cargo ship on sea under cloudy sky during daytime
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黒海西部で商船へのドローン攻撃が相次ぎ、ブルガリアの排他的経済水域では2隻が被害を受けました。ルーマニア沖でも貨物船が沈没し、乗組員の死亡が伝えられています。攻撃が広がれば、ウクライナ産穀物を運ぶ海上ルートや周辺港の利用に影響する可能性があります。

ブルガリア沖で2隻、ルーマニア沖でも船が沈没

ブルガリアのルメン・ラデフ首相によると、同国の排他的経済水域で夜間に2隻の一般貨物船が航空・海上ドローンの攻撃を受けました。攻撃元は特定されていません。

オデーサ州のオレフ・キペル知事は、菜種油を積んだ商船が火曜日にロシアのドローン攻撃で損傷し、1人が死亡したと明らかにしました。

その前日の月曜日には、ルーマニアの排他的経済水域でトウモロコシを積んだ貨物船が火災の後に沈没し、乗組員2人の死亡が確認されました。ウクライナのゼレンスキー大統領は、トルコ所有の同船がロシアのドローン2機に攻撃されたと述べています。

ブルガリア船籍のフェリーは、パラオ船籍で小麦を積んでいた別の船から乗組員18人を救助しました。夜間に攻撃されたもう1隻は沈没し、トーゴ船籍の乗組員の捜索が続いています。

排他的経済水域で守られる権利

排他的経済水域は、領海の外側に隣接して設けられる海域です。国連海洋法条約では、その幅は基線から最大200海里と定められています。

この海域で沿岸国が持つ主な権利は、海や海底の天然資源の探査・開発・管理に関するものです。人工島や施設、海洋調査、海洋環境の保護などについても、条約が定める範囲で管轄権があります。

一方、すべての国には排他的経済水域で航行や上空飛行をする自由があり、船舶の運航など国際法上認められた海の利用も保障されています。各国は沿岸国の権利や義務に配慮し、条約に沿って行動する必要があります。

ラデフ首相は、ブルガリアの排他的経済水域での攻撃を「国際法と海事慣行に反する」と批判しました。また、今回の攻撃だけでは北大西洋条約機構(NATO)の防衛条項を発動できないとの認識を示し、対応の性質や形はNATO指導部が検討すると述べました。

ウクライナ産穀物の海上輸送と周辺港

米農務省が2026年7月に公表した輸送報告によると、ウクライナ産のトウモロコシ、小麦、大豆の輸出に占める海上輸送の割合は、2024年の91%から2025年には95%へ上昇しました。同じ期間、鉄道輸送は約7%から約5%に下がり、トラック輸送は1%未満でした。

米農務省の報告によると、オデーサ、チョルノモルスク、ピウデンニーの深水港へのアクセスが改善し、輸出での利用が増えました。オデーサの港がより安定して使えるようになり、ドナウ川沿いのイズマイール、レニ、ウスト・ドゥナイスクは小規模な代替ルートになりました。

ウクライナ国内の西部・東部・中部から出る輸送経路として、同省の報告にはイズマイール港またはルーマニアのコンスタンツァ港を経由し、エジプト、トルコ、チュニジアへ向かうルートも記載されています。コンスタンツァは、ウクライナ産穀物を海上輸送につなぐ経路の一つです。

ブルームバーグは、攻撃された2隻はいずれもウクライナの港へ向かうか、そこから出航した船だったとする、農業データ会社Kplerの担当者の見解を伝えました。ブルガリアとルーマニアの港は地域の混乱を避ける代替手段として使われてきましたが、周辺海域のリスク拡大は、その選択肢にも関わります。

船舶保険や穀物価格への波及

ブルームバーグが伝えたラデフ首相の発言によると、攻撃によって黒海の航行が妨げられ、保険費用がさらに上がり、海上での運航が難しくなっています。ラデフ首相は、紛争が長期化すれば地理的に拡大しやすいとも警告しました。

Kplerの担当者は、主要なブルガリア・ルーマニア港を使う船への直接的な脅威を示す明確な証拠はないとしつつ、危険区域が広がっているとの見方を示しました。船がウクライナの港に近づく段階だけでなく、黒海に入った時点からリスクに直面する可能性があると述べています。

ブルームバーグは、ルーマニアやブルガリアの沿岸港が、黒海の混乱を避ける重要な代替ルートになっていると報じました。周辺ルートの危険が高まれば、貨物運賃や穀物価格に影響する可能性があります。

ウクライナのアンドリー・シビハ外相は、民間船と乗組員が危険にさらされる状況では「航行の自由は意味を失う」と述べました。