
Deutsche Telekom、Orange、Telefónica、Vodafoneの欧州通信4社が、衛星通信向け周波数の共同入札を検討する意向書に署名しました。衛星とスマートフォンを直接つなぐ通信の事業化に向け、4社は地上設備を担い、衛星網は今後選ぶパートナーに委ねる構想です。
4社は衛星通信向け周波数の共同入札を検討
対象は、欧州で将来割り当てられるモバイル衛星サービス(MSS)向けの周波数です。4社は共同入札の可能性を探る段階で、周波数の取得が決まったわけではありません。
構想では、各社が欧州内の地上ネットワーク設備を整え、衛星通信の調整や監視に必要な機能も担います。4社は衛星網そのものには直接投資せず、衛星事業者を別途選ぶ方針です。
4社は、対象地域の通信環境を補い、公共ネットワークの耐障害性や重要通信を支えることを構想の狙いに挙げています。共同の仕組みを通じ、各携帯通信事業者が顧客へサービスを提供できる形も目指しています。
携帯電話と衛星をつなぐ技術の枠組み
Direct-to-Device(D2D)は、携帯電話などの端末が衛星と直接通信する方式です。3GPPは、衛星を含む非地上ネットワーク(NTN)の仕様をRelease 17に取り入れ、スマートフォンなどの一般向け端末と衛星の直接通信に向けた基盤を整えました。
この標準化の枠組みでは、地上網と衛星網を同じモバイル通信環境で連携させることが想定されています。地上の携帯網が届きにくい場所を衛星通信で補う使い方も、地上網との統合例に含まれます。
衛星との通信には、衛星通信サービス向けのMSS周波数を使う方式があります。3GPP NTNに基づく方式はMSS周波数を使い、対応する端末側の機能も仕様の対象です。
衛星網の提供者はこれから選定
地上設備を担う4社と、衛星網を提供する事業者は役割を分ける計画です。衛星パートナーはまだ選ばれておらず、現時点で衛星網の運用主体や具体的なサービス内容は決まっていません。
4社は、欧州でのガバナンスや市場へのアクセスと、衛星事業者の技術・展開の知見を組み合わせる構想を示しました。携帯通信事業者が地上側の設備や調整を受け持ち、衛星接続を既存の携帯網に組み込む形を想定しています。
今回の意向書は、周波数の共同入札を検討するためのものです。既存の衛星通信事業者との提携を置き換えるものではないと、4社は説明しています。
欧州では2GHz帯の扱いも検討
欧州連合(EU)は、2GHz帯の一部を地域の事業者による衛星サービス向けに確保する案を検討しています。4社の共同入札構想は、欧州で衛星通信に使う周波数の割り当てが議論される中で浮上しました。
ただし、2GHz帯をめぐる検討と、4社が意向書で示した将来のMSS周波数への共同入札は、同じ決定事項として扱えません。4社が示したのは共同入札の可能性を探る方針であり、割り当てを受ける周波数や条件は今後の手続きに関わります。










