
米国の公共急速充電網は2026年第3四半期に4,106口増え、累計で初めて8万口を超えました。新設数は前年同期を下回った一方、追加ポートの多くは出力250kW以上で、充電設備の高出力化が進んでいます。
Q3は4,106口を追加、累計が初の8万口超え
7月から9月にかけて米国で新設された公共急速充電ポートは4,106口、設置拠点は664カ所でした。前年同期と比べると、ポート数は12%、拠点数は20%減っています。
新設数が前年を下回るなかでも、国内の公共急速充電ポート総数は初めて8万口を超えました。7月には全国で1,760万回の充電セッションが記録され、月間の過去最高となっています。
事業者別では、Teslaが新たに1,287口を設置し、Q3で最大の増加数でした。前年同期より533口少なかったものの、第三者企業に販売したSuperchargerを通じて124口も加わっています。
Ionnaは378口を追加して2位となり、Walmartは344口で続きました。Ionnaは前年同期に比べて設置数をほぼ3倍にしています。
新設拠点は都市部に偏り、州ごとの差も
州別ではカリフォルニアで87カ所の新拠点が開設されました。テキサスは66カ所、ノースカロライナとジョージアはそれぞれ26カ所でした。
Q3の新規開設の42%は、カリフォルニア、テキサス、フロリダ、イリノイ、ニューヨークの5州に集中しました。都市圏ではダラス・フォートワースとヒューストンの増加が大きく、オクラホマシティとカンザスシティが続いています。
一方、地方部に設置された新ポートは全体の10%でした。拠点間の距離が長い地域では、充電設備の配置がEVでの移動に関わるため、都市部との偏りが残っています。
250kW以上が新設の73%、実際の速度は車種でも変わる
Q3に追加されたポートの73%は、最大出力が250kW以上でした。前年同期の60%から比率が上がり、新設設備では400kW対応が最も多い選択肢になりました。
Teslaは最大500kWを供給できるV4キャビネットの設置も進めており、対応拠点は42カ所、ポート数は487口です。Lucid Gravity、Porsche Cayenne Electric、BMW iX3は最大400kW、Mercedes-Benz GLCとVolvo EX60は約370kWの充電に対応します。
充電器の最大出力が、そのまま車両の充電速度になるとは限りません。車種ごとに受け入れ可能な出力が異なり、電池残量や温度によっても実際の速度は変わります。
レクサスRZの例では、バッテリー容量71.4kWhの車両を空に近い状態から満充電にする場合、50kWの急速充電器で約60分、90kWでは約40分かかります。高出力の設備が増えても、充電時間は車両側の条件や充電状況と組み合わさって決まります。
連邦の充電支援策は資金配分や実施状況が変化
米国の連邦政府は、インフラ投資雇用法に基づき、NEVI(全国電気自動車インフラ)とCFI(充電・給油インフラ補助金)の2制度に、2022~2026会計年度の5年間で計75億ドルを割り当てました。
2025年1月の大統領令は、NEVIとCFIを含む同法の補助金支出を一時停止するよう指示しました。運輸省の連邦道路局は同年8月にNEVIの停止を終了しましたが、2026年6月時点でCFIの資金は停止したままでした。
2026年の歳出法では、未契約のNEVI資金の一部が別用途に移されました。また、2027会計年度の予算要求は、NEVIとCFIで契約されていない残額の取り消しを提案しています。
Tesla以外の設置も進み、接続規格は複数が並ぶ
2026年第2四半期末の米国では、公共急速充電ポートが合計77,776口、14,514カ所に設置されていました。Teslaのポートは38,733口で、全体の49.8%を占めています。
同四半期にTeslaが追加したポートは1,185口でした。Tesla以外の事業者を合わせると3,197口を設置しており、同四半期の新設では他社ネットワークがより多くを占めています。
Tesla以外のネットワークでは、NACS(SAE J3400)対応コネクターが2025年Q2の375口から2026年Q2には800口に増えました。同じQ2に新設されたTesla以外のコネクターではCCS1が2,471口で最多でした。








