
Andelaは、電気式とレーザー式の除草を組み合わせられる新型ロボットを導入します。新しいアーム構造で作業幅全体をカバーし、除草能力は従来機の毎秒3本から最大毎秒8本に高まります。レーザー部の処理能力は開発中で、電気式との併用で毎秒15本を処理するという数値はメーカーの見込みです。
アームを小型化し、作業幅全体をカバー
新型機は、従来のデルタアームに代えて「M-pedeアーム」を2列に配置します。アームはX軸、Y軸、上下方向のZ軸に沿って動き、フレームとの接続部は従来の3か所から1か所になります。斜めの支持部が不要になり、アーム間隔を45センチから25センチに縮められます。
アームを小型化したことで、1つの除草ユニットに2本のアームを取り付けられます。アームの本数が増えることに加え、雑草に届くまでの動きが減り、アルゴリズムも改良されたため、メーカーは処理能力が従来機の毎秒3本から新型機の毎秒8本に上がるとしています。
新型機は除草ユニットを4基、6基、または8基・9基備え、株間を処理する場合の作業幅は3〜6メートルです。作業幅4.5メートルの新型機は、従来の9メートル幅の機体と同等の処理能力を持つとされています。全幅を処理する場合は作業幅が狭くなりますが、4.5メートル機にはユニットを追加できます。スポーツ競技場やゴルフ場向けには、幅2.5メートルの機体に10基を搭載する計画です。
大きさに応じて電気とレーザーを使い分け
ロボットは進行方向の前側で電気式の除草を行い、その後ろでレーザーを照射します。小さな雑草にはレーザーを、大きな雑草や作物から離れた雑草には電気式のアームを使います。電気式では作物への漏れ電流の影響を避けるため、作物から距離のある雑草を対象にする設計です。
電気式除草は、電極から植物へ電流を流し、植物の細胞内で熱を生じさせる方式です。水分などが気化して細胞内の圧力が上がり、細胞膜が破れて植物が枯れるか、生長が抑えられます。電流は植物の葉や茎から根、土壌へ流れ、機械側の接地部へ戻る回路をつくります。Andelaの機体では、電気プローブを載せたアームを取り外し、レーザー式のモジュールに交換できます。
Andelaが導入を決めた背景には、有機農業の大口顧客が電気式とレーザー式を併用した実績があります。その運用では、レーザーで大きさが5ミリ以下の雑草を処理し、残りをAndelaのロボットで除草しました。Andelaは、雑草の生育に適した条件ではレーザー単独の処理能力が足りない場合があるとして、2方式を組み合わせます。
実験研究が示す処理条件の違い
レーザーの効果は、雑草の茎の太さや出力、照射時間、レーザーと雑草の距離によって変わります。2種類の雑草を使った実験では、茎の太さが0.8〜2.65ミリの雑草は、茎を切断しなくてもレーザー処理で枯らせる可能性が示されました。0.5秒の照射で効果は80%、出力6.1ワットのレーザーを1.5秒照射した条件では100%でした。
この実験結果は、Andelaが小さな雑草をレーザーで、大きな雑草を電気式で処理する設計と重なります。ただし、実験で調べたのは2種類の雑草で、ロボット上のレーザー装置の性能測定ではありません。Andelaのレーザー除草部は青色ダイオード光を使い、機体はバッテリーと太陽光パネルを組み合わせて動きます。
電気式除草機を使ったブドウ園試験では、時速1.1〜1.4キロで走行し、4地点の平均で雑草のバイオマスを84〜87%減らしました。比較対象の除草剤処理では88%、刈り取りでは65%の減少でした。この試験はAndela機ではなく、別の電気式除草機を使ったものです。また、乾燥した植物残さがある場所では煙や炎が発生するリスクが確認され、試験では完全に乾いた残さの条件で火災リスクが高まりました。
自律走行と旧型機への対応
Andelaのロボットは、これまでも圃場内を自力で走行できましたが、畑の端で方向転換する際には補助が必要でした。次のシーズンからソフトウェアを更新し、安全な自律運転のためのセンサーを搭載できるようにして、全機種を完全自律運転に対応させる予定です。
新しいM-pedeアームは旧型機にも取り付けられる可能性があります。従来世代と新型機ではフレームがほぼ変わっていません。Andelaは改造への取り組みを翌年に始める予定で、販売開始は2028年まで見込んでいません。
第2世代の価格はまだ決まっていません。Andelaは、価格を従来世代と同程度にする方針です。レーザーと電気式を併用した際の処理能力は、開発段階のメーカー見込みとして毎秒15本とされています。稼働時の実績値ではありません。











