The great seal of the united states pyramid
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陰謀論を読んだ人は、自分だけでなく、他の人もその説を信じていると実際より多く見積もる傾向があります。米国と英国の計2,906人を対象にした6件の研究で、この傾向が確認されました。具体的な統計データで大多数が支持していないと伝えた実験では、参加者自身の信念も弱まりました。一方、「信じる人は少ない」といった曖昧な説明では、信念に統計的な差は生じませんでした。

陰謀論への賛同を実際より多く見積もる

研究でいう「記述的規範」とは、周囲の人がどれほど特定の考えや行動を支持しているかという認識です。自分の考えが妥当か判断しにくいとき、人は他者の考えを手がかりにすることがあります。

米国の300人と英国の299人を調べた実験では、10種類の陰謀論への実際の平均評価は、100点満点でそれぞれ33.09点、34.16点でした。参加者が推測した他の参加者の平均は、米国で39.85点、英国で42.30点と、いずれも実際の評価を上回りました。

自分が陰謀論を強く支持する人ほど、他の参加者も支持していると見積もる傾向がありました。ただし、最初の2研究は相関を調べたもので、他者の意見への認識が自分の信念を強めるのか、自分の信念を他者に投影するのかは区別できません。

読んだ後には他者の支持も高く見積もる

研究チームは次に、陰謀論への接触が他者の支持の見積もりを変えるか、米国と英国で検証しました。参加者は、製薬会社が利益のために治療法を秘密裏に抑えていると主張する文章か、それを否定する文章のどちらかを読みました。

米国では、陰謀論を含む文章を読んだ人の信念評価は平均61.78点で、否定する文章を読んだ人の49.46点を上回りました。他の参加者の信念についても、前者は平均62.64点、後者は51.00点と推測しました。

英国でも同じ傾向があり、陰謀論を含む文章を読んだ人の自身の信念評価は平均59.78点、否定する文章を読んだ人は41.99点でした。他者の信念の推測も、それぞれ60.28点と46.41点でした。読む文章を実験で割り当てたことから、陰謀論への接触が他者の支持の見積もりを押し上げたと考えられます。

具体的な統計は信念を弱めた

次の実験では、「特に多くの人が信じている」「信じている人は少数だ」といった曖昧な規範情報を伝えました。米国の501人が参加し、個人の信念評価は前者の条件で平均44.48点、後者で41.65点でしたが、差は統計的に有意ではありませんでした。

続く実験では、米国の800人に、8種類の陰謀論について過去の参加者の評価分布を示すグラフを見せました。グラフには中央値と、多くの参加者が主張をまったく妥当と考えていなかったことを示す説明が添えられました。

グラフを見た人は、過去の参加者の平均的な信念を100点満点で20.95点と推測し、見なかった人の38.34点を下回りました。自身の信念評価も、グラフを見た人は平均24.06点で、見なかった人の33.70点より低くなりました。この結果から、規範を伝える際には、曖昧な表現より具体的な数値が有効だったことが示されました。

オンライン実験の結果を読む際の注意

6研究はいずれもオンラインで実施され、参加者が想定された回答を意識した可能性があります。研究者らは、短い実験で得られた効果が日常生活では小さくなる可能性に触れています。

また、参加者が推測した「他者」は一般人口全体ではなく、同じオンライン研究に参加した人々でした。SNS上では、同じ考えを持つ人が集まり、特定の陰謀論がその集団内で実際に多数派となる場合もあります。

研究者らは、社会で広く支持されている陰謀論に対し、支持が少数だと伝える介入は逆効果になる可能性も指摘しました。実験で信念の低下が確認されたのは、対象となった主張について具体的な統計データを示した条件でした。