military aircraft taking off
出典: northropgrumman.com

米空軍のステルス爆撃機B-2は、作戦によって30時間を超える飛行を行います。機内には2人の乗員が交代で休むための簡素な設備があり、睡眠や食事を含む疲労管理も長時間任務の一部です。

30時間を超える任務と2人の乗員

B-2の乗員は、左席の操縦士と右席のミッションコマンダーの2人です。5人で飛行するB-52より少人数で、飛行中の作業を分担しながら、給油や兵器運用などに備えます。

任務の飛行時間は過去に30時間を超え、2001年のアフガニスタン作戦では約44時間飛行しました。機体はミズーリ州のホワイトマン空軍基地を出発し、空中給油を受けて現地へ向かう運用がありました。同任務は乗員交代を含めて計70時間に及びました。

2025年6月の「ミッドナイト・ハンマー作戦」では、B-2がホワイトマン基地からイランのフォルドゥ核施設へ向かい、往復の飛行時間は約37時間でした。2017年のリビア作戦では約34時間、1999年のコソボ作戦では往復約31時間の飛行が行われています。

仮眠場所と食事の備え

操縦席の後方には、乗員が休むための折り畳み式寝台があります。一度に使えるのは1人で、背の高い操縦士が体を伸ばすには十分な長さではありません。深く眠るためというより、短い仮眠を取るための設備です。

トイレは密閉式の携帯型で、使用時のプライバシーは限られます。操縦席の後ろには、横になれる程度の平らな空間もあり、飛行中にそこで休む乗員もいます。

機内食は乗員が持ち込みます。電子レンジについて、B-2操縦士のティム・サットンは2023年のインタビューで、機内に設置されたと話しました。一方、「ミニ冷蔵庫」と呼ばれるものは、操縦士が食料を入れて持ち込む発泡スチロール製クーラーです。

仮眠の計画と疲労管理

乗員は通常、数時間ずつ交代で仮眠を取ります。適切な時間は飛行経路や空中給油、兵器運用の予定によって変わるため、誰がどの作業を担当するかと合わせて休息時間を計画します。

長時間飛行では、任務開始後に休息を先送りしすぎないことも重要です。元B-52操縦士のクリス・ベックは、標的到達まで時間があると思って気を緩めず、作業を進めながら交代で仮眠を取り始める必要があると話しています。

ホワイトマン基地には、長時間飛行が人体に及ぼす影響を専門とする医師や生理学者がいます。睡眠の取り方や食事の調整、疲労を抑える方法を操縦士に教え、特に長い任務では集中を保つための薬を処方することもあります。

防空網への接近と機体の設計

B-2は、敵の防空網に侵入する任務を担う爆撃機です。全翼機は、胴体や垂直尾翼のような大きな突起を抑えた形状で、レーダー波が機体に当たって発信源へ戻る反射を減らす設計です。レーダーは、電波の反射から対象の位置や大きさを捉えます。

機体にはレーダー吸収材も使われ、エンジンは後部に収められています。航空専門家のレベッカ・グラントは、形状や吸収材に加え、エンジンの熱の痕跡を抑える配置も機体を捉えにくくすると説明しています。

機内システムは飛行機雲が生じていることを乗員に知らせ、乗員は高度を変えられます。防空網に接近する際は、操縦席の「PEN」ボタンを含む低被探知性技術を作動させます。