
AndurilとQualcommは、米国内での製造を目指す新製品群「BlueChip」を発表しました。第1弾は軍や政府機関などを対象とする堅牢型ノートPCで、2027年に予約を開始する計画です。部品の国内調達を段階的に広げ、将来は全てを米国内で生産する構想を掲げています。
軍や政府機関を想定した第1弾
BlueChipの初号機は、雨やほこりなどに耐える設計の堅牢型ノートPCです。主な対象は軍、政府機関、緊急対応要員、法執行機関で、一般消費者向けには設計されていません。
堅牢性を高めるため、本体は重くなり、バッテリー駆動時間にも制約が出る見込みです。Palmer Luckey氏は、価格を重視する消費者には、同等の用途で通常のノートPCを選ぶほうが安価になるとの見方を示しています。
消費者からの注文も受け付ける可能性がありますが、まず政府・公共分野の需要を想定しています。Luckey氏は、BlueChipの価格が一般的な高性能PCより約20%高くなると見積もっています。
米国内生産を段階的に拡大
BlueChipはQualcommのSnapdragon Xシリーズを搭載します。CPUはTSMCのアリゾナ州の工場で製造する計画です。QualcommのCristiano Amon CEOは、チップが他のノートPCと同じアーキテクチャーを採用すると説明しました。
Andurilは長期的に、ディスプレイや金属部品、磁性部品も含めた完全な米国内生産を目指しています。一方、初号機の部品調達先はまだ全て確定していません。Luckey氏は、ディスプレイを覆うガラスの米国供給元を見つけたものの、ディスプレイ本体は中国でしか製造されていない部品の一つだと述べています。
政府機関向けには、部品の供給網を追跡・監査できることも売りにします。Andurilは、Windowsアプリや政府で使われる一部のLinux環境、旧式ソフトウェアとの互換性にも取り組んでいます。
政府調達で使われる原産地基準
米国の連邦調達規則では、製造製品を「米国内製の最終製品」と扱う基準の一つとして、製品が米国内で製造されていることを求めています。鉄鋼主体の製品を除き、部品費に占める国内部品の割合は、2024〜2028年の納入分で65%を超え、2029年以降は75%を超える必要があります。
国内部品費の基準は、一般に市販される既製品(COTS)の調達では免除されています。ただし、鉄鋼主体の製品には別の国内含有率基準があり、COTSでも免除されません。
また、商用製品に該当する情報技術の調達には、Buy American法による外国製品の購入制限が適用されない例外があります。調達条件や例外の適用によって扱いが変わるため、国内生産を掲げることと、すべての政府調達要件を満たすことは同じではありません。
供給網と製品仕様が今後の焦点
AndurilはBlueChipを、将来の製品群につながる最初の一台と位置付けています。政府・防衛分野に続き、緊急対応や公共安全の現場を対象とし、消費者向け製品の優先順位は下げる方針です。
予約開始は2027年の予定です。Andurilは価格や詳細な仕様をまだ公表していません。部品供給元との契約も完了しておらず、初号機の調達構成や販売条件は今後具体化します。
堅牢型コンピューターは約50億ドル(約7,900億円)規模の市場とされています。BlueChipの初期需要は、一般消費者よりも耐環境性や調達条件を重視する政府・公共分野を中心に見込んでいます。








