BMW 320si WTCC 2006
写真: Morio / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons

BMWの限定車「320Si」が英国で販売され、掲載価格は3,900〜7,995ポンド(約5,200〜10,600ドル)です。世界ツーリングカー選手権(WTCC)参戦の公認取得を目的に生産されたモデルで、レース仕様車は2006年と2007年にドライバーズ選手権とメーカーズ選手権を制しました。一方、エンジンのアルミ製シリンダーライナーには故障の報告があり、購入価格だけでは車の状態を判断しにくいモデルです。

WTCC参戦に向けて作られた2,600台

320Siは、BMWのE90型3シリーズをベースにした限定車です。BMWは2005年、WTCCの「Super 2000」規則に適合する車を必要としていました。同規則では自然吸気エンジンの排気量が2.0リッターに制限され、市販車を2,500台以上生産する条件もありました。BMWは320Siを2,600台生産し、そのうち500台を英国に供給しました。

エンジンは通常の320i用ユニットをもとに、排気量を1,997ccとし、ボアを広げてストロークを短くするなど、高回転での使用を意識して変更されています。バルブの大型化や圧縮比の引き上げも行われ、回転上限は7,300rpmでした。シリンダーヘッドはBMWのF1エンジンも製造するランツフート工場で鋳造され、軽量化を狙ったカーボンファイバー製バルブカバーを備えます。

公道仕様の最高出力は171馬力(173PS)、最大トルクは194Nmです。0〜100km/hの加速は8.1秒で、同時期の通常の320iの143PSを上回ります。レース仕様車の最高出力は275PSでした。

外観に出にくい専用装備とレース成績

外観上の違いは控えめで、専用の18インチホイールや幅広のタイヤ、大型ブレーキ、サテン仕上げのクロームミラーなどが識別点です。車体の下には標準のMスポーツサスペンションを残しつつ、最終減速比を4.10:1に変更しています。前輪ブレーキも大型化されました。

レース仕様の320Siは、投入初年度の2006年にWTCCのドライバーズ選手権とメーカーズ選手権の両方を獲得し、2007年も同じ結果を残しました。公道仕様とレース仕様では最高出力が異なります。

購入時に確認したいシリンダーライナー

Element Performanceによると、320Siのエンジンに使われるアルミ製シリンダーライナーは、ひび割れや破損を起こす場合があります。圧縮が低下したり、ライナーの破片がエンジン内部に脱落したりすることがあり、同社は鋼製ライナーへの交換を修理方法として挙げています。

同社によると、走行距離が約8万マイルを超える車では交換済みの可能性がある一方、4万マイルで不具合が起きた例もあります。鋼製ライナーへの交換を含むエンジンの全面再構築費用は、同社の案内では約3,000〜4,000ポンドです。Carscoopsも、故障時に鋼製ライナーへ交換する修理は安価ではないと伝えています。

英国での掲載価格は5,200ドル相当からです。ライナーの状態や修理歴によって購入後の費用は変わります。