Ziplineが15億ドルを調達、Walmartと米国に配送拠点300カ所を追加へ
出典: zipline.com

15億ドル(約2,400億円)調達とWalmartとの拠点拡大

ドローン配送を手がけるZiplineは15億ドル(約2,400億円)を調達し、企業価値は215億ドル(約3兆4,000億円)となりました。Walmartとは米国内に配送拠点を300カ所追加する複数年契約を結び、現在の21カ所から展開を広げます。

調達資金は米国の製造施設の拡張や人員採用に充て、全国規模の配送網づくりを進める計画です。今回の契約と資金調達は、同社が米国で配送事業を拡大するための取り組みです。

Ziplineは配送収入に占める自社の比率が、3月の10.8%から10月には34.9%に上昇したと発表しました。新たな資金調達は、この比率をさらに高めることを目指しています。

ルワンダの医療配送から家庭向けサービスへ

Ziplineは2014年に創業し、ルワンダで血液を運ぶドローン配送から事業を始めました。その後、ガーナやナイジェリアにも展開し、医療物資の輸送を手がけました。

米国では2020年にノバント・ヘルス向けの医療機器や物資の配送を開始し、2021年にWalmartと契約しました。2022年には連邦航空局(FAA)のPart 135航空運送事業者認証を取得し、長距離の商用ドローン配送を行う権限を得ました。

現在はアフリカ5カ国、米国の複数都市、日本で、食品、小売商品、農産物、医療関連商品を運んでいます。Ziplineは医療機関への配送に加え、家庭向けの食品や小売品の即時配送にも事業を広げています。

用途に応じた2種類の機体

家庭向け配送に使うPlatform 2は、最大8ポンド(約1,700円)の荷物を載せ、半径10マイル以内の顧客に届ける設計です。より大型のPlatform 1は、企業や政府向けの長距離配送に使われ、往復120マイルを飛行できます。

Ziplineの家庭向け配送では、機体が上空にとどまり、ひもでつないだ小型の配送機を地上へ降ろして荷物を渡します。Axiosが紹介したPlatform 2の運用では、機体は樹木の上空約300フィートでホバリングし、配送用の小型機を降ろします。

比較対象となるWingの機体は、配送範囲が半径12マイルで、最新型は最大5ポンド(約1,100円)の荷物に対応します。Wingは約25フィート上空からひもで荷物を降ろす方式で、Ziplineの機体が約300フィート上空で小型機を使う方式とは運用高度や荷物の渡し方が異なります。

米国の商用配送を支える認証

FAAによると、米国で小口荷物のドローン配送を行う事業者は、Part 135の認証を取得し、操縦者の目視範囲外を飛ぶ運航には免除または許可を得る必要があります。Part 135の申請では、事業者は5段階の認証手続きを経ます。

Part 135は、定期便ではないオンデマンドの航空運送を認める認証です。FAAは、ドローン配送事業者の認証や航空機の耐空性を扱うほか、米国の空域での安全確保を担います。

ドローン配送の運航高度は400フィート未満で、運航者は拠点や配送インフラを整備し、州・自治体の要件にも従います。FAAは、配送拠点の場所を選ぶのは事業者であり、騒音に配慮した距離の確保や地域住民への説明も求められるとしています。