
米爆撃機の更新計画とB-21の位置づけ
米空軍は、B-2とB-1Bの運用期間を延ばしながら、次世代ステルス爆撃機B-21 Raiderの配備を進めています。B-21は少なくとも100機を調達する計画で、老朽化したB-1BとB-2を今後数十年かけて置き換える構想です。既存機を直ちに退役させず、後継機への移行中も爆撃機戦力を維持する方針です。
米空軍グローバル・ストライク・コマンドのスティーブン・デービス司令官は、B-1とB-2の運用期間を延長すると説明しました。延長期間は明らかにしていませんが、空軍は今後数年間、両機の近代化にも投資する考えです。B-1操縦士の飛行時間を確保するため、HondaJet Eliteを使った訓練計画も進めています。
B-21は2027年にサウスダコタ州エルズワース空軍基地へ納入される見通しです。空軍は、既存のB-1とB-2で経験を積んだ操縦士を初期のB-21操縦士の一部にする計画です。
B-2の低被探知性を引き継ぎ、運用と改修を変える
B-2 Spiritは全幅52.4メートルで、機内の2つの兵器庫に最大約1万8,144キログラムの兵器を搭載できます。無給油航続距離は6,000海里を超えます。B-21はB-2より小型と推定され、公開されている搭載量は約1万3,608キログラムです。
B-2は機体の維持に飛行1時間あたり最大60時間の整備を要し、レーダー吸収材の維持には空調設備のある格納庫が必要です。これに対し、B-21は標準的な環境シェルターでの運用を想定し、展開できる基地を増やす設計です。また、ソフトウェアを更新して兵器やセンサー、ネットワークとの連携を加えるオープンなシステム構成を採用しています。
ステルス機は完全に見えなくなるのではなく、機体形状や電波を吸収・反射する素材によって、レーダーに映る大きさを抑えます。赤外線、電磁波、音響などの特徴も低減し、レーダー以外の探知手段への対策を組み合わせます。機内兵器庫に兵器を収めることも、機外に搭載した兵器によるレーダー反射を減らす方法の一つです。
ステルス技術では、レーダー吸収材、機体内部の構造、電波を反射させる外形、エンジンの赤外線放射制御を組み合わせます。形状や素材はレーダー波の反射を弱め、エンジンの熱を抑える対策は赤外線による探知を抑えます。任務経路や高度、速度なども、探知されにくい条件を保つ要素です。
B-1Bの搭載量と、侵入任務での限界
B-1B Lancerは最大約3万4,019キログラムの兵器を機内に搭載でき、米軍機の中で最大の通常兵器搭載量を持ちます。最高速度はマッハ1.25、無給油航続距離は5,765海里を超えます。大きな搭載量と速度は、従来の通常攻撃任務で強みとなってきました。
一方、B-1Bは冷戦期の低空侵入を想定した機体で、ステルス性能を備えていません。能力の限られた防空網での任務実績だけでは、統合された高性能防空網の下で生存できるとは限らないと論じられています。B-21は公開搭載量ではB-1Bを下回るものの、侵入時の低被探知性を重視する設計です。
B-21にはJASSM-ER巡航ミサイル、LRASM対艦ミサイル、B61-12核爆弾の搭載が予定され、将来的には極超音速兵器も視野に入っています。そのため、比較では搭載重量だけでなく、どの防空環境で任務を行うかが焦点になります。
B-52JとB-21は異なる距離から攻撃する
米空軍の長期的な爆撃機構想では、B-21と近代化したB-52を組み合わせます。B-21が防空網の内側への侵入を担い、B-52は脅威圏外から兵器を発射します。
B-52Jへの改修では、8基のエンジンをロールス・ロイス製F130に換装し、レーダーや通信・航法機器も更新する計画です。初期運用能力の獲得目標は2033年で、改修後も2050年代を超えて運用する構想です。無給油航続距離は8,800海里、搭載量は最大約3万1,751キログラムです。
B-52Jは長距離巡航ミサイルを脅威圏外から発射する任務を担い、B-21は高密度の防空環境への侵入を想定します。B-21をめぐっては、2024年に空軍がNGAD計画の見直しに伴って役割拡大を検討していると報じられました。当時、調達数は100機の計画を維持し、空対空任務などは検討段階とされていました。その後の構想でも少なくとも100機の調達が掲げられています。









