quadcopter flying over body of water
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台湾の海洋委員会は、複数のドローンが人の介入なしに連携する自律システムの開発を進めています。2つの編隊、計20機による飛行シミュレーションを終え、次は実機を組み込んだ試験と海上での飛行試験に移る計画です。海上監視を担う台湾の海巡署が、中国関連船舶による海底ケーブル周辺の活動などに対応するための取り組みです。

20機の編隊シミュレーションを完了

海洋委員会は国立成功大学と開発に取り組み、各10機のドローンからなる2つの編隊を同時に飛ばすシミュレーションを完了しました。開発は、個々の機体を制御する段階から、複数の分遣隊を協調させる段階へ進んでいます。

現在の設計では、機体同士が三次元空間で最低約30メートルの間隔を保ちます。また、先導機に他の機体が追従する編隊飛行と、動的な障害物を避ける機能を取り入れています。

シミュレーションの次は、実機を使うハードウェア・イン・ザ・ループ試験、試作機の統合、実際の海域での飛行試験です。海洋委員会は、海や天候の異なる条件で信頼性を評価する計画です。

海底ケーブル周辺の活動への対応

台湾周辺でいうグレーゾーン活動は、武力衝突に至らない範囲で相手に圧力をかけたり、通信などを妨げたりする行為を指します。台湾では海底ケーブルの損傷が懸念の一つとなっており、海巡署は周辺のケーブル24本を巡回し、中国と関係する船舶を監視しています。

2025年2月、台湾南部沖では貨物船「Hong Tai 58」が海底ケーブル付近に錨を下ろしたまま50時間以上ジグザグに航行し、ケーブルを切断しました。船長はこの行為で禁錮3年の判決を受けました。

別の事案では、台湾北東沖でケーブルが切断された際、台湾当局は中国と関係する貨物船「Shunxin39」の関与を疑いました。ケーブル損傷は事故でも起きる一方、民間船など軍以外の主体が関わる可能性も台湾側の懸念になっています。海洋委員会のドローン群は、主に海上監視のため、異なる種類の機体が協調して動き、任務や飛行経路を調整する構想です。

群制御で隊列と経路を調整

複数機の隊列制御では、先導機の動きに追従機が合わせるリーダー・フォロワー方式が研究されています。2026年に公表された研究では、合意アルゴリズムを用いて隊列の維持や変更を行う制御方法が提案されました。先導機と追従機それぞれに異なる衝突回避方法を組み込み、シミュレーションで検証しています。

国立成功大学の研究者が共著した2015年の研究では、仮想的な力場を使って目標への追跡と障害物回避を両立させる方法が扱われました。研究では、機体の役割に応じて仮想的な電荷を変え、隊列を組み替える仕組みを提案しています。複数機で目標を追いながら障害物を避ける飛行隊形をシミュレーションし、適応性を検証しました。

台湾の計画では、隊列維持に加えて動的障害物の回避を取り入れています。また、機種の異なるドローン同士が移動を調整し、任務を分担することを目指しています。先導機への追従や障害物回避は、複数機を協調させる研究で扱われてきた課題です。

3種類の機体を海上監視に活用

開発で対象としているのは、米国製のJump 20、V-BAT、Flexrotorです。いずれも垂直離着陸が可能な機体を含み、滑走路を使わずに運用できる点が船上での利用と結びつきます。海洋委員会はV-BATを受領しており、この機体は船の限られた甲板から垂直に離着陸できます。

Jump 20は垂直離着陸式の固定翼無人機で、飛行持続時間は13時間以上、運用範囲は185キロメートルです。滑走路や発進・回収装置を使わずに運用でき、準備時間は30分未満とされています。積載可能なペイロードは最大13.6キログラムです。

Flexrotorも垂直離着陸に対応し、平均飛行持続時間は12〜14時間です。Flexrotorは陸上と海上での運用を想定し、狭い場所からの離着陸や船への搭載に対応しています。V-BATの飛行持続時間は12時間超で、海洋委員会は船の大規模な改修を避けながら運用範囲を広げられる点を見込んでいます。

実海域で信頼性を評価へ

海洋委員会は、複数機がルートを計画し、動きを調整する仕組みを開発しています。次の試験では、個別機体の性能だけでなく、海上で編隊を保ちながら動けるかも確認します。

実海域の飛行試験では、海況や天候の異なる条件でシステムの信頼性を評価する予定です。その前段階として、実機を組み込んだ試験と試作機の統合が予定されています。