E Ink Kaleido 4、色域体積を2倍に拡大しM10C IIに初搭載
出典: eink.com

Kaleido 4で変わる色表示

E Inkはカラー電子ペーパー技術「Kaleido 4」を発表しました。前世代に比べて色域体積を2倍以上にし、白の反射率を15%、コントラストを50%高めています。初搭載製品は、Hanvon Technologyの電子ペーパーノート「M10C II」です。

色域体積は、特定の色空間の中でディスプレイが表現できる色の範囲が占める大きさを指します。色空間によって値が変わるため、比較には人の色の感じ方に近い色空間を使うことが推奨されています。Kaleido 4の「4万超」は色数ではなく、色域体積の値として発表されています。

色域体積の拡大は、表示できる色の広がりを示す指標です。色数は別の数え方であり、色域カバー率は基準となる色域のうち、どの範囲を再現できるかを表します。そのため、色域体積が2倍になったという数値だけから、表示できる色数や特定の色域のカバー率も2倍になったとは言えません。

反射率とコントラストも向上

Kaleido 4では白の反射率が前世代比で15%高まり、コントラストは50%向上しました。

電子ペーパーのカラー表示では、色の鮮やかさだけでなく、明るさやコントラスト、細部の見え方も関係します。色域体積は色空間内の広がりを表し、反射率やコントラストはそれぞれ別の特性です。

Kaleido 4は前面照明の設計も改め、画面の粒状感を抑えた色再現を目指しています。E Inkは、色付きのPDF、プレゼンテーション、図表、教材のイラストや技術資料など、多様なデジタルコンテンツへの対応を挙げています。

M10C IIでページ送りを高速化

M10C IIでは、Kaleido 4の酸化物TFTバックプレーンに加え、Hanvon独自の「Enhanced Pressure Floating」技術とT2000タイミングコントローラーを組み合わせています。この構成により、ページ送りとスクロールが前世代比で27%速くなります。

酸化物TFTバックプレーンは、より高い駆動電圧と速い画面更新を支える構成要素です。ページ送りの速度向上は、ディスプレイ単体の変更だけでなく、M10C II側の技術や制御部品との組み合わせによるものです。

Kaleido 4は新しいアルゴリズムにより、最大18フレーム毎秒の動画再生にも対応します。これは動画の表示速度に関する仕様で、ページ送りやスクロールの27%向上とは別の指標です。

色域体積の数値を読む

ディスプレイの色を評価するには、色の三次元的な性質を扱う必要があります。色域体積は、色空間の三つの座標で囲まれる範囲の大きさとして定義され、色空間の単位で表します。

色の知覚は明るさを含む三次元のものですが、色域の説明には二次元の色度図が使われることもあります。色評価に関する研究は、現代のディスプレイでは信号処理や画素構成が異なり、二次元図だけでは色の能力を適切に表せない場合があると指摘しています。

色域体積の値を読むときは、どの色空間で測った数値かが重要です。色域体積は色域の広さを示すもので、色数や基準色域のカバー率とは異なる指標です。

電子ペーパーノートへの展開

Hanvonは同機にOCR、音声、AIを利用したオフィス機能やクラウドライブラリー同期機能を組み込み、読書に加えて文書確認や会議記録などの用途を挙げています。

付属のワイヤレスデジタルペンは電池を使わず、筆圧を8,192段階で検知します。表面には反射と視差を抑える微細加工ガラスを採用しています。

現時点で製品として確認されている初搭載機はM10C IIです。E Inkは今後数カ月にほかの電子書籍端末にも搭載が広がる見込みを示しています。