
Sentinel-3Cが初期画像と高度データを取得
欧州の地球観測衛星Sentinel-3Cは、打ち上げから約2週間後、イタリア、北極圏、カリブ海の画像と、海面およびグリーンランド氷床の高度データを取得しました。初期測定は既存データとよく一致しており、衛星は本格運用に向けた試験を進めています。
Sentinel-3Cは、欧州連合(EU)の地球観測計画「コペルニクス」を構成するSentinel-3シリーズの3機目です。海洋、陸地、氷圏、大気を継続的に観測し、環境の変化を追います。
最初の画像は、海洋・陸域カラー観測装置が9月29日と30日に撮影しました。高度計は大西洋と地中海の海面、およびグリーンランド氷床の表面高度を測定しました。
イタリア、北極圏、カリブ海を撮影
9月30日の画像は、ドイツ南部からイタリア半島、シチリア島、地中海南部に広がります。ポー平原の緑や茶色、雪に覆われたアルプス、アドリア海沿岸の明るい水色などが写っています。
同じ日に撮影したカナダ北極諸島の画像には、雪や氷に覆われた島々、岩が露出した海岸、フィヨルドが写っています。周辺の海氷が最小となる時期に近く、暗い開水面には割れた氷の一部が見られます。
9月29日のカリブ海の画像には、南側のキューバと北側のバハマ周辺が含まれます。島の浅瀬はターコイズ色、深い外洋は濃い青に見え、水深の違いなどが色の差に表れています。
高度計が海面と氷床の高さを測定
衛星搭載のレーダー高度計は、海面に向けてレーダーパルスを送り、反射波が戻るまでの時間を測ります。往復時間と衛星の位置情報を組み合わせ、海面の高さを算出します。
海面高度を長期間測ることで、その上昇や変化を追跡できます。Sentinel-3Cの初期データは、複数の衛星による海面高度の観測をまとめたコペルニクス海洋サービスのデータとよく一致しました。
高度計は海面のほか、湖、河川、海氷、陸氷の高さも測定します。グリーンランドでは、9月30日から10月4日までに観測した氷床表面の高度が、基準となる数値標高モデルとよく一致しました。
Sentinel-6などの長期観測を補完
本格運用後、Sentinel-3Cの高度計は、Sentinel-6やJasonなどの衛星が続けてきた海面高度の観測に加わります。Sentinel-6は、1992年に始まった海面高度の長期記録を引き継ぐ基準ミッションとして位置づけられています。
Sentinel-6は北緯66度から南緯66度までの軌道を飛び、10日ごとに氷のない海洋の95%を観測します。海面高度の長期記録を保つSentinel-6に対し、Sentinel-3Cは海洋、陸地、氷圏を観測するシリーズに加わります。
Sentinel-6は海面高度の測定に合成開口レーダーを取り入れ、従来方式による測定も同時に行います。高度計によるこうした観測は、海面上昇の長期的な追跡や海洋予報に使われています。
本格運用まで約5カ月の試験
Sentinel-3Cは現在、運用開始前の試験・調整段階にあり、完了まで約5カ月を見込んでいます。初期画像と高度測定は、主要な観測装置が機能していることを示しました。
今後、陸面・海面温度放射計による最初の観測データが公開される予定です。この装置は地表と海面の温度を測定します。
調整完了後は、欧州宇宙機関(ESA)と欧州気象衛星開発機構(Eumetsat)がミッションを共同管理します。Eumetsatは定常運用と海洋・大気データを担当し、ESAは陸地、氷圏、内陸水域などのデータを提供します。












