
物語を伝える表現を横断する美術館
ルーカス美術館(Lucas Museum of Narrative Art)が2026年9月22日、米ロサンゼルスのエクスポジション・パークに開館しました。絵画や彫刻に加え、漫画、イラスト、映画の制作美術なども展示し、物語を視覚的に伝える表現を幅広く扱います。「ナラティブ・アート」とは、特定の素材や技法ではなく、絵や造形を通じて物語や展開を表す作品を指します。
映画監督のジョージ・ルーカスと実業家のメロディ・ホブソンが設立した同館では、古典美術と現代の大衆文化に結び付いた作品を紹介しています。絵画、漫画、映画のコンセプトアートなどを、物語を伝える視覚表現として並べています。
開館までの延期と展示規模
建設は2018年に始まり、当初は2021年に主要工事を終える計画でした。新型コロナウイルス感染症への対応に伴う工事の遅れを受け、2022年に開館予定を2025年へ変更。その後、開館は2026年に再延期され、最終的に9月22の日程が発表されました。
館内には35のギャラリーがあり、常設コレクションは4万点です。彫刻、漫画、児童書やSFの挿絵、写真のほか、ルーカスの映画制作に関わる衣装や小道具、ポスターなども所蔵品に含まれます。ノーマン・ロックウェル、フリーダ・カーロ、ドロシア・ラング、マックスフィールド・パリッシュらの作品も展示対象として挙げられています。
ジャンルごとに見る展示
Creative Bloqの訪問記によると、1階には「英雄、神話、聖なるもの」をテーマにした展示があり、レンブラントの《夜警》やヘンリー8世の肖像画の複製が並びます。2階はファンタジー、西部劇、SFなどのジャンル別展示が中心で、N・C・ワイエスやノーマン・ロックウェルを扱う作家別の区画もあります。
漫画の展示では《鉄腕アトム》や《AKIRA》などの作品を取り上げています。
スター・ウォーズの展示には、ラルフ・マクウォーリーによる旧三部作のコンセプトアートや、『シスの復讐』に登場するアナキンとオビ=ワンの戦いを描いた制作美術が含まれます。衣装デザインの立体作品もあり、ダグ・チャンが手掛けたダース・モールとシス・スピーダーの作品も紹介されています。Creative Bloqの訪問記は、スター・ウォーズ展示に来館者の列ができていた一方、館内全体に占める同シリーズの展示は一部だったと報告しています。
図書館と公園も併設
美術館の隣には教育センターがあり、3層の研究図書館を備えています。1階では館内の作品や作家に関する本を閲覧でき、2階にはルーカスら映画制作者が調査や世界観づくりに用いた書籍、3階には俳優のスティーブ・マーティン夫妻が寄贈した約3,000冊の美術書を収蔵しています。
開館前の計画では、敷地内の11エーカーの公園を、入館券を持たない人も含めて日の出から日没まで利用できるとしていました。










