
Canvaは、独自開発の画像生成モデル「Canva Craft」の提供を始めました。画像の構図を先に計画してから描画する2段階方式を採用し、デザイン向けの画像や文字を生成します。全ユーザーが利用でき、開発者向けAPIにも対応しています。
構図を計画してから画像を生成
Craftは、入力された指示を解釈して画像内の要素や配置を計画する段階と、その計画をもとに画像を描画する段階に分かれています。計画では、要素同士の位置関係や大きさ、視覚的な優先順位、画像に含める文字を扱います。
描画段階では、最大2K解像度の画像を生成できます。Canvaによると、構図や文字を描画前に扱うことで、文字を読みやすくし、要素を配置しやすくなります。また、画像の一部を編集する際、ほかの部分への変更を抑えられます。
この方式は、指示から直接ピクセルを生成するモデルとは設計が異なります。2025年の研究論文「DesignDiffusion」は、文字とビジュアル要素を一度の生成で合成する方式を提案し、文字単位の情報や配置への注意を学習に取り入れています。同論文は、文字の領域を先に固定せずにデザイン画像を生成する枠組みを説明しています。
写真よりデザインを重視した学習
Craftの学習では、写真を中心とする画像データだけでなく、Canvaのライブラリにある人が制作したテンプレートも重視しています。データには、ポスター、SNS投稿、プレゼンテーション、インフォグラフィック、メニュー、文字を多く含むレイアウトなどがあります。
Canvaは、事前学習の後、専門デザイナーからのフィードバックを用いた教師あり調整と強化学習を行ったとしています。社内評価では、デザイナーが研究者とともに、主要モデルとの画像ペア2万5,000組超を比較しました。
Canvaによれば、CraftはDesignArenaの評価で画像生成モデル全体の4位となり、「人物・ポートレート」と「風景・自然」の各部門では、それぞれ87モデル中、85モデル中の1位でした。
Magic Layersで画像を編集可能な要素へ
Craftが生成した画像は、Canvaの「Magic Layers」で編集可能なレイヤーに変換できます。Magic Layersは、画像を要素ごとに分け、レイアウトや階層を保ちながら個別に編集する機能です。
変換後は、レイヤーを選んで移動、削除、サイズ変更でき、個別の要素に効果を加えたり、別の画像やグラフィックに置き換えたりできます。処理後は文字を編集でき、画像要素と背景も分けて扱えます。
Magic Layersは、グラフィックデザイン、イラスト、スタイライズされたビジュアルでの利用に適しています。写真のように写実的な画像では要素がきれいに分離されない場合があり、対応する画像形式は単ページのPNGとJPGです。
Canva内と開発者向けに提供
CraftはCanvaのDream Labから利用できます。Canvaは全世界のユーザー向けに提供を始め、公開APIを通じて開発者や製品チームが自社のツールに組み込めるようにしています。
Canva MCP Serverを通じて、AIアシスタントや自動化ワークフローから利用できる仕組みも予定されています。Canvaは、MCP経由の提供を「近日公開」としています。
Canvaは、より高速なCraftの派生モデルも開発中と発表しました。初期版のCraftに続き、生成速度やコストを抑えたモデルを今後提供する計画です。











