
コクランの更新レビューは、ニコチン入り電子タバコを使った人は、ニコチンパッチやガムなどを使った人より禁煙に成功する割合が高かったと報告しました。80件の臨床試験、計2万9861人を含む分析で、電子タバコによる禁煙支援の効果と安全性に関する限界を検討しています。
80件の試験で見られた禁煙率の差
分析対象は無作為化比較試験80件で、今回の更新では9件が追加されました。無作為化比較試験は、参加者を複数の支援方法に割り当て、結果を比べる研究です。レビューは、新しい研究を取り込みながら更新されます。
ニコチン入り電子タバコは、ニコチン代替療法(パッチやガムなど)より禁煙率が高いという確度の高い証拠がありました。100人あたりでは、ニコチン代替療法を使う場合と比べ、禁煙に成功する人が約4人多いと推定されています。
ニコチンを含まない電子タバコとの比較では、ニコチン入りの方が100人あたり約2人多く禁煙に成功しました。カウンセリングなどの行動支援や、支援を受けない場合と比べても成功率は高いとされますが、研究設計に偏りがある可能性があるため、結論の確かさは低くなります。
禁煙薬との比較で分かること
2023年のコクランのネットワークメタ分析では、複数の試験から禁煙支援の方法を比較しました。対照群と比べた禁煙成功率は、ニコチン入り電子タバコ、バレニクリン、シチシンで高く、それぞれ100人あたり約8人、約8人、約7人の追加の禁煙成功につながると推定されました。
同じ分析では、ブプロピオンも対照群より禁煙率を高め、100人あたり約3人の追加成功に相当しました。これらの数値はそれぞれ対照群を基準にした推定で、電子タバコと各薬を直接比べた差ではありません。
分析の著者らは、ニコチン入り電子タバコ、バレニクリン、シチシンを、禁煙に有効な選択肢として高い確度の証拠とともに挙げています。薬や電子タバコの効果を相互に順位付けするには、主要な方法を直接比べる研究がさらに必要だとも述べています。
効果の読み取りには期間と機器の限界も
クイーンズランド大学の名誉教授Wayne Hall氏は、更新レビューに含まれる多くの試験で、参加者の追跡期間が6カ月にとどまったと解説しています。禁煙状態がそれより長く続くかどうかは、短期の結果だけでは分かりません。
Hall氏によると、試験で使われた電子タバコには、新しい機器ほどニコチンを効率よく届けない旧型のものも含まれていました。そのため、更新レビューの結果が新しい機器の効果を低く見積もっている可能性がある、というのが同氏の見方です。
更新レビューは電子タバコへの切り替えによる健康上の利点を評価するものではなく、電子タバコやニコチン代替療法をやめる方法も調べていません。別の2023年分析では、重い有害事象の報告数が少なく、長期的な害については、より多くの証拠が必要とされています。
日本での入手・販売に関する制度
ミプロによると、ニコチン入りリキッドは医薬品医療機器等法上の医薬品成分を含むため、販売には製造販売承認が必要で、ミプロの案内の更新時点では国内承認製品はありませんでした。ニコチンを含まない香料用の製品は、同法の対象ではないとミプロは説明しています。
ミプロによると、ニコチン入り製品を仕入れて販売する場合、成分を確認せずに輸入・販売すると違法となる可能性が高いとしています。業として医薬品や医療機器に該当する製品を輸入する場合は、品目に応じた許可や承認が必要です。
レビューで効果が示された対象も、規制に適合したニコチン入り電子タバコです。コクランの著者らは、非正規品やニコチン以外の物質を含む製品には、異なるリスクがあり得るとしています。











