originは、発射施設への新たな投資も発表しています。
Amazon Leoは複数の事業者で衛星を打ち上げ
Amazon Leoは、衛星インターネット網の構築にニューグレンを使う計画です。Blue Originの遅延中は、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)やArianespaceなど別の打ち上げ事業者も利用しています。 Arianespaceはアリアン6でAmazon Leoの衛星を軌道へ運んでいます。
Amazon LeoとArianespaceは、アリアン6の追加打ち上げ6回で合意し、契約数を18回から24回に増やしました。 追加分の飛行は2029年に始まり、計画は2031年まで続きます。 2026年には、Arianespaceが3回のアリアン6飛行でAmazon Leo衛星100基を軌道に投入しました。
追加契約の対象はアリアン64で、フランス領ギアナの欧州宇宙基地から打ち上げる予定です。 2026年6月17日の飛行では、改良型ブースターを使ってAmazon Leo衛星36基を投入しました。 Arianespaceによると、このブースターはアリアン64の打ち上げ能力を最大2トン引き上げます。
打ち上げ頻度の拡大と残る契約
Blue Originは、商業顧客や政府機関の打ち上げ需要を取り込むため、ニューグレンの打ち上げ頻度を高めようとしていました。 発射台の損傷と再飛行の延期は、Amazon Leoの衛星網構築にも影響しています。 AmazonはULAやArianespaceを含む複数の事業者に打ち上げを委託しています。
Blue OriginはNASAのアルテミス計画で、月着陸船を含む複数の契約を担っています。 同社はフロリダ州の発射施設への投資を発表し、今 दशकの終わりまでに週複数回の飛行を支えられる施設を目指しています。 再建後の運用再開は、こうした打ち上げ計画の前提になります。
Amazon LeoはArianespaceとの契約を24回に拡大し、追加分の飛行を2029年から予定しています。 一方、ニューグレンの再飛行目標は2027年1月へ移りました。 今後の衛星投入計画には、再建中のBlue Originと、すでに衛星を投入しているArianespaceなど複数の打ち上げ経路が含まれています。









