
低回転から力を引き出せる775ccエンジン
スズキのフルカウルスポーツ「GSX-8R」は、775ccの水冷並列2気筒エンジンを搭載し、街乗りからツーリング、ワインディングまでを想定したモデルです。試乗では、低回転から力が出てアクセルを大きく開けなくても発進しやすく、回転を上げれば力強く加速すると紹介されています。
このエンジンは270度クランクを採用し、燃焼間隔は270度と450度です。試乗では、コーナーを立ち上がるときに後輪が路面を捉えながら加速する感覚につながるとされています。
270度クランクの並列2気筒は、ヤマハのMT-07でも採用されています。MT-07の点火タイミングはVツインと同じです。バイクの系譜によると、MT-07では軽量化を優先してバランサーを1本にし、振動を調整して残しています。
180度・360度クランクとの違いは振動の出方
クランク角による違いは、振動の釣り合いにも表れます。自動車用のレンジエクステンダーエンジンを検討した研究では、直列2気筒の180度、270度、360度のクランク配置を比較しました。
その計算では、360度配置は一次力の相対振幅が1、二次力が0.2634で、一次・二次モーメントはいずれも0でした。180度配置では一次力が0、二次力が0.2634、一次モーメントが1となり、270度配置では一次力と一次モーメントがともに0.7071、二次力が0、二次モーメントが0.2634でした。
この研究は自動車用エンジンを対象としており、GSX-8Rの後輪トラクションは測定していません。GSX-8Rの試乗では、270度クランクによる加速時の接地感が語られています。
205kgの車体と、前傾しすぎない姿勢
GSX-8Rの装備重量は205kg、シート高は810mmです。試乗者は身長175cm、体重65kgで、シューズのソールを路面につけられ、押し引きや駐車場での取り回しにも苦労しなかったと記しています。
ハンドルはセパレート式ですが、グリップ位置はネイキッドのGSX-8Sより少し低い程度で、前傾姿勢はきつくないとされています。ステップも後方に配置しつつ、膝が窮屈になりにくく、ツーリングにも使いやすい姿勢です。
比較対象として挙げられた2026年型ヤマハYZF-R7は417ポンド、ホンダCBR650Rは466ポンドで、シート高はそれぞれ32.7インチ、31.9インチです。
R7とCBR650Rはエンジン形式と出力特性が異なる
2026年型YZF-R7は689ccの並列2気筒、CBR650Rは649ccの直列4気筒です。HotCarsが掲載した仕様によると、R7の出力は72馬力、最大トルクは51.2ポンドフィートを6,500rpmで発生し、CBR650Rは95馬力、47.2ポンドフィートを9,500rpmで発生します。
HotCarsは、R7を低回転から扱いやすいトルク特性、CBR650Rを高回転で出力を伸ばす特性として説明しています。GSX-8Rも低回転からトルクがあり、回転を上げると力が盛り上がると試乗されています。
車重は、GSX-8Rが205kg、R7が417ポンド、CBR650Rが466ポンドです。
モード選択とクイックシフトを標準装備
GSX-8Rの日本仕様は、2026年4月15日発売分のメーカー希望小売価格が124万3,000円です。オレンジ色の追加色は5月26日に発売され、同モデルはE10ガソリンにも対応しました。
電子制御スロットルとスズキ・ドライブモード・セレクター(SDMS)を備え、出力特性を3種類から選べます。後輪の空転を感知してエンジン出力を制御するトラクションコントロールは、3モードとオフを選択できます。
双方向クイックシフトシステムを使うと、クラッチやスロットルを操作せずにシフトアップとシフトダウンができます。試乗ではシフトタッチが良好で、ワインディングでテンポよく変速できたとされています。発進を補助するローRPMアシストとABSも標準装備です。











