Binanceは、最大約58億ドル(約9,200億円)相当の暗号資産に関わるセキュリティ問題を調査しています。TetherとCircleは関連するUSDT・USDCを合わせて23億ドル(約3,600億円)超凍結しました。
追跡された資産と送金額
暗号資産ジャーナリストの分析によると、Binanceのホットウォレット「Binance 14」から64種類のトークン、約25億3,000万ドル(約4,000億円)相当が送金されました。24秒後には別のBinanceウォレットから約1億7,440万ドル(約280億円)が送られ、その後、3つ目のホットウォレットから同じEthereumアドレスに7億8,000万USDCが移動したとの報告がありました。報告された送金額は計約34億8,000万ドル(約5,500億円)です。
ブロックチェーン分析企業Arkham Intelligenceが追跡する「binance-hacker-1029」の55アドレスには、約57億8,000万ドル(約9,100億円)相当の資産があるとされています。内訳はUSDT約17億7,000万ドル(約2,800億円)、Bitcoin約14億4,000万ドル(約2,300億円)、Ethereum約8億7,600万ドル(約1,400億円)、USDC約8億2,300万ドル(約1,300億円)です。
約57億8,000万ドル(約9,100億円)は追跡対象のアドレスにある資産の評価額で、Binanceから盗まれたと確定した金額ではありません。Binanceは、送金が無許可だったか、侵入がどう起きたか、実際の流出額はいくらかを明らかにしていません。
Binanceの調査と出金停止
Binanceはセキュリティ上の問題に関する報告を把握し、調査中だと説明しました。利用者の資金は安全だとし、確認できた情報を公式チャネルで知らせるとしています。
Binanceの広報担当者は、セキュリティ事案を受けた予防措置として、複数ネットワークで出金を一時停止したとTechCrunchに述べました。Binanceは関連情報を緊急に確認していると説明しました。
Binanceは、詐欺に注意し、非公式のリンクやメッセージ、アカウント情報を求める連絡を信用しないよう利用者に呼びかけました。創業者のChangpeng Zhao氏はXへの投稿で、ハッキングの可能性に言及し、利用者資金は全額カバーされるとの見方を示しました。同氏は現在Binanceを運営していないとされています。
ステーブルコインの凍結
TetherのCEOは、今回の疑惑に関連するUSDTを15億6,700万ドル(約2,500億円)超凍結したと述べました。CircleのCEOも、関連するUSDCを8億ドル(約1,300億円)超凍結し、法執行機関と連携して調査を支援すると表明しました。
USDTでは、Tetherがコントラクト上のブラックリストにアドレスを登録すると、そのアドレスからの送金と、そのアドレス宛ての送金が拒否されます。凍結状態はブロックチェーン上に記録され、公開イベントとして通知されます。
USDTのブラックリストを変更できるのは、Tetherのオーナー権限を持つマルチシグウォレットです。登録解除して送金可能な状態に戻す機能と、対象アドレスのUSDTを焼却する機能もあります。TetherとCircleが凍結した金額は合計で23億ドル(約3,600億円)を超えます。
ホットウォレットに集まるリスク
Binanceからの送金が疑われる先は、インターネットに接続されたホットウォレットです。ホットウォレットは取引に使いやすい一方、オンライン環境にあるためサイバー攻撃にさらされます。
暗号資産のウォレット自体に資産が保存されるのではなく、送金を承認する秘密鍵が保管されます。秘密鍵を使える人は取引を承認できるため、鍵の保管方法が資産へのアクセスを左右します。
コールドウォレットは秘密鍵をオフラインで保管し、ホットウォレットはインターネットに接続して使います。オフライン保管はオンライン攻撃への露出を抑える一方、秘密鍵や復元用フレーズを失うと資産にアクセスできなくなる可能性があります。








