
死者5,000人を超え、感染は8州に拡大
コンゴ民主共和国(DRC)では、ブンディブギョウイルスによるエボラ流行の死者が5,000人を超えました。政府の集計によると、同国で記録されたエボラ流行の中で最悪の規模です。
5月に流行が宣言されて以降、感染者は1万人を超え、26州のうち8州に広がっています。今回の流行は、2014〜2016年にギニア、リベリア、シエラレオネで起きた流行に次ぐ、過去2番目の規模です。
世界保健機関(WHO)の10月20日時点の集計では、DRCの確認症例は9,704人、死者は4,687人でした。10月30日には、死者が5,000人を超えたと発表されました。
隣国にも感染が広がる
WHOは10月20日、ケニアで確認された9人の症例のうち8人が、DRCからの最初の輸入症例に関連する接触者だったと報告しました。9人のうち1人が死亡し、ほかの症例は隔離され、医療を受けていました。
同日時点で、ケニアでは最初の症例に関連する集団以外への感染は確認されていませんでした。ナイジェリアでは、ウガンダから渡航した患者1人の輸入症例が確認され、隔離と接触者の追跡が進められていました。
DRCでは、感染の発見の遅れ、紛争、医療サービスへの負荷が感染拡大に関わり、感染は複数州に及んでいます。WHOの10月20日時点の報告では、追跡対象の接触者約3万人のうち、直近24時間に健康状態を確認できたのは約2万4,000人で、追跡率は79.7%でした。
ブンディブギョ株の感染経路
今回の流行を起こしているブンディブギョウイルスは、エボラウイルス病を起こすウイルス群の一種です。人への感染は、感染した野生動物の血液や分泌物との接触から始まると考えられます。その後、感染者の血液や体液、汚染された物品を介して人から人へ広がります。
感染者の体液や汚染物との接触に加え、医療現場で感染対策が不十分な場合や、遺体に直接触れる葬送の習慣も感染拡大につながることがあります。ブンディブギョウイルス病の潜伏期間は2〜21日です。
大規模な流行を起こすエボラウイルスには、エボラウイルス、スーダンウイルス、ブンディブギョウイルスがあります。人から人への感染経路は血液や体液などを介する点で共通しますが、承認されたワクチンや治療薬があるのはエボラウイルス病だけです。
承認薬とワクチンは別のウイルス向け
米食品医薬品局(FDA)が承認した治療薬は、エボラウイルス病を起こすザイールエボラウイルス種向けです。モノクローナル抗体薬のインマゼブとエバンガがあり、いずれもDRCでの臨床試験で評価されました。
これらの治療薬の有効性は、ザイールエボラウイルス種以外では確立されていません。ブンディブギョウイルス病に対する承認済みの治療薬はなく、候補薬は主に前臨床段階の根拠に基づいて検討されています。
ワクチンも、承認・認可されているエルベボはエボラウイルス病向けで、ブンディブギョウイルス病向けの承認済みワクチンはありません。候補ワクチンの研究は進み、一部はヒトを対象とする初期段階の試験に入っています。
動物実験ではエルベボがブンディブギョウイルス病に一定の防御効果を持つ可能性が示されていますが、人での効果を判断する証拠は不足しています。このためWHOは、現在の流行でエルベボを使う場合、効果を調べる臨床試験や観察研究などの研究計画の下で実施するよう勧めています。











