
トランプ氏、ゼレンスキー氏に合意を要求
トランプ米大統領は10月20日、ロシアとの戦争を終わらせる合意に応じるよう、ウクライナのゼレンスキー大統領への圧力を強めました。和平交渉が進まない責任をゼレンスキー氏に帰す発言を重ね、ウクライナ国民も戦争の継続を受け入れないだろうとの見方を示しました。
ホワイトハウスでトランプ氏は、ゼレンスキー氏が「戦争を解決したいと思わなければ、非常に悪いことになる」と述べました。また、ロシアには戦闘に投入できる人員が「無制限」にいると語り、2025年2月にホワイトハウスでゼレンスキー氏と会談した際、より良い合意を結べたはずだとも主張しました。
ロシアのプーチン大統領とゼレンスキー氏が会談すべきか問われると、トランプ氏は、両者の間には強い憎しみがあり、同じ部屋にいるのは難しいとの見方を示しました。和平の実現方法にはこだわらず、合意を優先すると述べました。
オスロ協議で示された次の段階
トランプ氏の発言と同じ日、ゼレンスキー氏はノルウェーのオスロで、米特使のスティーブ・ウィトコフ氏や欧州各国の指導者と協議しました。議題はロシアとの戦争を終わらせる方法でした。
ゼレンスキー氏は協議後、具体案には触れず、和平に向けた明確な考えがあると表明しました。欧州のパートナーと足並みをそろえており、米国に案をロシア側へ伝えてほしいとも述べています。
さらに、首脳同士でしか扱えない問題を協議するため、将来的に三者会談へ進む案を挙げました。ゼレンスキー氏によると、ウィトコフ氏は翌21日にロシアへ向かい、和平協議を続ける予定です。
Starshieldの通信制限をめぐる応酬
ウクライナ当局者は前週、米軍向け衛星通信システム「Starshield」で速度低下が起きたと報告しました。ウクライナは同システムを通信や情報収集に利用し、ロシアの攻撃を防ぐ活動に役立てています。アクセス制限を誰が指示したのかについて、米政府とSpaceXの説明は食い違っています。
Starshieldは、米国や同盟国の政府に軍事宇宙機能を提供するため、低軌道衛星の製造と通信サービスを行うSpaceXの事業です。Starlinkを改造したシステムで、目標追跡、光学・無線による偵察、ミサイルの早期警戒などの機能を備えています。宇宙開発局や国家偵察局、米宇宙軍などが主な顧客に含まれます。
SpaceXの最高経営責任者イーロン・マスク氏は10月14日、Starshieldは米政府が所有・管理し、利用制限は米軍が決定し、最終的には大統領が決めると投稿しました。一方、トランプ氏とピート・ヘグセス国防長官は、政府が制限を指示したことを否定しました。ヘグセス氏は責任をSpaceX側に向けました。
制裁見送りと対ロ関係の変化
制限の決定主体について、米政府関係者らは指示がホワイトハウス内部から出たと説明しています。一方、米当局者はマスク氏の指示によるものと説明しています。
トランプ政権は対ロ制裁をめぐっても方針を調整しています。トランプ氏は、ロシア産原油を購入する国への関税などを盛り込んだ制裁法に署名した翌月、新たな経済制限を適用しない判断をしました。マルコ・ルビオ国務長官は、法律にある国家安全保障上の免除規定を大統領が用いたと説明しています。
ルビオ氏は、制裁による圧力が他国へ波及して悪影響を及ぼす場合があるとして、トランプ氏は制限の範囲を調整していると述べました。トランプ氏は今月、ロシアから軽油を調達する合意を結んだとも発表しています。








