People in white protective suits and blue face masks standing on a paved area
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発生約150日で症例数が急増

コンゴ民主共和国(DRC)で2026年に始まったエボラ流行は、発生から約150日の時点で8,978件の症例が報告されました。これは、2014年の西アフリカ流行の同時期にあたる2,599件を上回る数です。その後も症例は増え、発生から5カ月の時点でDRCの確定症例は9,415件、死者は4,536人に達しています。

流行はDRC国内にとどまらず、隣国でも症例が報告されています。報告時点で、ウガンダでは確定症例が20件、ケニアでは8件に上り、中央・東アフリカの多くの国が国境管理を強化していました。

今回の流行は、エボラウイルスの一種であるブンディブギョウウイルスによるものです。WHOは5月15日にDRCでの流行を確認し、17日にはDRCとウガンダでの流行を「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と判断しました。

ブンディブギョウ株と既存の対策の違い

エボラウイルスには複数の種があり、ブンディブギョウウイルスは、2014年の西アフリカ流行などを起こしたザイールエボラウイルスとは異なります。同じエボラウイルス属でも種が異なれば、既存のワクチンや治療法がそのまま有効とは限りません。ブンディブギョウウイルスに対する承認済みのワクチンや特異的な治療薬はありません。

ザイールエボラウイルス向けにはワクチンや治療法が開発されてきましたが、ブンディブギョウウイルスにも有効な対策として扱うことはできません。Nature Reviews Drug Discoveryの補足資料によると、ザイール株向けに承認・推奨されている抗体薬のブンディブギョウ病に対する臨床効果は確立していません。

治療では、脱水や酸素不足などを補う支持療法が、疑い例・確定例への基本的なケアとされています。抗体薬MBP-134やマフティビマブ、抗ウイルス薬レムデシビルは、ブンディブギョウ病に対する臨床評価の候補です。これらは有効性が確立した治療法ではなく、臨床試験などで評価する対象です。

過去の流行と2026年の検出の違い

ブンディブギョウウイルスによる過去の流行は、2007年にウガンダ、2012年にコンゴ東部で発生しました。2007年のウガンダ流行では、疑い例149件、死者37人が報告されました。迅速な検査法の開発により、対象を絞った症例確認と隔離が可能になりました。

2007年と2012年の流行は、保健省やWHO、国際支援団体などの対応を受け、数カ月のうちに封じ込められました。2026年の流行では、DRC東部の武力紛争が医療施設や公衆衛生の対応を弱め、接触者の追跡や患者の隔離を難しくしています。

検出の遅れも対応上の課題です。5月のWHO状況報告によると、最初の推定感染者に症状が出てから検査で流行が確定するまで、4週間の空白がありました。疾病監視を含む援助の縮小も、流行の特定を難しくした要因の一つです。

対応を難しくする医療・生活環境

接触者の追跡には検査能力、医療従事者、個人防護具が必要です。ワクチンがないブンディブギョウ株では、感染者を早く特定して隔離し、濃厚接触者を追跡する対応が、感染拡大を抑えるうえで特に重要です。

DRC東部では長年の紛争により医療体制が弱まり、病院の負担や住民の避難も続いています。前年には、コンゴの人々の約25%が食料不安に直面し、450万人の子どもが臨床的な栄養不良の状態でした。

WHOはDRCとウガンダで、迅速対応チームの派遣、検査・監視の強化、安全な治療施設の設置、地域住民との連携などを進めています。