
インド空軍の戦闘機パイロットを18カ月悩ませた頭痛は、片頭痛ではなく、きついヘルメットによる外部圧迫性頭痛でした。適正サイズのヘルメットに替えると症状は止まり、5カ月後も再発していません。飛行任務に影響する頭痛では、装備との関係も診断の手掛かりになります。
18カ月続いた頭痛と、当初の片頭痛診断
患者は29歳で、頭痛は月に2〜3回、夕方に始まり、最長で3日続きました。右側が強く痛むものの、左側にも痛みを感じることがあり、睡眠を取っても軽くなりませんでした。
痛みが強く、予定していた飛行に参加できないこともありました。頭痛があるまま飛行した場合、翌日はさらに痛みが強くなったと報告されています。
民間の神経科医は片頭痛と診断し、予防薬のジバルプロエクスを処方しました。長期間薬を服用することを心配した患者は、軍の医療機関でも診察を受けました。
検査で原因が見つからず、診断を再検討
軍の医師による診察や検査では、頭部CTに異常はありませんでした。鼻内視鏡で見つかった鼻中隔の軽い湾曲も、頭痛の原因とは判断されませんでした。患者は片頭痛と診断され、痛みの兆候が出たときにスマトリプタンを、頭痛の最中にアスピリンを使う治療を受けました。
治療開始から4カ月後には頭痛がなくなり、薬も中止していました。ただし、重い片頭痛は飛行資格に影響するため、上官が制限のない飛行資格への復帰を判断する前に、詳しい医療評価が必要でした。
医師は3日間にわたり、患者に症状の始まりや飛行状況を聞き直しました。すると、頭痛は複数回飛行した日に起きやすく、ヘルメットを長く着用するほど悪化していたことが分かりました。
ヘルメットの交換後に症状が止まる
頭痛が始まったのは、従来のヘルメットから、よりきつく装着される別の型に替えた時期でした。その後、機種変更に伴って新しい飛行服一式と適正サイズのヘルメットを受け取ると、頭痛は止まりました。
医師は症状とヘルメットの装着状況を関連付け、診断を片頭痛から外部圧迫性頭痛へ変更しました。これは頭皮や額が外から圧迫されて起こる頭痛で、圧迫がなくなると通常は治まります。
患者は頭痛日誌をつけ、医師の診察を受けることになりました。適正サイズのヘルメットを使い続け、診断変更から5カ月後も頭痛は再発していませんでした。
圧迫性頭痛の診断と、装備の適合確認
国際頭痛分類ICHD-3では、外部圧迫性頭痛を、額や頭皮が持続的に圧迫されている間に始まる頭痛と定義しています。圧迫された場所で最も強く痛み、圧迫が解かれてから1時間以内に治まることが診断基準に含まれます。
きつい帽子やヘルメット、ゴーグルによる圧迫も、この頭痛の原因の例です。今回の患者では、長時間の飛行とヘルメットの着用、装備を替えた後に症状が消えたことが診断の手掛かりになりました。
Collins Aerospaceは、頭部をスキャンし、そのデータを使ってヘルメットやパッドを加工した後、装着状態を確かめる手順を案内しています。携帯型スキャナーを使う場合、頭部のスキャンは3分未満で行えるとしています。
Collins Aerospaceの施設内サービスでは、スキャンから加工、装着確認までを行い、酸素マスクやバイザーの調整も含めて12時間以内に仕上げるとしています。









