Young boy watching cartoons and playing games on a tablet
写真: Shixart1985 / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons

5歳・10歳では総利用時間との関連なし

スコットランドの子どもを追跡した研究では、家庭環境などを考慮すると、5歳と10歳のスクリーン利用時間は、情緒面・行動面・対人関係の困難と関連しませんでした。15歳では、ゲームとソーシャルメディアなどで異なる関連が見られました。

研究チームは、政府の資金による「Growing Up in Scotland」のデータを分析しました。対象は5歳時が3,786人、10歳時が3,126人、15歳時が2,598人で、各年齢の調査は2009~2010年、2014~2015年、2019~2020年に行われました。

5歳と10歳では、テレビ視聴、コンピューター利用、ゲームの時間を合わせた1日の合計を調べました。15歳ではテレビ・映画、ゲーム、ソーシャルメディアとメッセージアプリを分けて分析し、家庭の収入や親子関係なども考慮しました。

15歳ではゲームと交流アプリで異なる結果

15歳で1日5時間以上ゲームをする子どもは、1時間未満の子どもと比べ、困難の基準に達するオッズが2.61倍でした。一方、ソーシャルメディアやメッセージアプリを1日1時間以上使う子どもでは、1時間未満の子どもよりオッズが約40%低くなりましたが、多重比較を補正した後も関連が残ったのは1~2時間の利用だけでした。

研究チームは、ソーシャルメディアの結果を慎重に解釈するよう促しています。利用が少ない子どもは、ウェルビーイングに関わる別の点で同年代と異なる可能性があります。また、社会面で良好な状態にある子どもほどアプリを使いやすい可能性もあります。

5歳で1日5時間以上スクリーンを使った子どもは、1時間未満の子どもより10歳時点で困難の基準に達するオッズが2.68倍でしたが、この関連は15歳時点では見られませんでした。高利用群は119人で、別の分析では結果が保たれず、向社会的行動にも一貫した関連はありませんでした。

困難の基準は診断ではなくスクリーニング

研究では、親が回答するStrengths and Difficulties Questionnaire(SDQ)を使いました。情緒面、行動上の問題、多動、仲間関係などを評価する質問票で、合計点14以上を平均より高い困難として分類しました。

NSW州の養育者向けSDQガイドによると、この質問票は子どもや若者の懸念を把握し、追加の支援が必要か検討するためのもので、精神疾患の診断には使いません。対象年齢は2~17歳で、養育者が30項目に回答します。合計点14~16は「やや高い」、17~19は「高い」、20~40は「非常に高い」と区分されています。

ブラジルの6~12歳の子ども120人を対象にした研究では、SDQの結果を診断情報と比較し、スクリーニングと診断では重視する基準が異なると説明しました。同研究によると、一般に使われる基準点は、スクリーニングで問題を見つける感度を重視します。そのため、スコットランド調査の「困難の基準」は質問票上の分類として扱われています。

年齢別ガイダンスは時間と使い方を扱う

英国は「Best Start in Life」を通じて、2歳未満では家族との交流や会話を促す共有活動以外のスクリーン利用を避け、2~5歳では1日1時間を目安に、可能ならそれより短くするよう案内しています。また、ゆっくりした展開の子ども向けコンテンツを選び、保護者と一緒に見たり話したりすることを勧めています。食事や寝室をスクリーンのない場所にし、背景で画面をつけたままにしないことも挙げています。

英国政府が2026年3月に公表した5歳未満向けガイダンスも、2歳未満は交流を伴う共有利用に限り、2~5歳は1日1時間以内を目安としています。食事中と就寝前1時間の利用を避け、年齢に合ったゆっくりした内容を選ぶことも推奨しました。政府は、保護者が子どもと一緒に見て内容について話す使い方を、子どもだけで使う場合より望ましいと説明しています。

スコットランド調査の著者らも、時間だけでなく内容や利用状況、保護者の関与を考慮するよう提案しました。この提案は、英国の未就学児向けガイダンスが利用時間に加えてコンテンツや共同視聴を扱う点と重なります。ただし、ガイダンスは5歳未満を対象としており、調査で関連の違いが報告された15歳のゲームや交流アプリ利用とは年齢も対象も異なります。