マツダは、麻布台ヒルズ森JPタワーの「マツダR&Dセンター東京」と同じフロアの東京本社に、入退室や受付、会議室予約をつなぐビットキーのオフィス管理基盤「workhub(ワークハブ)」を導入しました。 ビットキーによると、導入から1年が経過し、カード貸出・会議室管理などの業務工数を年間2,000時間以上削減しました。 移転でオフィス面積と在籍人数が増えた一方、会議室は3部屋減らし、削減した業務時間を学生の受け入れや社外企業との交流に活用しています。
毎月約100件のカード発行・貸出を顔認証へ
以前のオフィスでは、広島の本社から来る出張者への入館カードの発行・貸出が毎月約100件ありました。 総務担当者は会議室の代理予約や配送員への対応も担っており、その都度、業務が中断されることが課題でした。
導入後は、出張者が一度顔を登録すれば、カードなしで入館できるようになりました。 カードの発行、手渡し、返却確認に伴う負担が減り、紛失時の臨時対応もほぼ不要になったとビットキーは説明しています。 パソコンなどの荷物を持って移動する際にも、顔認証で通過できるようになりました。
顔認証は、顔の特徴を読み取って本人を識別する生体認証の一種です。 入退室管理では、カメラで撮影した顔の特徴を登録済みのデータと照合し、一致した場合に入室を許可する仕組みです。
年間2,000時間以上という削減量は、顔認証だけでなく、会議室予約システムと受付システムもあわせて導入した結果です。 今回導入したworkhubは、ビル共用部のシステムとも連携し、受付、入退室、会議室予約を一括で管理しています。
面積は倍以上、会議室は3部屋減でも不足せず
マツダは今回の移転でオフィス面積を倍以上に拡大し、在籍人数も増やしましたが、会議室数は移転前より3部屋減らしました。 会議室を予約したまま使わない「空予約」を自動で取り消す機能により、利用効率の向上を見込めたことが、この判断を後押ししました。
会議室の空き状況は、各室の前にあるタブレット端末や、パソコン、スマートフォンからリアルタイムで確認できます。 ビットキーによると、導入後は空予約が以前より減少し、会議室不足が課題になることなく運用できています。
別拠点では予定登録から受付・入室まで連携
マツダと同じworkhubを使う東急不動産の関西オフィスでは、顔認証による入室に加え、空いている会議室を顔認証で即時予約する仕組みを採用しました。 一定時間利用されない予約を取り消す機能も組み合わせ、入退室時間や会議室の利用状況を把握できるようにしています。
来訪者対応では、ビットキーは2024年4月、予定管理ソフト「Outlook」のカレンダーとの連携を、同年5月末から開始する予定として案内しました。 従業員が予定登録時に来訪者のメールアドレスを入力すると、受付・入室用のQRコードを自動送付し、来訪者が当日そのコードを受付端末にかざすと、workhubアプリへ来訪通知が届く仕組みです。
この運用では、来訪者情報の重複入力や、受付後の電話による取り次ぎを省けます。 QRコードは入室用カードの代わりにもなり、登録時間内であれば退室後に会議室へ戻れるため、カードを返却する作業も不要です。
削減した時間を学生受け入れや企業交流に活用
マツダは業務効率化で生まれた時間を使い、旧オフィスでは対応していなかった修学旅行や企業訪問での学生の受け入れを始めました。 麻布台ヒルズに入居する企業やスタートアップとの連携機会づくりにも取り組んでいます。
新拠点では、研究開発、販売・マーケティング、人材採用の3領域で首都圏の機能を強化しています。 ソフトウェア開発機能の強化に向け、技術者が働きやすい環境を整えることが、オフィス運用を見直す目的の一つでした。 旧オフィスでは共用部と専有部のセキュリティが分かれ、カード運用が利用者と管理者の双方の負担になっていたため、ビル側のシステムとも連動できるworkhubを採用しました。
マツダ東京総務部の藤高浩一氏によると、全社のDX、つまりデジタル技術による業務変革を報告する場では、削減した時間をスタートアップ企業との交流などに活用している点が経営陣から評価されました。 藤高氏は今後も東京本社を全社DXの試行拠点と位置づけ、新たなオフィス体験の創出に取り組む方針を示しています。







